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【解説】
RFIDの技術動向と自社導入のポイント
仕組み・動向を押さえ、“10のユースケース”に照らして自社業務での活用を検討する
(2008年06月18日)
ユーザー企業における導入のキーファクター
ユーザー企業のIT部門は、次の2点をRFID導入のキーファクターとしてとらえ、実行する必要がある。この2点をきちんと考慮したうえで導入プロジェクトを計画し、始動することで、RFIDがもたらすメリットを十分に享受できるようなシステムの開発・構築が可能となる。
キーファクター1:プロジェクトの統括責任者/推進担当者を決めること
他の多くのITプロジェクトと同様、RFID導入プロジェクトの始動にあたっては、その統括責任者をCIO(最高情報責任者)が担い、その配下の推進担当者を任命することになる。実質的なプロジェクト・リーダーは推進担当者であり、各種の調査やアイデア出しも主導して行っていくべきである。
なお、ユーザー企業によっては社長直轄プロジェクトの形式をとるケースも多いだろう。いずれにしても、きちんと役割・権限・責任範囲を明確にしたうえで導入・構築を進めることが基本となる。
キーファクター2:IT部門と現業部門が当初から連携すること
RFIDシステムは、現場のシステムであり、戦略の策定を行っただけでは導入プロジェクトの成功はおぼつかない。経営層、IT部門、そして実際にシステムを活用する現業部門が一体となってシステムの運用を検討するフェーズがプロジェクトに含まれている必要がある。
自社導入のベスト・タイミングを計る
マーケティング分野でテクノロジーの普及度や普及時期を計る用語に、「イノベーター(革新的採用者)」「アーリー・アダプター(初期少数採用者)」「アーリー・マジョリティ(初期多数採用者)」「レイト・マジョリティ(後期多数採用者)」「ラガード(採用遅滞者)」がある(注5)。
RFIDの場合、現時点では、イノベーターの導入が一巡し、アーリー・アダプターによる導入段階に入ってきている。もし、読者が所属する企業・組織が先進企業を自負しておられるのであれば、まさに今が、導入準備に入るフェーズなのである。規格(エア・インタフェース)も固まっており、製品間の互換性も考慮されてきている。大きな技術革新も今後2、3年はなさそうであり、機は熟したと言える。
大げさに聞こえるかもしれないが、RFIDの導入が、読者の企業の名と先進性を世に知らしめるチャンスでもある。国内企業の社名は差し控えるが、ウォルマートをはじめ、メトロ、プラダなど、早期にこのテクノロジーの導入に着手し、効果を上げている企業の名は多くのメディアによって記録され、多くの人々の記憶に残るのである。
もちろん、自社が属する業種・業界、自社の業容によっては、もう少し様子をうかがったほうがよいケースもある。とはいえ、いずれにせよ、このすぐれたテクノロジーの市場/技術動向をキャッチし、導入に備える準備だけは今から着手するに越したことがない。本稿での情報が読者にとって有用なヒントになることを願う。
注5:ロジャーズの普及理論と呼ばれる。米国の社会学者/スタンフォード大学教授のエベレット M・ロジャーズ氏が1962年の著書『Diffusion of Innovations』において技術を採用する者の分類を示した



