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[米国]
BEA、Project Free Flowを来月発表

(2005年05月23日)

 年間売上高の伸びが頭打ちとなっていた米BEAシステムズは、アプリケーション・サービスのインフラとSOA(サービス志向アーキテクチャ)技術の提供による成長戦略の一環として、6月9日に「Project Free Flow」を発表する。

 BEAの製品マーケティング担当副社長で元サン・マイクロシステムズ幹部のビル・ロス氏によると、このFree Flowプロジェクトは、ビジネス・プロセス間での情報の自由な流れ(free flow)を可能にすることを目指したものだ。

 「Free Flowは、顧客がSOAを実現できるように支援する製品だ」とロス氏。Free Flowは、異種混在環境での利用が想定されており、SAPシステムやMicrosoft .NETシステムなどのソフトウェア資産を統合できるという。

 Free Flowでは、現在開発中で今夏出荷予定のエンタープライズ・サービス・バス「QuickSilver」が、メッセージの変換およびルーティングの仲介役となる。また、「WebLogic Enterprise Security」がセキュリティ・コンポーネントを、「Liquid Data」がデータ統合コンポーネントを提供する。

 QuickSilverは、たとえばコールセンターから注文管理システムへの注文の送信などのような、メッセージのルーティングを行なう。WebサービスやFTP、CORBA、Java Message Service、SNMPなどの技術をサポートし、データ変換を構成するためのグラフィカル・インタフェースが用意されるほか、Webサービス管理機能も搭載する。

 また、Free Flowプロジェクトの一部として、Liquid Dataが今春末にアップグレードされ、WebLogic Enterprise Securityの新バージョンが今年後半に投入される予定だ。BEAは、Free Flowに含まれるこれら3製品の名称を6月9日に変更したり、それらを最終的に1つのパッケージとして提供する可能性もある。「サービス・インフラに関する当社のビジョンは、3〜5年の長期的なものだ」とロス氏は述べている。

 BEAでは、Free Flowプロジェクトとそのアプリケーション・サービス・インフラへの取り組みによって、同社の現在の財政的停滞から抜け出すことを目指している。数年来、同社の売上高は10億ドル程度で頭打ちとなり、安定してはいるが、期待通りの成長は示してこなかった。ただし、直近の四半期である2005年第1四半期には、通常振るわない第1四半期としては過去最高の1億6570万ドルという売上高を記録したという。

 米パトリシア・シーボルド・グループの上級副社長兼シニア・コンサルタント・アナリスト、ブレンダ・ミケルソン氏はBEAの戦略を評価している。サービス・インフラ市場はアプリケーション・サーバ市場より広く、プロフェッショナル・サービスを販売する機会をBEAに提供する、と同氏は言う。同氏によると、BEAのソフトウェア・ライセンス収入が減少する一方で、サービス収入は増加している。2005年第1四半期のBEAのプロフェッショナル・サービス収入は1億6570万ドルで、1億1610万ドルのライセンス収入を上回った。前年同四半期のライセンス収入は1億2020万ドルだった。

 BEAは、SOAにおけるサービス提供のファイン・チューニングに商機があると見ている。BEAの成長戦略には、アプリケーション・インフラで先導的役割を果たすことと、サービスを構築するための新たな手段を提供することが含まれている。ロス氏は語る。「われわれは、次の段階のアプリケーション統合を可能にするサービス統合レイヤを開発することに、新たな商機を見いだしている。現在は、電子商取引システムの注文処理のような機能のために、きめの粗いサービスが企業のIT部門で開発している。だが、そうしたサービスを広く有用なものにするのは難しい。人々は新たなレベルの複雑さに直面しているが、われわれは顧客が、きめの細かいサービスを構築し、よりビジネス・プロセス的なものにするのを手助けできる」

 「BEA WebLogic Server」アプリケーション・サーバに見られるように、BEAはJavaに取り組んできた会社として知られているが、今後はサービス・インフラへの取り組みを通じてJava中心色が薄まる、とロス氏は述べた。「この新しいレイヤは、多数のコードを必ずしも書く必要なしでアプリケーションを作成・構成したいユーザーのために、BEAがJavaを超え、Javaに関する当社の伝統も超えて進むことを厭わないことを示すものだ」とロス氏は強調した。

 Free Flowプロジェクトのほかに、ロス氏は、オープンソースの「Spring」技術と「Hibernate」技術を、データベースにおけるオブジェクト継承のプログラミング・モデルとして重視していく方針も明らかにした。「多数の人々が、EJB (Enterprise Java Beans)の完全形は複雑すぎると見ており、Javaの継承オブジェクトを扱うのにもっと単純なツールを必要とする開発者たちがいる」とロス氏は述べている。同氏は、SpringとHibernateをBEA WebLogic Serverに組み込む計画についての質問に対し、その件については同社は将来にもっと詳しく語れるようになるだろうと述べた。

 無償で利用できるオープンソースのアプリケーション・サーバの人気が固まっているが、BEAでは、JBossなどのオープンソース製品に同社のアプリケーション・サーバが屈するとは恐れていないという。「人々は運用上の堅牢性にお金を払いたいと思っている。そのことは、BEAの第1四半期の売上にも現れている」とロス氏は語った。

 またBEAは、「BEA WebLogic Workshop」開発ツールのEclipseベースのバージョンを、年内にリリースする予定。今秋にプレビュー・リリースを出す見込みだ。このほかBEAは、RFIDにおける商機、特に、在庫管理などのRFIDイベントを追跡するアプリケーション・インフラにも注目しているという。

 ロス氏はさらに、ライバルのオラクルが、ピープルソフト買収によってBEAの大口のISV(独立系ソフトウェア・ベンダー)顧客になったことを明らかにした。それは、ピープルソフトの人材管理アプリケーションが、BEAのTuxede技術をベースにしていたためである。ちなみに、BEAもオラクルの買収ターゲットの一つになっているのではないかの憶測が従来から存在している。

(Originally reported by Paul Krill, InfoWorld 05/20/2005)




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