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BPM製品のトレンドと導入/運用の4ステップ
「モデル」「デザイン」「デプロイ」「監視」の基本フローを押さえる
(2006年07月08日)
得意とするプロセスはBPMスイートによって異なる
各ベンダーがカタログやWebサイトでアピールしている機能群は、ほとんど同じような内容のものに見える。しかし実際のところ、BPMスイートごとに得意とするビジネス・プロセスのタイプは異なっている。BPMスイートによっては、比較的限定されたビジネス・プロセスを対象にしていたり、一部のユース・ケースの要件を満たすために設計されていたりするからだ。
例えば、複雑なアプリケーション連携は必要だが、人的な処理をほとんど伴わないプロセス用に設計されたBPMスイートは、アプリケーション連携をそれほど必要としないコラボレーション型/人的処理主体型のビジネス・プロセスには適していない。また、製造業のワークフローのようなビジネス・プロセスには独自の要件が求められるが、こうした業種固有型ビジネス・プロセスには、すべてのBPMスイートが対応できるわけではないだろう。
このような問題があるため、自社のニーズに最適なBPMスイートを選定するのは容易なことではない。そのうえ、BPMを技術的なアーキテクチャの集合としてとらえた場合、複雑で混沌としているように見えるだろう。
しかし、現行のBPMスイートには、この混乱の糸を解きほぐし、ビジネスとITとを連携させるための新たな接点を見つけ出そうという試みが見られる。実際に、BPMスイートへの投資によって、大きな利益を得た企業も少なくないのだ。
CASE STUDY
BPMで業務上の課題を克服した米国の企業・組織に学ぶ
エファライム・シュワルツ
CASE STUDY 1
BPMで多くの業種に対応する新規採用審査システムを構築
●米国スターリング・テスティング・システムズ
米国スターリング・テスティング・システムズで戦略開発を担当するバイスプレジデント、ポール・ムラディネオ氏は、米国フエゴの「FuegoBPM Suite」を導入するまで、BPMの存在を知らなかったという。しかし、同社CTO(最高技術責任者)のマイケル・リチャードソン氏が率いるムラディネオ氏のチームは、同社が抱えている課題は十分に理解していた。
スターリングは、従業員の新規採用前の審査と経歴チェックというサービスを専門に手がけている。同社の課題についてムラディネオ氏は、「われわれのデータは当社独自のものではなく、競合企業も同様なデータを持っている。そのため競合企業に対して、当社のサービスをどのように差別化していくのかということが課題だった」と説明する。この課題に対処するために、同社はフエゴのBPMシステムを選択した。
ムラディネオ氏は、収集したデータの品質やサービスの提供形態という付加価値によって、この課題を克服できると考えた。しかし、この方法では、もう1つの課題が発生することになった。4,000社の顧客に合わせてカスタマイズしたサービスを管理するのは、「ビジネスとして効率的ではなかった」(ムラディネオ氏)のだ。
そこで必要になったのは、プロセス・コンポーネントを再利用でき、論理分岐機能によって多くのクライアントに対してサービスを提供できるソリューションだった。「デイケア・センターの採用資格審査は、トレーラー・トラックの運転手の審査とはまったく異なる」とムラディネオ氏は話す。しかし同氏は、採用資格審査のプロセスには、共通する部分があるとも指摘する。
作業は、現状のビジネス・プロセスのモデリングから始まった。これによって、似通ったプロセスの再利用やプロセスの自動化、分岐機能を用いたカスタマイズへの対応が可能となった。最終的な目標は、定型的な作業に要する時間を25〜40%短縮することだ。
もちろん、フローチャートによるモデルと、実際にその目標を達成するために実行することの間には断絶が付き物だが、「フエゴの製品には、IT部門のスタッフとビジネス部門のスタッフが共通に使用できる視覚化ツールが備わっている。このため、理論上のプロセスと実行を結び付けることには問題はなかった」とリチャードソン氏は話す。
まだ運用し始めてまもない段階だが、ムラディネオ氏は、現行のシステムをモデリングするという作業だけでも、実業務における不備を浮き彫りにできたと評価している。
CASE STUDY 2
SAFETY法の技術審査を通してテロ対策にも役立っているBPM
●米国防衛分析研究所
SAFETY法(Support Anti-Terrorism by Fostering Effective Technologies Act of 2002:効果的技術の養成によるテロ対策支援法)に基づいて技術の評価を行う米国防衛分析研究所(IDA)でIT担当部長代理を務めるインディー・クローリー氏によると、BPMはテロに対する戦いにも役立つとのことだ。
SAFETY法に協力する企業は、それぞれが保有する技術やサービスをIDAに申請して評価を受ける。IDAでは常時、50件もの申請を評価しており、各申請は、多い場合で60段階にも上るステップの評価を経た後で、米国国土安全保障省に送られる。
IDAの課題は、同組織の内外からの問い合わせに対応するために、評価中のすべての申請の処理状況を把握しなければならないということだった。そのために以前は、表計算ソフトと紙を使って専門スタッフが掛かりきりで、申請文書を追跡していた。
クローリー氏によると、米国アピアンのBPMシステムを導入したことによって一連のプロセスを定型化できたという。同氏は、現行のプロセスをモデル化するために、まずプロトタイプを作成し、申請の処理状況の追跡を困難にする原因を調査した。また、アピアンのソフトを使っていくなかで、プロセス自体の修正も行われた。「プロセスを見直すことで、存在する必然性が感じられないような手順を取り除くことができた」(クローリー氏)
クローリー氏はこれまでの成果を「まずまずの出来だ」と評価している。IDAの目標は、必要な場合に何度でもプロセスを修正できるようにすること、そして、すでに評価中の申請の変更や申請処理の逆戻りを可能にすることだった。現行のシステムでは、この処理を行うことが容易ではなかった。プロセスが複雑で修正が困難だったからだ。
「次期バージョンでは、モデルを小さなサブセクションに分割できるため、逆戻りして、進行中のプロセスを変更することが容易に行えるようになるだろう」と、クローリー氏は新バージョンに期待している。
CASE STUDY 3
1件当たり10分を要することもあった電話対応時間を15秒に短縮
●米国アメリカン・ナショナル・インシュアランス・カンパニー
年商が30億ドルを超え、230万人以上の顧客を抱える米国アメリカン・ナショナル・インシュアランス・カンパニー(ANIC)は、創業100年の生命保険会社である。同社では、多数のレガシー・システムが稼働している。
ANICにとって最大の課題は、顧客からの問い合わせに対応する時間の短縮だった。その問い合わせ内容は、顧客と同社との契約関係に関するもので、CSR(顧客サービス担当者)たちはきめ細かに対応していた。
しかし、1件の問い合わせを処理するだけで、10分以上の時間を要することも少なくなかった。1件の質問に答えるためにCSRは、あるシステムにログインしてデータを検索し、必要なデータを見つけたらログアウトして、さらに別のシステムにログインするという作業を繰り返していたからだ。同社で企画と顧客サポートを担当するバイスプレジデント兼ディレクターのゲーリー・カーカム氏は、「CSRたちは、異なるシステムを移動する作業の間も、顧客との会話を続けなければならなかった」と話す。
ANICでは、CSRたちがすべてのデータに即座にアクセスできる単一のインタフェースが必要だと判断し、一連のプロセスをモデリングした後、ペガシステムの「SmartBPM Suite」を使用して、リクエストがあったときにすべてのレガシー・システムにログインできるシステムを構築した。
このシステムでは、顧客からの問い合わせ電話が入ると、各種の顧客ファイルおよび履歴を検索し、必要な情報をCSRに送信する。「顧客が求めている内容に応じて、異なるビジネス・ルールが適用される。CSRはそれに従っていけば顧客が必要としている対応を行うことができる」とカーカム氏は話す。
新しいシステムは、ANICに劇的な成果をもたらした。カーカム氏は、「新システムを活用することにより、顧客1人につき15秒以内で必要な情報を提供できるようになった」と話す。また、7億5,000万ドルだった同社の年金保険部門の売上高が2年連続して22億ドルに達したのも、新システム導入の成果だという。これは、傘下の80の独立代理店が問い合わせてきた顧客の中から、大きな売り上げにつながる顧客を選び出すのに新システムが役立ったからである。
CSRが顧客に迅速に対応できるようにするという当初の目標が改善されたため、ANICでは2番目の目標として、プロセスの最適化と自動化を目指している。例えば、保険に入っている顧客が死亡すると、以前は手作業で行われていた一連のプロセスが自動的に実行されるといった処理である。






















