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[米国/イスラエル]
「電子ジハード勃発」報道に疑問――セキュリティ専門家らが指摘

大衆向けメディアが発した警告は、話半分にとらえるべき

(2007年11月01日)

 セキュリティ専門家らが、国際テロ組織のアルカイダが西欧諸国の組織に電子ジハード(サイバー攻撃)を仕掛けようとしているとする報道について、信憑性に疑問があると指摘した。

 攻撃の可能性を報じたのは、中東の軍事活動情報を追うイスラエルのオンライン・マガジン「DEBKAfile」だ。同サイトが匿名の「テロ対策側情報源」から得た情報によると、11月11日以降、15のWebサイトにサイバー攻撃を仕掛けるよう呼びかける「インターネット告知」が10月29日に傍受されたという。このサイバー攻撃が遂行された場合、「何十万人ものイスラム系ハッカーが不特定多数の反モスリムWebサイトを攻撃するところまで被害が拡大するだろう」とDEBKAfileは警告している。

 こうした攻撃を仕掛けるのに利用されるソフトウェア・キットとしては、「Electronic Jihad Version 2.0」(以下、Jihad 2.0)が知られている。米国セキュア・コンピューティングの技術エバンジェリズム担当バイスプレジデント、ポール・ヘンリー氏によると、同ソフトウェアは3年ほど前から配布されており、最近になって改良が施されたことで、DEBKAfileが示唆したようなDDoS(分散サービス拒否)攻撃をより効果的に起こせるようになったという。

 しかし、ヘンリー氏は、米国法執行機関内の情報提供者がDEBKAfileの報道に疑念を抱いていることを明らかにしている。「DEBKAfileの報道を承知している人々と話をしたが、今回の報道は疑わしいとのことだった。ただし、一切信用できないわけではないらしい。なお、わたし自身は11月11日にインターネットがダウンするとは思っていない」(ヘンリー氏)

 今年4月にエストニア政府が大規模なサイバー攻撃に見舞われた事件などを研究しているセキュリティ専門家、ガディ・イブロン氏も、同様の疑問を抱いている。同氏は、「DEBKAfileは、どこもキャッチしていない情報をいち早く提供しているが、大衆向けメディアであることは確かだ。話半分にとどめるべき情報源として扱ったほうがよい」と忠告している。

 加えてイブロン氏は、本当に攻撃が計画されているとしても、特に目新しいものにはならないと指摘する。「Webサイトを攻撃する程度の電子ジハードならば、熱狂的な信者がさまざまな目的で毎日のように起こしている。また、アルカイダに協力して攻撃を仕掛けるような情報セキュリティ専門家が、世界に数十万人もいるわけがない」(同氏)

 イブロン氏は、一部の未熟なハッカーが何かを企んでいる可能性はあるものの、DEBKAfileが暴いた計画は大規模なサイバー攻撃に関するものではないと結論づけている。

(ロバート・マクミラン/IDG News Service サンフランシスコ支局)




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