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[ドイツ]
ソフトウェアAGの開発責任者が語る、SOAビジネスの“戦略”と“勝算”

(2006年12月08日)

 ドイツのソフトウェア・エー・ジー(以下、ソフトウェアAG)は、早くから大規模B2Bシステムの構築に取り組み、顧客ベースのプラットフォームを構築してきた企業である。1970年代には初のデータベース管理システム「Adabas」を、1980年代にはプラットフォームに依存しないコンピュータ言語「Natural」を、そして1990年代にはXML(Extensible Markup Language)サーバ「Tamino」を市場に投入し、顧客のみならず業界にもインパクトを与えてきた。

 そのソフトウェアAGが、今後はXMLサーバからSOA(サービス指向アーキテクチャ)インフラの構築にビジネスの軸足を移すという。同社で研究開発を担当する取締役員、ピーター・クーピック氏に、今後のビジネスの戦略とその勝算について聞いた。

──ミドルウェア市場に進出した理由は?

 1990年代初頭、当社の創設者であるピーター・シュネル氏は、データフローが特定のシステムによって制限されないよう、異なるシステム間の連携が必要であると認識した。その認識を具現化した技術が、当社のESB(Enterprise Service Bus)である「Message Broker」だ。

 インターネットが急速に普及した1990年代中盤、当社は企業向けアプリケーション・ツールを標準化する必要があると確信した。この標準化を実現するのがXMLであり、それが現在まで当社の中核事業になっている。しかし、「ソフトウェアAG=XMLカンパニー」という認識は終焉を迎えるだろう。

──次は何を目指すのか。

 SOAカンパニーだ。SOAのコンセプトはシステム同士を連携させ、高度に標準化された技術を利用してWebサービスやBPM(Business Process Management)に対応するアプリケーションを生成することだ。当社は以前よりSOAを実現する技術開発に携わっており、今後はSOAの基本コンポーネントのすべてを網羅するテクノロジー群を提供していく予定だ。

 当社はあらゆるシステムを連結できるツール・セットを提供している。複数のシステムを連結させれば、新しいデータ・フローが生まれる。顧客は刷新されたデータ・フローに基づいて新たなプロセスを構築するはずだ。そこでESBが活躍することになる。

──顧客に対してSOAの優位性をどのように説明しているのか。

 顧客には、企業のメタデータを保管する1つの“中央管理場所”が必要になると説明している。それがSOAレジストリ/リポジトリだ。ここにはインタフェース、ビジネス・プロセス、Webサービスなどを記述する「SOA Artifact」を登録する。

 リポジトリとは、システムを連携させる方法を保管する“ライブラリ”のようなものであり、企業のIT全体像を“地図”として提供している。リポジトリを利用することによって、サービス、プロセス、ポリシーなどのSOAコンポーネントのライフサイクル管理が可能となる。

 現在リポジトリを正しく構築できる企業は、当社と今年11月にマーキュリー・インタラクティブの買収により「Systinet」を入手したヒューレット・パッカード(HP)の2社だけだろう。

──システムを連携させる方法を保管する“ライブラリ”とはどのような概念か。

 一般の図書館を想像してほしい。どんな図書館でも書籍のカテゴリーと保管場所はデータ化され、管理されている。SOAでも同様に、リンクしたいサービスがどこにあるのか、どうやってリンクさせるべきかをユーザーが把握する必要がある。ライブラリがなければ、大規模なSOA全体像を管理することは不可能だ。

──SOAレジストリ/リポジトリはソフトウェアAGの独自技術なのか。

 当社の技術はすべてオープン標準に基づいており、自らを中立的プレーヤーと位置づけている。SOA技術の分野において、当社は特定ベンダーに偏ることはしない。異なるIT環境を統合することが、当社の使命と考えているからだ。顧客は、自分たちが保有している技術基盤上に新しいプロセスを構築できる方法を望んでいる。

──多額なコンサルティング費用がSOA導入の足かせになっているという見解についてどう考えるか。

 SOAは学習プロセスであり、ある程度のコンサルタントは必要となる。SOA導入のメリットは、既存の情報/データ・フローの課題を解決し、生産性を向上させることだ。

 当社のテクノロジーは、例えば、EclipseでJavaコードを開発するというように、すべて標準的な手法を基盤としている。こうした環境で構築を進めれば、大規模企業であっても、すべて自社内で作業が完結するはずだ。コンサルティング費用については、SOAを採用する企業の規模と自社開発の割合によって異なってくると思う。

──SOAの次に何がトレンドになると考えるか。

 SOAとは構造上のコンセプトであり、個人的には今後10年以上、SOAがトレンドであり続けると予測している。SOAというコンセプトは、まだスタートラインに立ったばかりだ。

(ジョン・ブラウ/IDG News Service ドュッセルドルフ支局)




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