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ストレージ革命

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【解説】
ソニックとデータディレクトの統合が生み出す高付加価値のデータ連携ソリューション

田上新社長が描く、顧客志向のビジネス/製品戦略とは

(2008年05月13日)

顧客目線でわかりやすい「ソリューションコア」を打ち出す

 両社は、すでに技術面においての検証を進め、顧客に対する共同営業やマーケティング活動を積極的に推進している。具体的には、ESBを中心としたデータ連携やSOAシステム構築案件に対し、必要に応じてデータベース接続やメインフレーム連携ソリューションをトータルに提案していく。

 例えば、これまでデータ統合のためにSonic ESBを導入、または検討中の顧客がファイル転送でメインフレームと接続しているようなケースでは、データディレクトのShadowを提案する。またShadowの導入・提案先にも、Sonic ESBによってオープン系システムとレガシーを連携させる“メインフレーム−SOA連携”ソリューションの提案も進めている。

 一方、比較的コンシューマーに近い開発者を対象とする製品については、田上氏は製品のクオリティを向上させつつ、販売チャネルを拡大するなどの方針を示している。例えば、データディレクトの「DataDirect Connect」が持つ高速でセキュアなデータ接続機能がこれに当たる。Sonic ESBを介してリレーショナル・データベース・システムを連携させるケースでは、DataDirect Connectを活用することにより、SQLとXMLフォーマット間で高度なマッピングによる接続が可能になるという。

 核となるビジネス戦略については、「新しいチャネルの開拓と、製品を市場のセグメンテーションに合わせた事業展開を進めていく」と田上氏。そのうえで、エンタープライズのシステム統合基盤を広範にカバーできる製品ポートフォリオを生かし、顧客の目的に沿った「ソリューションコア」を打ち出していきたいとしている。

 田上氏は、Sonic ESBとShadowによるメインフレーム上で実績の多いADABAS(Software AGが開発したリレーショナル・データベース)に格納されているデータ資産の再利用を例に、ソリューションコアの一端をこう説明する。

 このADABASのケースでは、メインフレーム側のプログラムは変更せず、眠っているデータ/アプリケーションを容易に再活用したり、SQLやWebサービスからアクセスできるようにしたりといったことを付加価値として提供し、「ADABASを開放する」といったメッセージを込めたソリューションコアを用意する、と田上氏は話す。Shadowを用いれば、メインフレーム内に散在するビジネス・データをSonic ESBを介してシームレスに統合できるため、この特徴をバリュー(価値)の観点に立って顧客に提示するわけである。

 また、ソニック ソフトウェアの「Apama」を用いたイベント駆動型のSOA環境におけるリアルタイムなBAM(Business Activity Monitoring)も、ソリューションコアの候補の1つだ。Apamaは注目のCEP(複合イベント処理)に対応するプラットフォームで、リアルタイム性の高い処理が求められる金融サービスのアルゴリズム取引システムなどに適しており、すでに国内の大手金融機関に導入されている。今後はアルゴリズム取引はもちろん、非金融分野でもキラー・アプリケーションを提案し、高度なソリューションを提供する予定だという。

 このように、両社で補完し合う幅広い製品ラインアップが、顧客ニーズに応じたソリューションコアの構築を可能にする。ただし、ソリューションコアを考えるうえで本当に重要なのは、単に機能やどの製品を組み合わせるかではなく、それによって何を実現するかを中心に考えることだと、田上氏は力説する。

 「製品を統合する場合、製品スペックや製品間のインタフェースなどの技術主導で説明が進む場合が多い。だが、われわれが目指すのは、まず顧客にはビジネス目的があり、その目的を実現に導くために何を選択したらよいかという顧客の目線でアプローチを定めることだ。そして、そのメリットや価値を、顧客やパートナーにとってわかりやすいように、ソリューションコアと呼ぶサービス・メニューの形で順次提供していきたい」(田上氏)

重要なのは“真の”データ連携とXMLの拡大

 ならば、そうしたソリューションコアを構築するうえで核になるのは何だろうか。それはやはりデータ連携だと田上氏は説明する。データ連携こそがエンタープライズ・システム統合の要であり、ソニック ソフトウェアとデータディレクトの強みが十分に発揮できる分野であるからだ。

 「ある重要な売上げのデータがメインフレームにあり、日々の営業取引に関する情報はOracle Databaseの中にある。それでいて、肝心な在庫情報はExcelファイルで保存されているとしたらどうか。これらを1つに出来なければエンタープライズのシステム統合は決して成功しない」(田上氏)

 だからといってマスター・データのようなものですべての情報を一元管理すればよいというわけでもない。システム内に分散されたデータを連携させ、必要なデータを必要なときに自由に取り出せるようにすれば明確な効果が得られると、同氏は語る。

 あらゆるデータを扱えるという点では、エンタープライズ規模のメインフレームを対象としたShadowや、データベース開発者のニーズにも対応するDataDirect Connectなどを有するデータディレクトの優位性が光る。対するソニック ソフトウェアのほうも、ミドルウェア・レベルでのデータ連携を実現するESB技術がある。この両社のシナジーが「真のデータ連携を可能にする」と田上氏は強調する。

 また、前職でもXML事業の確立で影響力を発揮した経験を持つ同氏は、データ連携に加えてXML関連製品も両社の強みだと付け加える。データディレクトではXMLアプリケーション開発環境である「Stylus Studio」や、非XMLファイルとXMLファイルの双方向変換を可能にする「DataDirect XML Converters」などを提供している。ソニック ソフトウェア側も、ESB上でXMLデータを扱うための「Sonic XML Server」を有する。これらXMLポートフォリオを武器に、新しいソリューション展開を同時に進めていくとのことだ。

 ソニック ソフトウェアとデータディレクトの統合に向けた取り組みはまだ開始されたばかりだが、それによって生まれる新しいシナジーがデータ統合からSOA市場に大きな影響を与えることは間違いない。田上氏が率いる両社は今後、この巨大市場でどのようにリーダーシップを発揮していくのか。要注目である。

(Computerworld.jp)


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