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【解説】
SAPの顧客がSAPについて何も知らない本当の理由

「自社の将来のために動向は常に追うべき」――AMRのアナリストが警鐘

(2008年05月19日)

 米国AMR Researchのリサーチ担当シニア・バイスプレジデント、ジム・シェファード(Jim Shepherd)氏は、SAPの顧客が、同社が今後リリースする製品やエンタープライズ市場における成長戦略など、同社の動向についてほとんど把握していないのを見るにつけ、「いつも驚きを感じる」と話す。

 Shepherd氏は、「SAPが決定し、公開もしている事柄が同社の顧客に認識されていないケースに、これまで何度も出くわした。SAPの動向が自社に及ぼす影響について、多くの顧客が長期的な視点で見ていない」と指摘する。

 AMRのクライアントであり、Shepherd氏が定期的に助言を行っている企業のCIO(最高情報責任者)やITマネジャーらが、SAPの動きにまったく注意を払っていない理由は複数あるという。「仕事に時間を取られて、ベンダーのプレスリリースを読んだり、(SAPの)Webサイトを閲覧したり、自社と取り引きしているソフトウェア・ベンダーのビジネス戦略を検証したりする余裕が彼らにはないのだ」(Shepherd氏)

 だが、言うまでもなくSAPの顧客は、同社幹部の声明や新製品情報などに関心を持ち、同社の動向を常に把握しておくべきである。

 なぜそうすべきなのか。それには無視できない2つの根拠がある。1つは、SAPとの一般的な提携コストが数百万ドル規模に上ること、もう1つは、ほとんどの企業が20年後もSAPがコア・システムのままであると信じていることだ。こうした事情から、SAPが製品戦略やリリース予定、ターゲット市場、パートナーシップ形態、ライセンスおよびメンテナンス費用などに明確な変更を加えた場合、顧客企業の将来が直接的に左右される可能性が出てくるのである。

 「正直者であれば、システムに悪影響が出て自身のキャリアに傷がつくおそれがあるため、定年前に他社製品へ乗り換えることのないよう事を運んでいる、と言うかもしれない。それでも、企業が健全であるためには、たとえ痛みを伴おうとも、議論を尽くさねばならない」と、Shepherd氏は主張している。

(Thomas Wailgum/CIO.com)




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