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ストレージ革命

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ストレージ革命

全社レベルでコンテンツを“統制”する「ECM」

今日のコンテンツ管理製品分野における最注目領域

(2006年12月14日)

現在のコンテンツ管理製品市場を整理する

 ここで、コンテンツ管理製品市場のキーワードを整理しておこう(表1)。この市場においては、以前から文書管理という用語が存在している。電子ファイリング・システムやファイル変換機能をもつ文書共有ソフトウェアも、文書管理製品に分類できるもので、製品種類が最も多いのがこの分野である。

表1:コンテンツ管理市場の製品分類

 また、ここでは「コンテンツ・リポジトリ」という用語を、コンテンツの保管とアクセス制御機能を提供する製品という意味で用いている。この種の製品はWebコンテンツ、音声、画像など、さまざまな種類のコンテンツを一元的に保管できるのが特徴だ。

 これらのほかにも、音楽や映像、画像などの利用プロセスの効率化に重点を置くデジタル資産管理、電子コンテンツに対するユーザーの利用権限を制御し、不正コピーなどを防止するデジタル著作権管理(DRM:Digital Rights Management)、コンプライアンスの観点から保管が義務付けられているデータを厳密に管理するレコード管理といった製品分野が存在する。

 そして、ECM製品を厳密に定義すると、文書管理、Webコンテンツ管理、レコード管理、デジタル資産管理など、多岐にわたる機能を総合的に提供する製品であるということができる。しかし、そこまでの機能を包括した製品は実際には少数であり、特定分野に注力した製品であっても、「全社レベルでコンテンツを管理する」ことを目的としているのであれば、広義のECM製品ととらえて間違いはないだろう。

 以上のような製品区分はあるが、実際に提供されている製品を見ると、それぞれが機能の拡充を進めており、製品によってカバーする機能領域が交錯している。前述したCMSとECMが接近しているという状況も、その一例である。そのため、個々の製品を上記の分類と1対1に対応づけることは難しくなってきている。

ECM製品で実現できる内部統制の強化策

 内部統制とECMの関係を、もう少し詳しく見てみよう。ITにかかわる内部統制について、筆者は、「1. 職務および役割分担の明確化」「2. 業務の手順化・標準化」「3. 業務の文書化」「4. 業務の監視および定期的評価」「5. 情報の網羅性および一元管理」「6. 追跡および証左の提示」の6つが要点となると考えている(表2)。このうち、ECM製品が活躍すると考えられるのは、前述したように「3. 業務の文書化」で作成される文書類を管理するという用途である。

表2:IT内部統制における6つの要点(全般統制と業務処理統制の両方に対応)
*資料:アイ・ティ・アール

 しかし、より重要なのは、既存の業務を見直してECM製品で運用するということだ。例えば、既存の契約管理業務に対して、「1. 職務および役割分担の明確化」「2. 業務の手順化・標準化」を行い、新たな業務プロセスをECM製品で運用するというケースである。このケースでは、ECM製品が備える文書管理機能やワークフロー機能、セキュリティ機能によって、「5. 情報の網羅性および一元管理」「6. 追跡および証左の提示」まで網羅できる。

 今後は、内部統制の強化に向けた、より強固なコンテンツ管理のために、レコード管理製品へのニーズが高まっていくものと予想される。レコード管理製品の導入事例は、国内では今のところ少数だが、これから注目を集めることは間違いないだろう。

ECM製品を用いたコンテンツ管理プロセス

 ECMに対するニーズは確実に高まっているが、ECMという用語の認知度は低いようだ。ユーザー企業で耳にするのは、「文書管理製品を導入したい」「Webサイトを運用するためのコンテンツ管理製品を探している」といった声であり、「ECMを検討している」「ECM製品について調査している」といった表現を聞くことは少ない。一方、コンテンツ管理市場を見ると、ECMと称する製品は数多く提供されているが、それらが有する機能範囲にはかなりの違いが見られる。

図3:コンテンツの登録から利用、廃棄までを網羅するコンテンツ管理プロセス
*資料:アイ・ティ・アール

 ただし、前述したようにECMは、全社レベルでのコンテンツ管理を目的としたものであり、コンテンツの登録から利用、廃棄に至るプロセスの管理が基本機能と言える(図3)。以下でそれぞれ説明しよう。

1. コンテンツの登録

 コンテンツの登録は、ECM製品を利用する際の最初のステップとなる。管理ソフトウェアの専用画面からの登録や、GUI画面上でのドラッグ&ドロップによる登録が一般的だ。もちろん、企業内には、WordやExcelで作成されたコンテンツのほかに、契約書や技術仕様書などの紙文書も存在する。紙文書も電子化して保存・管理するためには、デジタル複合機などと連携させて登録を行うことになる。

2. コンテンツの格納/管理

 コンテンツを長期にわたって確実に保管することは、ECMの重要な役割である。長期保管の対象となるコンテンツは日々増え続けるため、別のストレージにアーカイブする機能が必要になる。また、不正アクセスや改竄を予防するためのアクセス制御や、監査証跡(アクセスに対するログの保存)、タイムスタンプなど、保管してあるコンテンツが正しいものであることを証明するための機能も必要だ。

3. コンテンツの利用

 バージョン/リビジョン管理、ワークフロー、メール連携などは、複数のスタッフによる共同作業で必須となる機能であり、大量のコンテンツに対する検索機能もECMには欠かせない。また、基幹システムや業務アプリケーションが有するデータを、ECM側で利用したいというニーズもあり、そのための連携機能を提供する製品もある。

 コンテンツをWebブラウザによる閲覧に適した形に変換する機能を持つ製品も存在する。このような機能があれば、専用ソフトウェアがなくてもWebブラウザからのコンテンツ閲覧が可能になり、わざわざ専用ソフトウェアを配布しなくても、多くのユーザーがコンテンツを活用できるようになる。

 図3で示したすべての機能を1製品単独で網羅するのは難しく、いずれのECM製品も目的に応じて注力している機能領域が異なっている。

 例えば、ペーパーレスを目的とした製品は、デジタル複合機から紙文書を登録する機能が充実しているが、もともと電子化されているコンテンツの管理を目的とした製品には、こうした機能が用意されていない。オリジナルのファイル形式でコンテンツを管理することが目的である製品には、ファイル形式の変換機能は必要ない。

 また、情報漏洩を防ぐために、コンテンツにきめ細かなアクセス制御を行える製品は多々あるが、この中には、コンテンツを保管する機能はなく、Webサーバの既存コンテンツへのアクセス制御機能のみを提供する製品もある。

 このように、多様な製品群をECM製品として横並びに見ても統一感がなく、製品選定時の比較対象とするのは難しいと考える方もいるだろう。しかし、図3のコンテンツ管理プロセスを理解しておけば、どのポイントに注力した製品なのか、何を強みとする製品なのかを理解できるはずだ。


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