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[イスラエル]
Wi-Fiの通信距離を5倍に伸ばす“強力な”新技術が登場?
(2006年09月01日)
イスラエルの新興企業インスピエアが、同社のプロプライエタリなソフトウェアにより、802.11bネットワークの最大通信距離を現在の5倍以上に延ばせると宣伝している。
インスピエアによると、同社の技術を採用すれば、通常の100mWトランスミッタを使って、ポイント・ツー・マルチポイント「802.11b Wi-Fi」信号を最大5km伝送できるという。これは、信号品質を向上させるために802.11bフレームのソフトウェアに変更を加える一方で、何も変更されていない通常のクライアントが信号を理解できるようにすることで実現されると、同社は説明している。
ただし同社は、「Virtual Transmission Manager(VTM)」という技術の詳細は説明しようとはせず、中身の乏しいホワイトペーパーだけを提供している。このように同社の技術の実態は謎に包まれているが、驚くべきことに、すでに複数の顧客が事例を報告できる実績を上げているという。
ヘルシンキで都市型商用Wi-Fiネットワークの設置事業を行っているOCPのアンティ・タピオ氏は、「(インスピエアの技術について)ヘルシンキ大学の教授は物理法則に反していると話していたが、実際にシステムはきちんと稼働しており、役に立ってくれている」と説明する。
タピオ氏によると、同氏が手がけているインスピエアの技術を採用したネットワークは、わずか15のノードで数平方マイル(1平方マイル=約2.6平方km)をカバーするもので、来月から顧客向けに提供を開始する予定だ。このネットワークは、ポイント・ツー・マルチポイントでWebや電子メール・サービスを最大7.4km離れた通常のノートPCに提供するという。
「われわれは競合他社よりも大幅に安い料金を設定するつもりだ。アクセス・ポイントの減少による運転コストの削減分を除いても、このシステムは通常のWi-Fiの場合よりも8〜10倍安く構築できる」とタピオ氏は強気の姿勢を示している。「5年先のWiMaxとの勝負でも十分に勝算がある。われわれのネットワークはそれまでに実績を積み上げているはずだし、800ユーロ(1,521ドル)のモデムを使う必要もない」
一方、ニューヨークのハドソン川公園に公衆Wi-Fiネットワークを構築しているマルチメディア・コミュニケーションズ(MMC)のリック・カミナー氏も、同様な成功例を語る。「仕組みはわからないし、彼らも教えてくれないが、この技術は有効に機能している」(カミナー氏)
MMCは、0.75マイルにつきインスピエアの2つのノードを使っており、これは地域をメッシュ状にカバーするのに一般に必要とされる1平方マイル当たり25〜50ノードという数字よりも格段に少ない。
カミナー氏は、4月から同公園の一部で稼働している無料Wi-Fiサービスの使用状況を記録しているわけではないが、アンテナの変更と、干渉の問題を解消するソフトウェアの導入により、パフォーマンスが向上したと考えている。
「1マイル(約1.6km)離れたところからマッチの火が見えるようなものだ。きわめて強力であるため、だれも信じてくれない」と語るカミナー氏だが、同氏はモトローラの無線機器の販売代理業も行っており、インスピエアのキットを広く販売する計画だ。「ペンシルベニア州に、試したいという顧客がいる。うまくいかなかったら費用を返金するつもりだ」
インスピエアの大口出資者であるデビッド・ゲラー氏はこう語る。「われわれはハードウェアではなくソフトウェアの会社だ。われわれは標準の枠内で通信距離とサービス品質の向上に取り組んでいる」。だが同氏は、まだ特許を取得していない同社の技術について詳細を語ろうとしない。
現在、増幅されていないWi-Fi信号の伝送距離の世界記録は、大型ディッシュ・アンテナを使った場合の約201kmとされている。
(ピーター・ジャッジ/Techworld.com)
- インスピエア(イスラエル)
- http://www.inspiair.com/
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