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【インタビュー】
「あらゆるデータソースに対するアクセスを提供する」――データディレクト幹部

データベース・コネクティビティの市場リーダーが語る技術と戦略

(2007年10月15日)

データベース・システムにアクセスするためには、クライアント側に何らかのドライバや手法が必要になる。ODBCやJDBC、ADO.NETなどでアクセスすることが多いが、どのDBベンダーも専用ドライバを提供しており、別途、DBドライバを購入するという意識を持っていないユーザーはかなり多いのかもしれない。データベース・コネクティビティ分野のリーダーであるデータディレクトテクノロジーズが提供するDBドライバは、こうした無償のドライバとは一線を画する性能と機能により、有償製品を導入するのに見合う価値を提供し、広範な支持を集めている。Computerworld.jpは、先ごろ来日した同社インターナショナル・セールス担当バイスプレジデントのテレンス・クック氏と、日本でセールス&マーケティング ディレクターを務める松谷直輝氏に、同社の技術と戦略について聞いた。

渡邉利和

 
マルチデータベース/マルチプラットフォーム対応のDBドライバ

──データディレクトテクノロジーズの業容と製品の特徴について簡単に説明していただきたい。

クック氏:データディレクトは、1988年からDBコネクティビティ・ミドルウェアを手がけている、この分野の専業ベンダーである。当社はもともとマイクロソフトとODBC標準の基礎を開発した実績があり、JavaでのJDBCにも、サン・マイクロシステムズとの標準の制定に関与している。もちろん、DBベンダーとも長期的な協力関係を築いており、オラクル、マイクロソフト、IBM、サイベースなどの主要商用RDBMSのワイヤプロトコル・ドライバ()を提供している。

注:クライアント・ソフトを不要にするドライバ。各DBベンダーから、クライアント・ソフトに関する技術提供を受け実現している

米国データディレクトテクノロジーズ インターナショナル・セールス担当バイスプレジデントのテレンス・クック氏

 DataDirectドライバはきわめてパフォーマンスが高く、DBベンダー製の専用ドライバよりも高速な汎用ドライバとして、世界中で多くの実績を持っている。そのうえ、個別のクライアント・ライブラリを必要としないため、1つのドライバで、多バージョンのDBに接続できる。このことは、ユーザー企業にとっても実に大きなメリットとなる。

 大企業では複雑なITシステムを運用しており、さまざまなDBへの接続を必要とする多数のアプリケーションを独自に開発している。典型的な例は、スケーラビリティが高く、ミッション・クリティカルな情報を大量のオンライン・トランザクションで扱うような、各国の中央銀行や政府機関である。これらのアプリケーションでは、DBアクセス性能がきわめて重要になるし、さまざまな種類のDBに接続できる必要がある。DataDirectドライバは、そうしたアプリケーションを運用する企業が強いニーズがある製品である。

──専業ベンダーとしてさまざまなDBコネクティビティ製品を提供しているが、最近はどのようなラインアップ拡充を行っているのか。

松谷氏:ユーザーのニーズに伴い、XML開発ツールやXQueryといった製品が充実してきている。また、「Shadow」というメインフレーム統合のための製品も提供している。こうしてラインアップを拡充してきた結果、例えば、IBMのRDBMSである「DB2」に関しては、Windows、AIX、AS400、メインフレームと、すべてのプラットフォームに対して一貫した機能を提供できるようになった。

データディレクトテクノロジーズ セールス&マーケティング ディレクターの松谷直輝氏

 APIに関しても、ODBC、JDBC、ADO.NET、XQueryなど、主要なAPIをすべてサポートしている。プラットフォームやDBの種類に応じてさまざまなドライバを使い分けるのではなく、1つのドライバでさまざまなDBにアクセスできる点が、当社製品の最大の特徴と言える。

 今では日本においても企業の吸収・合併が珍しくなくなってきたが、企業合併に伴うシステム統合によって、複数のDB、複数のプラットフォームが混在する環境が出来上がってしまうケースがあるが、こうした場合にも当社のドライバが有効だ。また、1つのアプリケーション・サーバに複数のドライバをインストールすると、コンフリクトが発生したり、パフォーマンス低下の問題が起きたりすることがあるが、こうした問題を回避することにも役立つ。


DataDirectドライバ・シリーズの製品構成

 
DataDirectドライバが強みを発揮する分野

──主にどのような業種・業界でデータディレクト製品は支持されているのか。

クック氏:米国や欧州では銀行・金融業界のユーザー企業が多い。この業界では、SOX法などの各種法規制から、適切な認証/監査の機能を実装する必要に迫られている。中央銀行や主要な金融業界においては、認証/暗号化方式の標準規格としてKerberosを採用している例が多いので、当社の製品でもKerberosをサポートした。その結果、DataDirectドライバを使用することで、DBアクセス時のシングル・サインオンが容易に実現でき、権限の委譲や高度なセキュリティなども併せて実現できる。

松谷氏:日本市場については製造業のユーザーが多く、以下、金融、官公庁と続く。日本版SOX法(金融商品取引法)に関連して、セキュリティを高めたいという理由での採用も増えてきているところだ。
 面白い採用理由として、官公庁などを中心に、無償(DBに付属)のドライバを使うことに対するリスクの意識がある。万一の際のサポートの問題を懸念するユーザーには、当社製品が、DBアクセスにおいて確かなサポート・サービスが提供される有償製品であることが採用の決め手となる例もある。

クック氏:また、DataDirectドライバは、グリッド環境でも強みを発揮する。大企業を中心にグリッド技術の活用が進みつつあるが、現状、マルチプラットフォームのきわめて複雑な環境となってしまう傾向がある。

 顧客である欧州の銀行で実際にあった話をしよう。その銀行が業務システムをグリッド化したところ、DBにアクセスする必要があるクライアントすべてに対し、各DBベンダーが提供するクライアント・ライブラリを21種類ずつインストールする必要に迫られたという。そこで、その銀行は当社の製品を選択し、1つのドライバでこれらすべてのDBへの接続を実現することができた。こうしたことができるのがデータディレクトの優位性となっている。

 
非標準データ・ソースにも対応可能

──「OpenAccess」という製品は、どのような機能を提供するのか。

クック氏:OpenAccessは、当社が2006年に開発ツール・ベンダーの米国オープンアクセス・ソフトウェアを買収して得た新しいテクノロジーである。ユーザーはこの製品を利用して、非SQLデータ・ソースを含むさまざまな独自規格のデータ・ソースにも接続することが可能になる。OpenAccessが製品ラインアップに追加されたことで、今までサポートしていたRDBに加え、非標準のデータ・ソースまでもカバーできるようになったわけだ。

 OpenAccessが提供するのは、ユーザーがデータ・ソースへのアクセス・モジュールを作成するための洗練された開発ツールセットだ。航空管制システムにOpen Accessを利用している顧客の事例を紹介しよう。この顧客の場合、データは航空機から送信されてくる独自のバイナリ形式で、管制システムはそうしたデータを解析して航空機の現在飛行位置や搭載された航法機器などの状態などの情報を取得する必要があった。そこでこの顧客はOpen Accessを用いて、JDBCベースの標準的なレポーティング・ツールを使ってデータ解析を可能にするアクセス・モジュールを作成した。

 
「すべてのデータがDataDirectを経由して流れていく状態を目指す」

──近年では、オープンソースDBを選ぶ企業も増えているが、それらへの対応についてはどうか。

クック氏:データディレクトとしては、オープンソースDBに対しても、商用データベースと同レベルの洗練度と堅牢性、パフォーマンスを提供していきたいと考えている。先月、新たにMySQLを正式サポートした。

 データディレクトの究極的な目標は、世界中のあらゆるデータが当社の製品を経由して流れていく、というような状況を実現することだ。これは夢物語などではない。すでに当社は全世界で300以上の主要なソフトウェア・ベンダーと協力関係にあり、製品をOEM供給している。つまり、世界中のユーザーが現在使用しているアプリケーションが扱っているデータは、実はわれわれの製品を通じてやりとりされているのだ。

松谷氏:日本では、汎用APIを用いたDBコネクティビティに特化したベンダーはほとんど見あたらず、この分野ではコンペティターと呼べるところはない。あえて挙げるならDBベンダーということになるだろうか。国内でも当社のドライバを組み込んでいるパッケージ・ベンダーが多く、ユーザーが商用のドライバを検討する場合には、DataDirect製品が真っ先に採用候補となることが多いが、今後は、さらに一歩進んで、DBドライバと言えば、DataDirectが業界標準と認知されることを目指していく。




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