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[ドイツ]
暴力的PCゲームは禁止すべき? 校内乱射事件を機に議論が白熱
(2006年11月22日)
11月20日にドイツ西部のエムスデッテンで起こった校内乱射事件の余波がPCゲームの是非に及んでいる。ドイツでは長年、暴力的な場面が登場するPCゲームを禁止すべきかどうかで議論が続いており、今回の事件によって禁止派が勢いを増してきそうだ。
この事件は、武装した18歳の元生徒が母校に押し入り、持っていた銃を乱射して11人に重軽傷を負わせた後に自殺したというもの。同校の生徒や教師によれば、この元生徒は在学中から友人がおらず、銃器が好きで暴力的なシューティング・ゲームで遊ぶことが多かったという。
また、元生徒が事件前に、インターネット上のチャット・グループに銃撃計画を打ち明けていたことや、ドイツ国内の武器ポータル・サイトを通じて銃や爆弾などを購入していたことも明らかになった。
ドイツでは2002年にも東部のエルフルトで、元生徒による学校銃撃事件が発生した。こちらの犯人も、PCゲームが好きな友人の少ない人物で、教師を含む16人を銃撃した後に自殺している。
エルフルトでの銃撃事件の後、ドイツ政府は、すべてのPCゲームとビデオ映画に年齢制限を義務づけることなどを盛り込んだ新しい未成年者保護関連法を議会に提出した。さらに、一部の議員はISP(インターネット・サービス・プロバイダー)に対し、自社システムで提供される情報を積極的に管理するよう求めている。
エムスデッテンでの事件を受けて、ドイツ連邦家庭省の広報担当官は、「政府は、未成年者の保護に関する現行法を見直すべきかどうかを調査中であり、2007年中に結論を発表する予定だ。今回の事件は、現行法の見直し審議に影響を与えるだろう」とコメントしている。また、家族省の広報担当官は11月21日、同省のウルスラ・フォン・デア・ライエン大臣が、PCゲームの規制に関して政策立案者らと話し合っていることを明らかにした。
暴力的なPCゲームが野放しになっていることに対し、そうしたPCゲームを禁止するよう求めてきたドイツの政治家は怒りをあらわにしている。ブランデンブルク州のイョルグ・ショーンベーム内相もその1人で、エムスデッテンで起きた事件の後、「“殺人ゲーム”は暴力的行動を助長し、若者の残虐行為が急増している一因となっている」と語り、ゲーム業界の自主規制だけでは不十分だとの認識をあらためて示した。また、ニーダーザクセン州のウーヴェ・シューネマン内相は、ドイツ国内で暴力的なPCゲームの開発/配布を禁止するよう政府に要求している。
一方、与党社民党の議員で家族政策の専門家であるディーター・ヴィーフェルスプッツ氏は、「“その種”のPCゲームで遊ぶユーザーが、すべて自動的に大量殺人者になるわけではない」との見解を示したうえで、殺人ゲームの禁止を主張した。
ここ数カ月、多くの社民党議員は、未成年者の保護を目的とする連邦法の大幅な見直しを求めてロビー活動を展開しており、見直し案の中には暴力的なPCゲームの全面禁止も含まれている。また、与党のキリスト教民主同盟とキリスト教社会同盟(CSU)も、“娯楽ソフト”を制限する必要性があることを認めている。
こうした動きに対し、野党である緑の党の議員は、すべての責任をPCゲームに押しつけることに警鐘を鳴らしている。同党の下院議員であるフォルカー・ベック氏は、「若者は自分でメディアを見極める能力を身に付け、PCゲームを含むコンピュータの良識的な使い方を学ぶ必要がある」と述べている。
(ジョン・ブラウ/IDG News Service デュッセルドルフ支局)



