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[米国]
アドビ、「Flex」の機能強化と価格改定で開発ユーザーを5年間で100万人に

(2006年07月03日)

 米国アドビシステムズが6月28に発表したリッチ・インターネット・アプリケーション開発プラットフォーム新版「Adobe Flex 2」では、機能強化が図られる一方で、開発者が容易に導入できるよう価格設定モデルの大幅な改定がなされている。これにより、同社はオープンソース・ベースのAjax(Asynchronous JavaScript and XML)開発システムに対抗したい考えだ。

 Flex 2には、FlexフレームワークとFlex 2 SDK(ソフトウェア開発キット)、データをクライアントにリンクするための「Flex Data Services 2」、EclipseベースのIDE(統合開発環境)「Flex Builder 2」などが含まれている。Flex 2はFlash Playerとの連携もサポートしている。FlexとFlash Playerはともに、アドビが買収した旧マクロメディアの技術だ。

 Flex 2 SDKは無料で提供され、Flex 2のベースとなるFlexフレームワークもFlex SDKの一部として無料でダウンロードできる。従来のFlex SDKはFlex Presentation Serverの一部として提供され、CPU当たりの価格は1万5,000ドルだった。

 一方、Flex Builder 2の価格は499ドルで、チャート作成用拡張機能「Flex Charting 2」を組み合わせた「Flex Builder 2 with Charting」は749ドル。

 また、Flex Data Services 2のライセンス価格は、複数CPUを必要とするアプリケーションの場合で、CPU当たり2万ドル。シングルCPU環境で稼働できる無料バージョン「Flex Data Services 2 Express」も用意されている。これにより、Flex Data Services 2 ExpressあるいはXMLとWebサービスを使用することで、シングルCPU環境へのFlexアプリケーションの導入を無料で行えるようになった。

 アドビのプロダクト・マーケティング担当シニア・ディレクター、ジェフ・ホワットコット氏によると、現在、約5,000の開発者がFlexを使用しているが、その数を5年以内に100万に増やす方針という。「新しい価格設定モデルを打ち出したのは、開発者に当社のプラットフォームへ移行してもらうためだ」(同氏)

 バートン・グループのアナリスト、リチャード・モンソン=ヘーフェル氏は、「旧来の価格設定モデルのままではこうした成長は困難であり、(価格設定モデルを変更する以外に)選択の余地はほとんど無かったと思う」と指摘している。

 Flex 2では、サーバ・アプリケーションとクライアント・アプリケーションの間でデータを管理する機能の強化がなされている。データのアクセスが頻繁ではなく負荷が少ない場合には、サーバへの接続にXMLとWebサービスを使用できるようになった。より高度なアプリケーションでは、データとプレゼンテーション・レイヤをリンクするためにFlex Data Services 2 Expressを使用できる。

 Flex Data Services 2 は、データをサーバからクライアントにプッシュできる。例えば、サーバ・サイドのインテリジェンス機能を使ってSAPソフトウェアからデータを引き出してクライアントへ送ることが可能だ。このプッシュ技術はFlex 2の重要な機能の1つである。

 Flex 2のベーダ版ユーザーで、シティグループや米国空軍などを顧客に持つコンサルティング&開発会社ラウンダーチの社長、ジェフ・メイリング氏は、「エンタープライズ・アプリケーションのように、データをWebクライアントにプッシュできるようになった」と評価する。

 ホワットコット氏によると、Flexは、強力なデータ管理機能やリッチ・メディア/グラフィックスなど、Ajaxでは実現できない機能を提供しており、開発者はAjaxとFlexをいっしょに導入することができるという。

 ちなみに、アドビの日本法人が6月29日付で発表した価格は、Flex Builder 2が6万4,900円、Flex Charting 2(ダウンロード)が3万8,900円で、セット価格が9万7,900円となっている。また、Flex Data Services 2は、1クラスタ内の同時接続ユーザー数が100までのDepartmental版が78万円、無制限のEnterpriseが260万円、1CPU環境向けのFlex Data Services 2 Express(ダウンロード)が無料となっている。

(ポール・クリル/InfoWorld 米国版)




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