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[米国]
IBM、一連のSOA製品を発表

(2005年09月13日)

 米国IBMは9月13日、SOA(サービス指向アーキテクチャ)関連の新たなソフトウェア製品を発表した。同社はこれまで、SOA関連ソフトウェアのネーミングを巡り、「ESB(エンタープライズ・サービス・バス)」という用語の使用を避けてきたが、今回の新製品には「WebSphere ESB」と呼ばれる製品が含まれている。

 IBMが13日に発表したSOA製品のラインアップには、WebSphere ESBのほかに、ビジネス・プロセス・サーバ・ソフトウェア「WebSphere Process Server」、ビジネス・プロセス・モデリング・ソフトウェア「WebSphere Business Modeler」の新版(バージョン6)、ビジネス・プロセス・モニタ・ソフトウェア「WebSphere Business Monitor」の新版、新製品であるコンポーネント組み立てソフトウェア「WebSphere Integration Developer」、そしてSOAのためのベスト・プラクティス集が含まれる。

 「これによって伝えたい趣旨は、ビジネス・プロセス・マネジメント(BPM)はSOAに不可欠な要素であり、当社にはBPMを中心として統合されたオープンな新製品があるということだ」と、IBMのチャネルおよびマーケティング戦略担当副社長、サンディ・カーター氏は語った。

 ESBはさまざまに定義されているが、一般に、SOAにおいてアプリケーションやプロセスを統合するためのWebサービス・ベースのバスを指すものとされている。

 「WebSphere ESB」はIBMが公式にESBと呼ぶ初の製品だが、IBMは、それ以前からESB分野の製品は投入していたとしている。その製品「WebSphere Message Broker」は、SOAPやWSDLなどのWebサービス標準に加え、BizTalk、Java Message Service、HIPAA (Health Insurance Portability and Accountability Act)などに基づいた通信メカニズムもサポートしている。投入される同メッセージ・ブローカーの新版では、高度なESB機能が提供され、自在な接続性とデータ変換が実現されるという。

 これに対し、WebSphere ESBでは、接続性とデータ変換が実現されるのは、WSDL、SOAP、BPEL (Business Process Execution Language)などのWebサービス・プロトコルに限定される。「市場トレンドの一つとして、より軽量なESB製品を求めている顧客がいることに気づいた」とカーター氏は語った。WebSphere ESBには、WebSphereアプリケーション・サーバ・ソフトウェアの簡略版も含まれている。

 だが、WebSphere ESBは、WebSphere Message Brokerの簡略版ではなく、「自立した一つの製品だ」とIBMソフトウェア・グループのWebSphere部門のゼネラル・マネジャー、ロバート・ルブラン氏は語っている。

 米ザップシンクのシニア・アナリスト、ロナルド・シュメルザー氏は、ESBをめぐる業界他社の動きが、IBMを動かなければならない状況に押しやったと指摘している。「市場と顧客の動向のせいで、IBMはこの種の製品分野での高まる雑音と競争を抑える手段として、同社自身もESBと呼ぶ製品を投入せざるを得なくなった」

 IBMは製品をESBと呼びたがらなかったが、大きく姿勢を転換した。「顧客は、Webサービスのセットに基づいてきわめて基本的なSOAを導入することができる、エントリー・ポイント(入口点)を必要としていた」とルブラン氏は述べた。

 ESBを提供しているその他の米国のベンダーには、ソニック・ソフトウェアケープ・クリア・ソフトウェアBEAシステムズが含まれる。

 その他に今回発表された製品のうち、WebSphere Process ServerにはWebSphere ESBが組み込まれているほか、Message Brokerと同じような機能を備え、ワークフローの管理およびプロセスのコレオグフィ(choreography:振り付け)機能を提供する。WebSphere Business Modelerバージョン6は、既存版よりもユーザー・インタフェースが改良され、より多くの分析、シミュレーション、グループ開発のための共同モデリング機能を備えている。

 WebSphere Integration Developerは新しいGUIベースのツールで、WebSphere Business Modelerからの入力を受け取り、サービスの開発および既存サービスの活用を実現する。この製品の中でコンポーネント群が組み立てられる。「これは、コンポーネントの再利用を可能にする」とカーター氏。また、この製品は、Eclipseオープンソース・ツール技術に基づいている。

 これと合わせて、IBMは、WebSphere Integration Developerの一部として利用可能なサービスの構築およびテストを行なえる、「Rational Application Developer」の新版も発表した。

 WebSphere Business Monitor新版は、プロセスの処理性能を監視するリアルタイム・ダッシュボードとして、今回の発表製品に含められている。またIBMは今月末、SOAに基づいた複合アプリケーションのためのTivili管理機能を投入する予定だ。

 なお、米カレント・アナリシスのアナリスト、ショーン・ウィレット氏は、今回のIBMの製品発表が盛りだくさんであることに批判的は「おそろしく製品数が多い」と述べ、「SOAは、企業のIT環境を単純にするためのもののはずであり、IBMはそれを、重複する製品や異なる“エントリー・ポイント”によって混乱させる危険を冒している」と指摘している。

 IBMのSOA戦略は、Webサービス・システムのためのマイクロソフトの「Windows Communication Framework」構想(旧開発コード名:Indigo)よりも優れたものとして説明されている。IBMソフトウェア・グループ担当の上級副社長、スティーブ・ミルズ氏は、「マイクロソフトが提供するものは、比較的単純な2点間接続だ。それは、好ましいエンタープライズ・クラスの運用スタイルとは言えない」と述べている。

 これらの製品の出荷日付はさまざまだ。WebSphere Process ServerとWebSphere Integration Developerは今月末、WebSphere ESBとWebSphere Business Modelerの出荷は年内(第4四半期)、WebSphere Business Monitorは年内または来年(2006)上旬に出荷される予定だ。価格は公表されていない。

 ルブラン氏は、WebSphere Process Serverの技術をオープンソース・コミュニティに公開する可能性があると語っている。

 一方、IBMの新しい「SOA Foundation」には、新しいSOAソフトウェアと、SOAの組み立て、導入、管理のためのベスト・プラクティス群が含まれており、ガバナンスもカバーしている。SOA Foundationは「成功するために必要な機能は何かをいう概念を、より詳しく」示す、とカーター氏は述べた。

SOA関連サービスも

 さらに、今回のソフトウェア製品発表の一部として、「インダストリー・アクセラレータ」という、銀行業界などの各種業界でSOAをセットアップするためのテンプレートになるものが提供される。

 このほか、IBMは、同社のSOAジャンプスタート・プログラムのもとで無償サービスを提供する。これらのサービスは、顧客がSOAアーキテクチャの定義、ガバナンスなどのニーズの分析、ビジネスとIT上の目標が一致しているかどうかの評価などに着手するのを助けるものだ。SOA業界サービス部隊は、通信、流通、金融サービス、工業、公共部門といった主要業界および小中規模企業に焦点を合わせる。

 IBMのSOAパートナー・イニシアチブの第2段階も開始される。これは同社のパートナーであるISV(独立系ソフトウェア・ベンダー)や各地域のシステム・インテグレータにSOAに関するスキルを高めるためのプログラムで、すでに、米アドビ、アバイヤ、ブルー・タイタン、コグノスなどが参加を決めている。

 IBMは有償のSOAサービスも提供する。それには、完成したビジネス・プロセスを提供するサービス、戦略評価およびガバナンス・モデル構築支援を含むビジネス・イネーブルメント(会社のビジネス目標達成をSOAがどのようにして助けることができるかを定義する)サービス、設計サービス、実装および管理が含まれる。

(InfoWorld (US))




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