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データセンターに効く「局所集中型」の冷却システム

冷却効率向上と電力コスト抑制を両立

(2007年08月28日)

“芯”まで冷やすシャーシ取り付け式

 個々のサーバにかかる負荷が高いときは、より的を絞ったピンポイントの冷却方法が効果的だ。こうした需要に対応するため、ラック単位よりもさらに熱源に近い位置で冷却を行う「シャーシ取り付け型冷却式(in-chassis cooling)」が開発され、話題を呼んでいる。

 米国スプレイクールが開発した液体冷却システム「M-Cool」は、サーバのCPUが発する熱を直接とらえ、ラックに組み込まれた冷却装置に通す水冷式だ。熱は水冷パイプを通過する間に取り除かれ、ラックにも部屋にも熱を残さないようになっている。

 米国クーリジーも同様にシャーシ取り付け型の水冷システムを提供しているが、スプレイクールの「Gシリーズ」はさらに一歩進み、非導電の冷却液をシャーシに直接噴射することでサーバの熱を逃がす。まるでブレード・サーバ用の自動洗車機のような設計だ。

 ただし、シャーシ取り付け型の冷却システムは、部屋単位や列単位の冷却システムと比べると非常に複雑だ。設置可能なサーバが限定されることも留意しておくべきである。

高電圧システムへの切り替え

 サーバ仮想化や効率的な冷却システム以外にも、電力コストを下げる手段はある。データセンターの省電力化を進めるアプローチとして、従来の120ボルトから208ボルト電圧を利用した電源に切り替える方法が米国で注目されている。

 米国で最初に配電網が整備された当時、電球のフィラメントは非常に繊細だった。220ボルトの電圧を使うとすぐに切れてしまったが、110/120ボルト電源を使用すればフィラメントの寿命を伸ばすことができたため、米国は120ボルトで標準化された。

 一方、ヨーロッパを含めた世界の各地域で配電網が整備されたころには、フィラメントの設計が見直され、高電圧にも対応できるようになった。こうしたことから、多くの地域で208/220ボルトの電力システムが採用されている。

 ここで重要なポイントは、電圧を下げるために変圧器を通すと、そのたびに電力が失われるという点だ。変圧器1台ごとに無駄になる電力はわずか1〜2%かもしれないが、これが大規模データセンターで長期にわたるとすれば、決して小さくない浪費となる。

 208ボルトのシステムに変更し電力網から変圧器を1つでも減らせば、節電につながる。さらに208/220ボルト電圧は安全で効率がよいという利点もある。120ボルト電圧は、同じワット数を出すのに208/220ボルトよりも多くの電流を必要とするため、電力が移動する間のロスも高くなる。

 大多数のサーバやルータ、電源装置は120/208ボルトの両方に対応し、自動スイッチを備えているため、設備を変更することなく208ボルトの電圧システムに切り替えることが可能だ。高電圧に変更したからといってすぐに著しい変化が見られるわけではないが、電力コストの上昇を抑えるうえで、208ボルトへの切り替えは有効な手段となるはずだ。

省エネ・省コストのデータセンターに向けて

 サーバ・ルームの設置・維持に必要なハードウェアを見積もるのは、さほど難しいことではない。一方、システム全体に供給される電力コストとなると話は別で、予測は不可能だ。電気料金のわずかな値上げが大きなコスト増になり、大打撃を受ける可能性もある。

 サーバ仮想化、局所冷却システム、高電圧への切り替えといったソリューションは、データセンター設計の基本原理を、よりよいエネルギー効率を求める方向へと変えるものだ。非効率的アプローチで冷却や電力供給を考える時代は、(ガソリンが1ガロン85セントの時代と同様)もはや過去の話である。データセンターの改善は初期コストのかかる難しい作業だが、避けては通れない道であるのも確かなのだ。

(Computerworld.jp)


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