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標準化動向

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[世界]
ISO標準か否か、迫るOpen XMLの最終承認投票

否決されればODFとの統合を迫られる可能性も

(2008年02月29日)

 米国Microsoftが提唱するOffice Open XML(OOXML)をISO(国際標準化機構)のオフィス文書フォーマットとして承認すべきなのか。それを最終的に決める投票が1カ月後の3月末に迫った。各国の標準化団体は、最終決定となるこの投票で、どういった答えを出すのだろうか。

 Open XMLをISO標準とすべきかどうかを巡る論争は、2月末のスイス・ジュネーブでの投票結果会議(BRM:Ballot Resolution Meeting)を前に1つのピークを迎えた。ISOが主催するこのBRMが、Open XMLのISO標準化を大きく左右すると見られているからだ。

 しかし、下される最終決定がどうであれ、OpenDocument Format(ODF)優位の大勢にさほど影響を与えないと見る向きもある。言うまでもなく、ODFはOpen XMLのライバルとなる規格だ。

 業界の標準化団体を顧客に持つ米国ボストンの弁護士、アンディ・アップデグローブ(Andy Updegrove)氏は2月27日、ジュネーブで開催中の「Standards and the future of the Internet(インターネットの将来と標準化会議)」で、「投票が承認・否決のどちらに転んでも影響はない」と言い切る。

 OpenForum Europeが主催する同イベントの会場はジュネーブの国際コンファレンス・センターだが、奇しくも同じビルの数階下の会議室では、ISOの第1合同技術委員会が、Open XMLの標準化に関するBRMを行っていた。

 これまでOpen XMLがたどってきた経緯を振り返れば、Updegrove氏の発言の根拠が理解できるはずである。

 Microsoftは2月15日、「Office 2007」のデフォルト文書フォーマットである「.docx」に基づいた仕様をECMA(欧州電子計算機工業会)に公開した。ECMAは、C#などのプログラミング言語や、JavaScriptの標準化版であるECMAScriptを標準規格として承認している団体だ。

 そのECMAが2006年12月、Open XMLを標準規格「ECMA-376」として正式に承認した(関連記事)。その後、ECMAは同規格の簡易承認プロセスをISOに申請している。

 この申請を受けたISOはOpen XMLを標準規格とするべきかどうかを審議、投票を行った。1回目の投票では、クリアすべき条件として合計3,500件を超えるコメントが各国の標準化団体から提示され、Open XMLのISO標準化は否決されている(関連記事)。

 このコメントで挙げられた問題を再検討し、3月末期限の最終投票で使用される新しい提案書を作成するための会議が、2月末のジュネーブでのBRMなのである。

 もっとも、ISOはオフィス文書の標準フォーマットとして、すでにODFを承認済みだ。ODFは標準化団体OASISが提唱したフォーマットで、標準規格「ISO/IEC26300」として2006年11月にISOの承認を受けている。

 3月の投票結果にかかわらず、欧州の複数の政府機関は文書フォーマットやアーカイブ・システムにODFを採用するというのが、前出のUpdegrove氏の見方だ。同氏は、最終的には一部の政府機関がOpen XMLとODFの統合が必要と考え、Open XML側に妥協を迫ると見ている。

 仮にOpen XMLの標準化が否決されれば、数カ国の政府機関でODF採用の動きが活発化し、ODFとの統合に向けてOpen XML側にプレッシャーがかかるだろうと、同氏は語った。

 一方、TCP/IPの共同開発者で、現在はGoogleでチーフ・インターネット・エバンジェリストを務めるヴィント・サーフ(Vint Cerf)氏は、「Open XMLが承認されれば、文書交換の際に複数のフォーマットが存在するという問題につながる」と危惧しており、投票の行方を見守っている。

 複数フォーマットの存在は相互運用性の面で障害となる。Cerf氏によると、インターネットの世界では、標準化の担当者たちが「1つの方法に統一してから進化させる」という原則を守るため尽力しているという。また同氏は「すでにある技術を再開発するのは無駄な労力だ」とも述べている。

 IBMの標準化/オープンソース担当バイスプレジデントであるボブ・スーター(Bob Sutor)氏も、投票の行方に注目している1人だ。同氏は、「秘密裏に行われるという点では、(2月末の)BRMも他のBRMと同じだ」としつつも、今回のBRMが与える影響の大きさを認めている。

 Sutor氏は、投票の結果がどちらであれ、ITの標準化および開発というプロセスでの秘密主義は変わるべきだと力説した。「秘密主義を改め、議事録は公開されなければならない」(同氏)

(Peter Sayer/IDG News Service パリ支局)




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