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ストレージ革命

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ストレージ革命

成熟期を迎えたマネージド・ストレージ──SSPの新たな役割とその活用法

(2006年06月20日)

 「ビジネスはタイミングがすべて」という格言は、今日のエンタープライズ・ストレージ・サービス・プロバイダー(SSP)にとって特別な意味を持つ。多くの専門家やユーザーが「これからはSSPの時代だ」と口をそろえるまでに進化したのである。ユーティリティ・ストレージ、最先端の管理サービス、そして経験豊富なパートナーシップを武器に、SSPは企業の個別のニーズにあわせて、あらゆる機能を網羅したフルサービスを提供できるまでになった。また、HPやサン、ベライゾンといったビッグネームもこの分野に参入し、SSP市場の活性化に貢献している。

ジョアン・カミングス
Network World 米国版

多様化するデータ管理の課題

 多くのストレージ専門家は、登場した当初のSSPサービスの最大の問題は信頼性にあったと口をそろえる。1990年代後半、ほとんどのSSPはプライマリ・ストレージ(すなわちミッション・クリティカルなトランザクション・データベースの外部ディスク・ドライブとして機能するストレージ)に特化していた。しかし、アウトソーサーを信頼する企業は少なく、実績のない新興企業に基幹データをゆだねるユーザーはほとんどなかった。そのため、2000年代初頭にはSSPのほとんどが市場から姿を消すことになった。

 「当初、企業はデータのコピーすら業者に渡すことをためらった。ましてやプライマリ・データの管理を任せるなど考えもしなかった」と語るのは、フォーカス・コンサルティングの社長、バーブ・ゴールドウォーム氏だ。「だが、そうした状況はもはや過去の話となった。今日生き残ったプロバイダーは、安定したサービスと豊富な実績を誇っている」と同氏は強調する。

 堅牢なサービスを利用できるようになっただけでなく、企業を取り巻くビジネス環境が厳しさを増した結果、新しいデータセンター構想の一環として、SSPの利用を考える企業が増加したことも追い風になっている。

 ガートナーが2005年、北米の企業ユーザー104社を対象に実施した調査によると、「外部のバックアップ・サービス・プロバイダーの利用をまったく考えていない」と回答した企業は、全体の5%でしかなく、2003年あるいは2004年と比較して30〜40%減少している。

 「企業のデータは膨張し続けている。一方で、災害対策やコンプライアンスなど、解決すべき問題は山済みだ。にもかかわらず、IT予算は削減されている」とゴールドウォーム氏は指摘する。「こうした状況では、何らかの手立てが必要だ。SSPに負荷を移すことも十分な選択肢になりうる」

コンプライアンスへの取り組み強化が追い風に

 SSPを検討する多くの企業にとって、大きな動機になっているのが法令や業界規制に対するコンプライアンスの強化だ。ミシガン州グランドラピッズで開業する口腔外科診療所、OMSAオブ・ウエスタン・ミシガンの診療アドミニストレーター、キャロル・クライン氏によると、SSPのライブボールト(現アイアン・マウンテン・デジタル)と契約し、コンプライアンスの強化に取り組んでいるという。

 「患者のカルテ、会計、医療費請求などのきわめて重要なデータを預かっており、すべてのデータをきちんと管理された信頼性の高いドライブに格納している。当診療所にとって、こうしたデータは生命線だ」とクライン氏は強調する。

 クライン氏によると、以前は、4カ所の診療所のデータをT1回線で接続したグランドラピッズのメイン・サーバにバックアップし、サーバ・イメージを毎晩テープにバックアップしていたが、そのテープは従業員の1人が自宅に持ち帰り、保管していたという。こうした対応は決して安心できるものではない。テープがどこにあるかといったことを、実際には厳格に管理できていなかったのだ。

 そうしたなか、HIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act of 1996:医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)が施行された。「HIPAAの施行によって厳格なデータ保管を義務づけられたことで、安全性の高いソリューションが必要になった」(クライン氏)

 OMSAがSSPとしてライブボールトを選択した理由は、10GBのストレージ容量を年間1,600ドルで利用きるという料金の安さもさることながら、最先端のアーカイブおよびリカバリ機能を提供していたからだ。セキュリティ対策もこれまでとは比較にならないほど改善された。

 ライブボールトはOMSAからデータを受け取るとすぐに暗号化を行い、厳重に隔離されたファシリティに格納する。しかし、何と言っても最大のセールスポイントは、OMSAに診療管理ソフトウェアを提供していたコダック・プラクティスワークスとのパートナーシップにあったという。

 そのソフトウェアを利用すれば、テープを利用していたときに数時間かかっていた深夜のバックアップも、わずか7分で終了するようになった。バックアップ時間が短縮されたのは、いったん2日ほどかけて初期のサーバ・イメージをライブボールト側で複製を行い、あとは変更があった部分だけを差分バックアップする仕組みになっているからだ。

 リストアも高速化された。テープで運用していたときには、ファイルのリストアも容易ではなかった。「頻繁にエラーが発生しただけでなく、リストアに必要なテープがないといったハプニングもあった。テープのバックアップに失敗した翌朝は、ただ肩を落とすしかなかったからだ」と、クライン氏は振り返る。

 現在、ファイルをリストアする必要があれば、ライブボールトの管理コンソールにユーザーIDとパスワードを入力し、リストアを選択して、バックアップ・サーバをブラウズし、該当のファイルをクリックするだけで、簡単にリストアできる。「しかも一貫性が保証されている」(同氏)

 「OMSAは、SSPを利用する顧客の典型的な例だ」と指摘するのは、エンタープライズ・マネジメント・アソシエイツの上級アナリスト、マイク・カープ氏だ。「今日のSSPはストレージだけでなく、さまざまなサービスを提供してくれる。なかでもストレージ管理は、きわめて付加価値の高いサービスだ」


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