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“グリーン・データセンター”を構築せよ

省エネを実現するために踏むべき7つのステップ

(2007年05月30日)

【ステップ2】
電源管理機能をオンにする

 すでに市場には、電源管理を適切に行うための電源管理ツールが出回っているが、まだ多くの管理者がこれを利用するところまでには至っていない。

 「一般的なデータセンターの間では、電力の使用量はほとんど変わらないが、IT部門の負荷には3倍以上もの開きがある。これはつまり、ほとんどの管理者が、電源管理ツールを正しく導入していないということを意味する」と指摘するのは、エネルギーと持続可能性についての調査をビジネスにしているロッキー・マウンテン研究所(RMI)の所長兼チーフ・サイエンティスト、エイモリー・ロビンズ氏だ。

 同氏によれば、電源管理ツールの機能をフルに活用し、使われていないサーバの電源をオフにするだけで、データセンターのエネルギー消費量を約20%削減することができるという。

 だが、ヒューレット・パッカード(HP)のエンジニア、クリスチャン・ベラディ氏によると、管理者はアップタイムとパフォーマンスを追跡するのに忙しく、一方のITスタッフ側はまだツールを使うのに慣れていないという事情から、電源管理ツールは広くデータセンターに普及するには至っていない。電源管理ツールを利用すれば、データセンターの電力および冷却システムに対する負担が軽減され、信頼性とアップタイムが高められるはずだ、というのにである。

 一方で、「ベンダーは電源管理機能を使いやすくするために、もっと工夫すべきだ」という声も聞かれる。先頭に立ってそう主張するのは、アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)のサーバ・チームで「Opteron」製品マネジャーを務めるブレント・カービー氏だ。

 同氏がそう主張するのは、すでにAMDをはじめとするチップ・メーカー各社が新しい電源管理機能を実装しているにもかかわらず、いまだに「マイクロソフトのWindowsで一応ネイティブ・サポートされてはいるが、利用するには電源方式に手を加えなければならない」(カービー氏)という状況にあるからだ。

 「電源管理機能はもっと利用されるべきだ。そのためにも、この機能はデフォルトでオンにしておくべきだ」というのが、同氏の言わんとするところなのである。

 実際、最新のプロセッサに搭載されている電源管理機能を利用すれば、かなりのコスト削減を達成することができる。例えば、AMDの最新型プロセッサの場合、電源管理機能をオンにするだけで、「CPU利用率が50%のときには65%の節電が、CPU利用率が80%のときでさえ25%の節電が図れる」(カービー氏)というのである。

 「ただし、電源管理を行う場合には、“効果”より“副作用”のほうが多いこともあるので注意が必要だ」──そう警鐘を鳴らすのは、メッセージング・ロジスティクスのサービス・プロバイダー、デジターでCTO(最高技術責任者)を務めるジェイソン・ウィリアムズ氏だ。デジターでは、「UltraSparc」マルチコア・プロセッサを搭載する「Sun T2000」サーバでLinuxを走らせているが、そこでいくつか重大な“副作用”が見られたというのである。

 「当社では、たくさんのLinuxを使っているが、電源管理機能は、時としてOSに妙な動きをさせることがある。いちばん多いのは、カーネルがランダムにクラッシュしてしまうことだ。システムによって、ACPI(HPやインテル、マイクロソフトといったベンダーが共同開発した仕様「Advanced Configuration and Power Interface」)をオンにした状態でLinuxが正常に動作するものと、そうでないものとがあるのだ。どちらになるか事前に予測がつかないため、ACPIだけオンにして他の電源管理はオフにするようにしている」(同氏)

【ステップ3】
エネルギー効率の高いサーバにアップグレードする

 インテルのサーバ・テクノロジー&イニシアチブ・マーケティング担当ディレクター、ロリ・ウィグル氏が、「Xeon 5100は、(従来のプロセッサに比べて)パフォーマンスを倍増させながら消費電力を40%も減らした」と胸を張るように、第1世代のマルチコア・チップでは、消費電力の劇的な低減が図られた。ということは、これらの設計に基づくサーバに移行すれば、エネルギー効率を高めることができるということだ。

 しかしながら、チップ・レベルで今後もこうした劇的なエネルギー効率の改善が見込めるかと言えば、それはかなり難しそうだ。サン・マイクロシステムズ、インテル、AMDの各プロセッサ・ベンダーは、サーバの消費電力は当面目立った変化を見せないだろうと口をそろえる。ウィグル氏自身、インテルの次世代製品でXeon 5100のときと同じような劇的な効率改善を実現できるとは考えてない。

 「45nm製造技術の製品(開発コード名:Nehalem、現行のXeon 5100/5300は65nm製造技術)への移行時には、消費電力の低減はもっと緩やかなものになるだろう」(同氏)

 一方、チップ・メーカー各社は、ここにきて、CPUチップにI/Oやメモリ・コントローラなどの機能も組み込むようになってきた。

 例えば、サンの「Niagra II」は、1枚のチップに「PCIExpress」(Peripheral Component Interconnect Express)ブリッジ、10GビットEthernet、浮動小数点演算などの機能を組み込んでいる。「1枚のチップ(の上)に真のサーバを構築した」(サンのチーフ・アーキテクト、リック・ヘザリントン氏)のである。

 だが、こうした統合化が進んでも、必ずしもチップ・レベルでサーバの総消費電力が削減できるわけではない。

 IBMの「System x」プラットフォーム・グループに所属するあるエンジニアは、匿名を条件に、「統合化によって消費電力が減っても、PCIe Gen2、CSI、HT3、FBDIMM、DDR3といった新しい高速のインターコネクト(が消費することになる電力)によって相殺されるため、チップ単位で見たときの消費電力は変わらない」と証言する。


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