【 ここから本文 】

ストレージ革命

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


ストレージ革命

“グリーン・データセンター”を構築せよ

省エネを実現するために踏むべき7つのステップ

(2007年05月30日)

読者諸氏が管理しておられるデータセンターは、どれくらい環境に優しいだろうか。今はそんなことは気にもしていないという方も、近い将来、きっとそのことを意識せずにはいられなくなるはずだ。電気料金の請求書を目にする機会がないために、ほとんどのデータセンター・マネジャーが気づいていないかもしれないが、現実に、データセンターの電力需要は右肩上がりで急上昇しており、それにつれて電気料金も増え続けているのだから……。

ロバート・ミッチェル
Computerworld 米国版

 サーバの薄型化、高密度化などに伴い、ラック当たりの消費電力は上昇を続け、一部のハイエンド・システムの中には、ラック当たりの消費電力が30キロワットを超えるものまで登場している。その結果、データセンター・マネジャーの中には、すべてのラックに十分な電力を供給することができず、途方に暮れている人もいるようだ。データセンター内に従来以上の電力を引き込もうにも、電力会社からそのロケーションへ配電される電力量をすでに上回っているため、そうすることが難しいのだ。

 リージョンズ・フィナンシャルのメインフレーム・テクノロジー担当上級副社長兼マネジャー、マロリー・フォーブス氏も、この問題を憂慮する1人だ。

 「毎年規格を改定するたびに所要電力が増加する。そのつど配電される電力量を増やしてもらわなければならず、それがデータセンターを管理するうえで大きな負担となっている」(同氏)

 この問題を解決するには、エネルギー効率を改善するしかない。データセンターの消費電力を1ワット節約すれば、少なくとも冷却に必要な電力を1ワット節約することができるわけだ。それを考慮するITマネジャーは少なくないが、なかでも長期的な視野を持つITマネジャーほど、エネルギー効率の高い機器を購入した場合の費用対効果(ROI)に注目しているようだ。

 例えば、バンガード・グループのテクニカル・オペレーション担当プリンシパル、ロバート・イェール氏は、「5年後のビジネス・ケースを策定するに際して、エネルギーの問題を重要な判断材料にした」と語る。

 バンガードでは、Webベースのトランザクションを処理するために、6万平方フィートにも及ぶデータセンターを保有しているが、そこでは、これまで「セキュリティ」と「アベイラビリティ」が最優先されてきた。ところが、最近は、「エネルギー問題をより重視するようになった」(同氏)というのである。

 いわゆる「グリーン・データセンター」の取り組みは、エネルギーを節約するだけでなく、データセンター全体を環境の観点から見直そうとするものだ。

 そうした環境に優しい最先端のデータセンターを構築・維持するための手引きとして、以下では、データセンター・マネジャーに向けた7つのステップを紹介することにしたい。

【ステップ1】
サーバを統合する(それ以外の機器もできるだけ統合する)

 数年前からデータセンター(グリーン・データセンター)に関する問題を研究してきたコンサルティング会社、アップタイム・インスティチュートの創立者、ケン・ブリル氏は、「データセンターの経費は、基本的な部分をいじるだけで、かなり節約できるものだ。

 そのコスト節約の第一歩としてお勧めなのが、サーバ統合だ。というのも、多くのデータセンターでは、サーバの10〜30%が“遊んで”おり、(これらのサーバについては)電源を切ってもかまわない状況にあるからだ」と、サーバ統合の効能を説く。

 ある調査によれば、物理サーバの撤去によるコスト節約には即効性があり、1台のサーバにつき年間のエネルギー・コストを最高1,200ドル節約できるなど、節約額も決して小さくない──そう証言するのは、サンフランシスコの電力会社PG&Eで顧客エネルギー管理担当上級プログラム・マネジャーを務めるマーク・ブラムフィット氏だ。

 その数字の内訳を示しておくと、「サーバ1台当たりの消費電力を年間300〜600ドル、冷却コストを同じく年間300〜600ドル節約できる」(同氏)ということになる。ちなみに、PG&Eでは顧客に対し、サーバ統合プロジェクトによってサーバの稼働を停止させた場合、1台あたり150〜300ドルの報奨金を支払うことを定めた「仮想化インセンティブ・プログラム」を提供しているという。

 “遊んでいる”サーバを撤去したら、データセンター・マネジャーは、サーバ・ベースのアプリケーションを可能な限り仮想マシンに移すようにするべきだ。そうすることで、IT部門は物理サーバの台数を削減できると同時に、残っているサーバの稼働率を大幅に高めることができる。

 今日、ほとんどの物理サーバの稼働率は、10〜15%程度でしかない。一方、“遊んでいる”サーバであっても、最大でピーク利用時の30%の電力を消費することがある。つまり、「サーバ統合によって“遊んでいる”サーバを撤去し、仮想化によって残ったサーバの稼働率を上げることができれば、電気料金をかなり浮かすことができる」(ヴイエムウェアの製品マーケティング担当上級ディレクター、ボゴミル・バルカンスキー氏)わけである。

 こうしたメリットをさらに追求すべく、ヴイエムウェアは現在、同社の「Distributed Resource Scheduler」に新しい機能を付け加えようとしている。この機能を使えば、単一のリソース・プールとして扱われている物理サーバの間に、動的にワークロードを割り当てることができるという。

 より具体的に説明すると、「Distributed Power Management」と名づけられたこの新機能は、「仮想マシンをできるだけ少ない数の物理マシンによって構築し」(バルカンスキー氏)、仮想マシン構築後は、使われていないサーバの電源を自動的に切断する。仮想マシンの構成も、ワークロードの変化に応じて動的に調整される。例えば、就業時間外の夜間にはワークロードが統合され、朝になってアクティビティが増えると、より多くの物理マシンに再度割り当てられるといった具合だ。


 |1234 > 次のページへ



関連記事

▲ページの先頭へ戻る


特別企画

日立のストレージ・ソリューション

柔軟なデータ・マネジメント戦略でビジネスを加速させよ

“仮想化”を基盤とした総合力で、情報資産の活用を支援する日立製作所のストレージ・ソリューション

イベント・リポート

NetApp Focus 2008

競争力の高いデータ管理基盤をいかに構築するか――ネットアップが提示する仮想化活用の実際

データ管理における豊富なノウハウに基づくNetAppストレージ/仮想化製品群

プロダクト・フォーカス

日立製作所

データを安全に長期保管し、さらなる活用を促す――日立の「Hitachi Content Archive Platform」

コンプライアンス/内部統制時代のニーズに応えるコンテンツ・アーカイブ・ストレージ

キーパーソン

「ストレージ管理の課題解決のカギは重複除外と仮想化」――ネットアップCTOのポロウスキー氏

社名変更し、ユーザー認知度のさらなる向上も目指す

サンEVPのファウラー氏「ストレージでもオープン革命を起こす」

「サーバ/ネットワーク/ストレージは、オープン技術によって統合化・収束化に向かう」

ストレージにも「グリーン」を――SNIAが示す環境配慮の新指標

エネルギー効率を測定できる新ストレージ指標を2009年完成に向け開発中

「目指すのは、日本社会に根づいた“情報インフラ企業”」――EMCの諸星社長

製品の単なる“日本語化”ではなく“日本化”を目指す

データ統制

オンライン・バックアップ・サービスの普及が大手企業間で加速

有力ベンダーが相次いで市場参入。2011年には約7億ドルの市場規模に

ILMの導入で、IT運用コストを引き下げろ!

ILMを成功裏に導入するための“6つのステップ”

全社レベルでコンテンツを“統制”する「ECM」

今日のコンテンツ管理製品分野における最注目領域

過去のあらゆるデータをリカバリできるデータ保護技術「CDP」

データ・ロスとダウンタイムの最小化をも実現

コンプライアンスを重視したメール運用管理の実際

ECM/CMSではカバーしきれない最重要コンテンツ

ストレージ仮想化

ストレージ仮想化[メリットと手法を確認する]

普及が進み、成熟期を迎えた仮想化技術

注目集めるストレージ仮想化技術――企業は管理コスト削減に期待

管理コストを95%削減した事例も

ストレージ管理

ストレージ・リソース管理(SRM)ソフトは使い物になるか?!

有用なチャージバック・モデル開発など、課題が山積

少ない電力でより多くのデータをストア

ストレージ管理の「今日的キーワード」は「省電力」

企業が陥るストレージの過剰購入

リソース管理ソフトを駆使して計画的な導入を!

「シン・プロビジョニング」でストレージ・リソースの“無駄づかい”を撤廃する

手付かずの容量を有効活用するためのアプローチ

ユーザー事例

ニューヨーク市警の巨大データ・ウェアハウス刷新計画とは

関連機関の“データ・ハブ”として機能

中堅化学薬品メーカーが体感した「iSCSI SAN」の導入効果

災害復旧バックアップ基盤を強化

キャッチアップ

ITILを生かしたストレージ管理の新アプローチ

ベスト・プラクティスをストレージ管理にも応用し、“データの洪水”に備える

ナノテク研究の前線からCPU/HDD/メモリの明日を読む[HDD編]

テラバイト領域に突入したハードディスク――垂直磁気記録方式、TMRヘッド、パターンド・メディア……

データ・バックアップの定番デバイス「テープ・ストレージ」の意義を再考する

容量/データ転送速度の向上に加え、セキュリティも強化

エンタープライズ・レベルに達したiSCSI

急速に普及するiSCSI-SAN。その技術の成熟度を測る

トレンド・ウォッチ

グリーン化を実現するために、コールセンターを「仮想化」せよ

在宅勤務を取り入れれば、オペレーターの定着率がアップし、省エネも達成

待たれる、「相変化メモリ(PCM)」時代の到来

小型化の限界に近づいたフラッシュ・メモリに、いつ取って代わるのか

ISO/IEC、マルチベンダー環境のSAN管理仕様「SMI-S」を承認

SANシステムの相互運用を実現

大半の企業は「電子開示」規則への対応が不十分

民事訴訟での電子文書の証拠提出を巡り

【連載】バックアップ新論

第1回:デスクトップのバックアップ

第1ステップはユーザーへの喚起

第2回:データセンターのバックアップ

まずは経営上のリスクとコストとのバランスを評価

第3回:メッセージのバックアップ

内部統制に必須の重要課題に取り組む

第4回:ワークグループのバックアップ

「バックアップの盲点」をいかに克服するか

第5回:PDAのバックアップ

ネットワーク・デバイスとして管理する

第6回:ブランチ・オフィスのバックアップ

常に変化する“標的”を的確に“キャッチ”する

Weekly Ranking

集計期間:11/25〜12/01



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国