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【解説】
SOAに欠けるデファクト・スタンダードの存在
WOA/Web 2.0のデファクト技術を生かしてSOA基盤を構築する
(2008年06月30日)
SOA(サービス指向アーキテクチャ)はビジネスにきわめて大きな影響を与えると見られているが、SOA基盤を構築するにはWeb指向アーキテクチャ(WOA)とWeb 2.0技術が必要だ。そこで本稿では、WOA/Web 2.0がSOA基盤の構築にどう貢献するのかを解説する。
Nicholas Petreley
CIO米国版
現在のSOAは大きな問題を抱えている。多様なニーズに対応するために策定された、各種の標準が乱立しているからだ。問題の解決を目指して設計された各種標準がSOAの発展を妨げているという事実は理解しにくいと思うが、標準にまつわるこれまでの歴史を見ても、大切なのはデファクト・スタンダードだけであることがわかるだろう。
その際、デファクト・スタンダードが「最良の技術」であるかどうかは問題にならない。最良の技術が成功を収めた例は、実はきわめて少ないからだ。
かつて私は、米国Appleが提唱した複合文書技術「OpenDoc」や、異機種分散環境のオブジェクト間でメッセージをやり取りするための仕様「CORBA」などは必ず成功すると考えた。特にCORBAはすぐれた標準であり、ネットワーク・コンポーネントに対する卓越したミドルウェア・ベースのアプローチだった。また、技術的に見てもSOAにとって理想的な技術になると期待されていた。
しかし、CORBAがデファクト・スタンダードとして広く受け入れられることはなかった。黎明期のインターネットでは対応できないほど仕様が大きかったというのが理由の1つだが、それよりも重要なのは、競合する技術仕様にマインド・シェアを奪われてしまったという点だ。結局CORBAは、SOAPやActiveXなどの技術仕様に敗れてしまった。
SOAベースのITインフラを一から構築するには大変な労力が必要であり、しかもそれが本当に実現可能かどうかは実証されていない。なぜなら、その具体的な成功例をSOAはまだ示すことができないからだ。
しかし、さまざまなレベルでSOAの導入が進められていることも事実だ。SOAはビジネス・プロセスにとって有効であることが証明されているし、SOAベースのITインフラへ移行を進めている企業も数多くある。また、米国の大手ラジオ放送会社であるClear ChannelのIT部門は、SOAによるソフトウェア開発/運用の統合で大きな成果を上げている。
幸いSOAとWOAは似ているため、WOA/Web 2.0の開発者たちが行った問題解決の成果をSOAに生かすことができる。加えてWOA/Web 2.0の開発者たちは、SOA基盤に必要なデファクト・スタンダード技術をすでに開発している。仮に、SOA基盤を構築するのに必要な機能がWOAとWeb 2.0に欠けていたとしても、デファクト・スタンダードが確立していればすぐに対応することができる。
Web 2.0は、分散サービスの開発作業を効率化するという点で、すでに有効性を実証していると言えよう。また、多くの成功例に裏打ちされ、クラウド・コンピューティングやSaaS(Software as a Service)といったWebベースのサービスを導入する動きも広がっている。大きな成果を上げている米国Amazon.comや米国GoogleのWebサービス、既存技術に取って代わりつつあるAjaxベースのアプリケーションなども、Web 2.0やWOAのすぐれた特性を実証している。
SOAの有効性を確立するには、スムーズな相互運用をサポートするアプリケーション/サービスが必要である。そのため、アプリケーションがサービスを容易に発見・通信できるようにしなければならず、これにはデファクト・スタンダードに可能なかぎり準拠したサービス開発が求められる。
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