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Googleの秘密――検索結果ランキングの“隠し味”に迫る
SEO専門家を悩ませるトップ検索エンジンの謎
(2007年04月11日)
Googleのランキング・アルゴリズムには“隠し味”がある──こう指摘するSEO(検索エンジン最適化)の専門家は少なくない。検索結果の順位を左右する要素を洗い出し、顧客のサイトを上位にランクインさせるのが仕事の彼らでさえ、Googleにはまだわからないところが多いと口をそろえる。本稿では、グーグルの最高機密とも言えるランキング・アルゴリズムに迫ってみたい。
ステーシー・コレット
Computerworld オンライン米国版
ランド・フィシュキン氏は、Googleでの検索結果の上位にランクインすることがいかに重要かを熟知している。だが、SEOベンダーの米国SEOmozで社長兼CEOを務める同氏でさえ、パネリストとして参加した「Search Engine Strategies Conference & Expo」で受けたオファーには意表を突かれた。
それは、スパミングやクローキング、リンク・ファームといったブラックハット(汚い手法)を用いずに、純粋にホワイトハット(正攻法)だけで、ギャンブル・サイトをGoogle検索結果の上位にランクインさせることは可能か、というものだった。このオファーに対してフィシュキン氏は、他のマーケティング手法を駆使し、ある程度メディアの注目を集められれば可能だと答えた。
フィシュキン氏の答えを聞いた他のパネリストらはあきれ顔で苦笑し、なかには「銃撃戦にナイフを持ち込んでも……」と同氏をたしなめる者さえいた。熾烈なSEOの世界でまともに勝負しても勝ち目はないと、そこに居ただれもが思ったのだ。
だが、あるポーカー・サイトのオーナーはこの話に興味を引かれ、後日フィシュキン氏に接触を図ってきた。そのオーナーは、「もし正規のやり方で、“online poker”や“gambling”のキーワードでGoogle検索のトップ5以内にランクインしてくれたら、あなたからそのサイトを1,000万ドルで買う」とフィシュキン氏に申し出た。
フィシュキン氏は正直、このオファーに心を動かされた。だが、そのオーナーを信用しきれなかった同氏は、コンファレンスに参加していたギャンブル・サイトのオーナーたちに相談してみた。「もし本当にトップ5内にランクインできるなら、あと1,000万ドル上乗せしてもいいくらいだ」というのが彼らの答えだった。
だれもが認めるGoogleの影響力
1人の顧客から得られる収益は少なくとも1,000ドル──オンライン・ギャンブルの世界では、これが常識だ。“Texas Holdem Poker”の検索で164万件がヒットしたことを考えれば、ギャンブル・サイトのオーナーがGoogle検索ランキング・アルゴリズムのハッキングに数百万ドルを払ってもかまわないと考えるのも無理はない。Google検索で上位にランクインすることは、今でもオンライン・マーケティングの最高峰なのだ。
競争が激しいオンライン・ビジネスにあって、グーグルはサイト・オーナーと顧客の間に立ちはだかる手ごわい門番だ。「kinderstart.com」のように、意図的にランクを下げられたとしてグーグルを提訴したケースもあるが、今のところグーグルが敗訴したことはない。
サイト・オーナーは、グーグルのペイ・パー・クリック(1クリックごとに課金)プログラムである「AdSense」と「AdWords」に影響されないトラフィックにおいて、何とか検索結果の上位に食い込もうと必死だ。検索エンジン市場でシェア47%を占め、月間30億の検索クエリがかけられるGoogleは、まさに検索エンジン界のキングなのである。
「オンライン・マーケティングの最終目標は、おそらくGoogle検索でトップに君臨することだろう」と、検索エンジン・マーケティングとWebソリューションの世界的ベンダーである10e20 LLCの社長、クリス・ウィンフィールド氏は言う。「会社の業務を世間に知ってもらううえで、これ以上効率的な手段はほかにない」(同氏)
グーグルが背負う責任
競争の激しいWebの世界では詐欺まがいのブラックハットが横行しているが、そうしたサイトのほとんどはグーグルのスパム部門の厳しい監視下に置かれている。同部門は必要に応じて、だましの手口を判別してそのサイトのランキングを低くしたり、補助インデックスに渡して「優先度なし」に分類したりする。
ただし、グーグルによると、サイト側が問題点を突き止めて修正すれば、検索結果の候補に含まれるように元に戻すことは可能だという。今や、いかに合法的なやり方でGoogle検索の上位に食い込むかが、多くのWebサイトにとって最優先課題なのだ。
Googleでの検索結果がWebの世界に及ぼす影響については、グーグルも認めるところだ。そのうえで、「大きな影響力には大きな責任が伴う」ことを同社は認識している。
Webサイトの価値を低くしたり省いたりする決定は、検索エンジンのアルゴリズムに委ねられている。したがって、グーグルに批判的といった理由だけで、サイトが意図的にランクを下げられたりすることはない。同社の上級エンジニアで、サイト管理者コミュニティとの連絡役も務めるマット・カッツ氏は、「スパムと検索結果の品質、つまりサイトがわれわれの品質ガイドラインに沿っているかどうかについては、常に気を配っている」と強調する。
とはいえ、Googleのランキング・ルールにいらいらさせられることも少なくない。ウィンフィールド氏は以前、「グーグルに苦情を言ったことがある」と明かす。“translation services”を検索したところ、10件の結果のうち5件は同じWebサイトのもので、しかも翻訳(translation)とは何の関係もなかったからだ。「こういう結果を見ると、Googleのアルゴリズムに疑問を抱かざるをえない」と同氏は不満げだが、この問題をグーグルに問い合わせると、同社はすぐに回答をよこしたという。
「グーグルはユーザーの声に耳を傾けている。グーグルの支配にはいらいらさせられるが、真剣に取り組んでいることは確かだ」(ウィンフィールド氏)
ところが、そのあとで再度“translation services”を検索しても、10件のうち2件は以前と同じWebサイトのものだった。Googleのランキング・アルゴリズムには“隠し味”がある──ウィンフィールド氏はそう考えている。
「ユーザーは検索エンジンのアルゴリズムを知る権利がある」
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