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【解説】
ソニックとデータディレクトの統合が生み出す高付加価値のデータ連携ソリューション

田上新社長が描く、顧客志向のビジネス/製品戦略とは

(2008年05月13日)

2008年3月1日、米国Progress Softwareを親会社とするソニック ソフトウェアおよびデータディレクト テクノロジーズの代表取締役社長に田上一巳氏が就任した。ソニック ソフトウェアは、ESB(Enterprise Service Bus)製品によってSOA(サービス指向アーキテクチャ)ベースのシステム統合を牽引してきたベンダーである。一方、データディレクトはデータベース・アクセス技術やメインフレーム連携の分野で高い実績を持っている。本稿では、両日本法人の新社長となった田上氏へのインタビューを通じて、両社のシナジーを集約したソリューション戦略や目指すビジョンなどを紹介する。

杉山貴章
オングス

メインフレーム連携まで見据えたエンタープライズSOAを目指す

 ESBがSOAの具現化に果たす役割は大きい。実際、ESBは多くの企業でシステム/アプリケーション連携のコア・テクノロジーとして採用されている。ESBを前提にSOA導入に踏み切る企業も珍しくはない。

ソニック ソフトウェアおよびデータディレクト テクノロジーズの代表取締役社長、田上一巳氏

 そして、いち早くこのESBの優位性を訴えてきた、業界のパイオニアとも言えるベンダーがソニック ソフトウェアである。同社の主力製品である「Sonic ESB」は、SOAベースのシステム統合基盤としてESBを実装し、高い開発生産性と信頼性、低コストを実現している。

 ただし、SOAの下での現実的な連携にあたっては、ESBの適用だけを考えればよいというわけではない。例えば、膨大な情報資産を有するメインフレームとの接続ニーズの高まりに目を向ける必要がある。田上氏は、ESBによるSOA導入の価値を享受するためには、既存システムの連携はもちろん、メインフレームへの透過的なアクセスにより、蓄積されたデータやアプリケーション資産の有効活用を図る必要がある、と強調する。

 「SOAに関する話題のほとんどは、ミドルウェアの接続のことばかりで、レガシーとの連携については置き去りにされている感が強い。しかし、いまだにビジネス上の重要なデータがメインフレームに格納されていることも多く、従来のEAI(Enterprise Application Integration)やESBといった統合ミドルウェアだけでSOAの世界を完結させるのには無理がある。必ずメインフレームのオープン化と向き合っていかなければならない」(田上氏)

 一方のデータディレクトは、ODBCやJDBC、ADO.NETなどに対応するデータベース・ドライバ製品のデファクトとして知られるが、「DataDirect Shadow」に代表されるメインフレーム連携プラットフォームのリーディング・カンパニーでもある。

 ESBとメインフレーム連携――。この2つは、ソニック ソフトウェアとデータディレクトの統合から生まれるシナジーを語るうえで外せないキーワードだ。

 田上氏の就任を機に、ソニック ソフトウェアとデータディレクトは両社の事業統合を進め、新会社の設立も視野に入れた新たなスタートを切った。両社はいずれも、それぞれがターゲットとしてきた分野において、豊富な経験と実績、すぐれた人材を有している。統合によって両社がリソースやノウハウを集約しシナジー効果を十分に発揮すれば、エンタープライズの市場で新たな地位を獲得できるはずである。

 両社の最終的なマージにはまだ少し時間がかかるかもしれないが、現時点で「ビジネス・インフラにおけるトータルなデータ/アプリケーション連携ソリューションの提供と、XML関連ツールの市場拡大を目指し、事業を展開する」(田上氏)という取り組みは順調にスタートしている。


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