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[欧州]
EU、マイクロソフトに対し競争法違反の制裁金を追徴する可能性が濃厚に
(2006年02月06日)
欧州連合(EU)が米国マイクロソフトに対して2004年の競争法違反裁定への順守が不十分であるとして、日割りの制裁金を追徴する可能性が濃厚になってきた。複数の関係者や業界アナリストが明らかにした。
これは、マイクロソフトがEUの行政執行機関である欧州委員会が通告した最終延長期限の2月15日までに、同社のワークグループ・サーバ・ソフトウェアと他社製品との相互運用性を確保するための新たな代案を用意できないと見られるためだ。
マイクロソフトは1月30日付の欧州委宛て書簡で、同社が適切な対応を行うために必要なファイルの開示を同委が拒んでいると非難しているほか、同委の12月22日付けの要求書に対する回答の策定には最短でも2月28日までかかり、2月15日の期限までには間に合わないとしている。
両者は、相互運用性確立のためのマイクロソフトのこれまでの取り組みが十分であるかどうかで対立している。欧州委の競争政策担当委員を務めるニーリー・クロエス氏は昨年12月22日、マイクロソフトの対応は不十分であり、5週間以内に適切な対応策を示さなければ1日当たり最大200万ユーロの制裁金の追徴を検討すると通告した。
一方、マイクロソフトは1月25日、同社のワークグループ・サーバ・ソフトウェアで使用されている通信プロトコルのソースコードをライセンス供与すると発表している。マイクロソフトの広報担当者は、「当社は、欧州委の次々と変わる要求、さらには2004年の裁定以上の要求に対応するためにできるかぎりのことをしてきた」と説明する。
だが、欧州委や競合他社は、マイクロソフトによるソースコードの提供は「他の開発会社がマイクロソフトのサーバ・ソフトウェアとスムーズに連携できる製品を作成できるようにする」という根本的な解決策にはならないと反論する。
競合他社の立場を代表しているクリフォード・チャンス法律事務所のトーマス・ビニェ氏は、「ソフトウェア会社は、一般的に他社の製品との相互運用性を実現実現するインタフェース仕様を作成するのに慣れており、それを作成しないのは、やりたくないからにほかならない」と指摘する。
一方、マイクロソフトが開示を求めているファイルは、欧州委、外部の技術専門家グループ、同社が欧州委の裁定に従っているかどうかの評価を担当している独立した監視委託先の3者が取り交わした通信文である。専門家グループと監視委託先の最終報告書は公開されているが、マイクロソフトは、同社が裁定に従っていないとする欧州委の論拠のすべてを知るためにそれらのファイルが必要であり、それらを開示しないのは同社の抗弁権の侵害だとしている。
だが、アナリストの多くは、この情報非開示を非難した書簡をリークしたマイクロソフトの戦略に批判的である。例えば、英国オーバムのゲアリー・バーネット氏は、「引き伸ばし戦略の一部ではないか」と見ている。
また、最近の動きから判断すると、マイクロソフトはクロエス氏を説得しようと努力するのではなく、マスコミを通じて自社の立場を主張することに力点を置いているようだ。クロエス氏によると、マイクロソフトはソースコードのライセンス計画について、マスコミ向け発表を行うわずか10分前に、2ページのファクスを同氏に送りつけてきただけであるという。「それ以上の詳しい情報はまだ何も受け取っていない」(クロエス氏)
マイクロソフトが態度を改めて、競合他社が相互運用性を確保できる製品を開発するのに役立つ文書を提供しないかぎり、EUの裁定順守違反で制裁金を課される会社の第1号になりそうだ。ただ、欧州委は最初から最高額を課すことはなく、実際の制裁金額は1日当たり200万ユーロを下回り、半分以下になる可能性が高い。また、マイクロソフトは、制裁そのものを不服として争う姿勢を見せている。
(IDG News Service ブリュッセル支局)
- 米国マイクロソフト
- http://www.microsoft.com/
- EU
- http://europa.eu.int/



