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「戦略的な意思決定」がSOA導入を成功に導く

実装技術/製品の選定は全体像を明確にした後に

(2007年02月23日)

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サービスの方向性を決定づけるアーキテクチャ

 “塹壕”に身を伏せていると、サービス開発ツールをどのベンダーから購入するかなど、どうしても戦術的な意思決定にとらわれがちになる。しかし、主客転倒にならないよう注意しなければならない。

 特に、SOAの醍醐味があくまでビジネス・プロセスを最適化するアーキテクチャにあることを忘れてはならない。「SOAに関してはさまざまな誤解がある。ただ、いずれにしてもITと自社ビジネスの両方を十分に検討したうえでなければ成功はおぼつかない」と、大手アウトソーサーであるインフォシスの副社長、ソーラブ・カカリア氏はアドバイスする。

 簡単に言えば、アーキテクチャとはビジネス・プロセスを提供するサービスの方向性を決定づけるものだ。アーキテクチャには、ガバナンスとポリシー、プロセス管理、ビジネス・ロジック、データの管理とアクセス、サービスやサービス間のインタフェースの定義、メッセージング・フレームワークなどが含まれ、一般的にはこの順に仕様を決めていく。「これらのレイヤは、すべてのサービスに存在しなければならない」(テックフィナンシャルのアディレッタ氏)

 英国の電気通信業界大手であるBTは、これまでに14種類のサービス・プラットフォームを開発した。個々のプラットフォームには、他のプラットフォームと連携しながら機能する一連のサービスが含まれる。このサービスは、特定のプラットフォーム上でのみ提供される。

 また、どのサービス・プラットフォームにも専任のアーキテクトが付き、開発の主体が自社、提携先、ベンダーのどこにあるかにかかわらず、すべてのサービスに対してアーキテクチャ上の責任を持っている。さらに、プラットフォーム間の互換性維持を徹底するため、仮に社内プロジェクトが担当したプラットフォームがアーキテクチャに適合しない場合は、同プロジェクト・チームの年間ボーナスを4分の1に減額する決まりだ。

 ビジネスの柔軟性を高めるとともに、一貫性のあるプロセス実行を可能にするには、アーキテクチャが他の実装技術から独立していることが不可欠だ。新しい技術が導入されたとしても、アーキテクチャは維持することができ、SOA戦略を変更する必要がなくなるからである。

 「われわれがやろうとしていることは、決してビッグバン(大改革)ではない」と、エービス・バジェットのツラトー氏は言う。また、インテュイットのモズリー氏は「SOAPやWSDLを利用して新機能を提供したり、アプリケーションの統合化を図ったりすることがSOAだと考える人は、ポイントを外している」と語る。

 繰り返しになるが、技術は手段であって、それを用いることがSOA導入の目的ではない。このことを肝に銘じておいてほしい。

ESBの代替――XMLアプライアンス

 ESBを利用するかどうかは、組織のニーズや意向によって決まる。例えば、分散サービスのオーケストレーションが必須の企業の場合は、それらのサービスを非同期メッセージングのインフラストラクチャに接続していなければ、かなりの困難に直面するはずだ。

 とはいえ、ESBはSOAに必須の要素ではない。どのような規模のSOAであれ、ESBが非同期メッセージング基盤の唯一の選択肢というわけではないのだ。

 もちろん、複数のメッセージング・バスを経由してメッセージをやり取りするのであれば、さまざまな形式にメッセージを変換する必要が出てくる。しかし、XMLアプライアンスと呼ばれる製品を使えば、ESBを使わなくてもメッセージを変換することは可能だ。

 XMLアプライアンスは、SOAの安全性や機能性を高めるために開発された機器で、現在ではシスコシステムズやフォーラム・システムズ、IBM(データパワー)、レイヤ7テクノロジーズ、リアクティビティなどから提供されている。各社の製品はいずれも、専用に開発された特殊なプロセッサを用いて、XMLメッセージの変換やルーティング、マッピングといった処理を高速に実行する。

 モデルにもよるが、これらのXMLアプライアンス製品は多様な機能を搭載しており、その多くはESBの機能とオーバーラップする。どの製品もサービスの仮想化を得意としており、高いパフォーマンスが要求されたときに即座にサービスのコピーを作成できるほか、一元管理ソフトを利用することでランタイム時にサービス構成のポリシーを強制することが可能だ。加えて、一連のXMLセキュリティ機能も備えている。

 当初、ベンダー各社のXMLアプライアンスは、DoS(Denial of Service)攻撃などのブロックを目的としたXMLファイアウォールがほとんどだった。しかし現在のXMLアプライアンス製品は、そうしたファイアウォール機能だけでなく、暗号化/復号化や認証、ID(アイデンティティ)管理、XMLスキーマの有効化などもサポートしている。

(Computerworld.jp)


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