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「カトリーナ」の来襲で試された企業のディザスタ・リカバリ体制
米国南東部を襲った大型ハリケーン。そのとき、被災地域のITスタッフはどう動いたか
(2005年12月26日)
2005年8月23日(米国時間)に発生し、米国南東部を襲ったハリケーン「カトリーナ」は、メキシコ湾一帯の地域に壊滅的な被害を与えた。この大型ハリケーンの来襲に、被災地域の企業のビジネス・コンティニュイティ(業務継続)プランおよびディザスタ・リカバリ(災害時復旧)体制が図らずとも試されることとなった。以下、大災害に敢然と立ち向かったIT/IS部門スタッフの奮戦ぶりを伝えるComputerworld米国版の現地リポートをお届けする。
Computerworld米国版
| 写真1:米国海洋大気庁の気象図がとらえた大型ハリケーン・カトリーナ(8月26日) |
真夜中の緊急発進
2005年8月27日午前2時――大型ハリケーンの「カトリーナ」(写真1)がメキシコ湾一帯に壊滅的な被害をもたらす2日前のことである。米国ルイジアナ州コビントンのスイミング・プール施設/用具販売会社、SCPプールでIT担当シニア・ディレクターを務めるティム・バブコ氏は、家中に鍵をかけ、飼っている犬と猫を車に乗せ、そして同社のディザスタ・リカバリ・プランを収めたバインダーを抱えて“緊急発進”した。同氏はこの夜、コビントンからテキサス州ダラスにある同社緊急オペレーション・センターまでの800kmの道のりを駆け抜けたのだ。
バブコ氏は、ハリケーンが過去2回、ニューオーリンズに接近したときにSCPプールのオペレーション・センターの緊急移転を行ったが、2回ともわずかに進路がそれて同社のビジネスは事なきを得たという。同氏は、この「真夜中の緊急発進」が、同社がハリケーンに直撃された場合に備えてディザスタ・リカバリ・プランのいくつかを書き換えるのに役立ったとして、次のように話す。
「ディザスタ・リカバリ・プランさえ作っておけば完璧だというのは嘘だ。でも、当社がそれのおかげで商品の販売、流通を継続できたのは事実だし、これこそがディザスタ・リカバリを行う意義なのだ」
SCPプールは3年前より、基幹システムをテキサス州ヒューストンのITアウトソーシング・プロバイダー、ベリセンターがダラスに設置したデータセンター上での運用に切り換えている。その際、バブコ氏は緊急時のヘルプデスク業務の調整やハードウェアの移転などを担当するディザスタ・リカバリ・チームを結成したうえ、ビジネス・コンティニュイティに関する情報を同社の従業員に提供するイントラネット・サイトも開設。ここから警戒情報や無料通話番号、従業員の連絡先といった広範な情報を提供するようにし、来るべき災害に備えていた。
意外と進んでいない、米国企業のディザスタ・リカバリ体制
現状、企業はどこまでビジネス・コンティニュイティ/ディザスタ・リカバリ・プランを整えているのであろうか。米国のIT市場調査会社ガートナーのアナリスト、サイモン・ミンゲイ氏によると、フォーチュン1,000社の約40%は局地的災害に対する備えが出来ていないと指摘する。
「小・中規模の企業ならなおさらだ。それにしても、ニューオーリンズがここまで壊滅的な被害を受けるとはだれも想像できなかった。今だってほとんどの人々は、まさか自分の身にこんなことが起こりうるとは考えていないだろう」(ミンゲイ氏)
ミンゲイ氏によると、冒頭のSCPプールのように災害に対する意識の高い企業であれば、緊急時にも通信手段を確保するプランや、被災後もビジネスを当分続けられる「ホット・サイト」を用意しているうえ、本社から遠く離れた地域にセカンダリ・データセンターを置くディザスタ・リカバリ体制が徹底されているという。
しかし、そうした企業でさえも、カトリーナとその後の大洪水が、これほどまでに危機的状況を招くとは想定していなかったようだ。ミズーリ州カンザスシティーの医療関連会社セント・ルークス・ヘルス・システムの場合、ディザスタ・リカバリ製品のベンダーと契約していたおかげで、同社のIT/IS部門は最長6週間ホット・サイトでサービスを継続提供することができる。だが、同社CIO(最高技術責任者)のジョン・ウェード氏は、「カトリーナ級の大災害だと、6週間というタイムリミットでは正直苦しい」と打ち明ける。
ヒューストン郊外のディアパークに本社を構える衛生サービス会社のハイドロケム・インダストリアル・サービセズも同様だ。同社アプリケーション開発マネジャーのジョー・ハートマン氏によれば、同社のディザスタ・リカバリ・プランでは、非常時には業務を同市北部の事業所に移すことになっているが、同氏はこう語る。
「でも結局、ヒューストン全域にわたる大災害だと、もうお手上げだ。なすすべがない」(ハートマン氏)


















