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ワイヤレス技術

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[フランス]
無線ブロードバンドの“真打ち”はいまだ登場せず──ネットワーク専門家が指摘

(2006年10月12日)

 第3世代(3G)ネットワークやHSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)などの後継技術を用いた高速データ通信サービスが、複数の通信事業者から提供されているものの、真の無線ブロードバンドと言えるものはまだ登場していない──。ノーテル・ネットワークスでキャリア向けネットワーク部門欧州/中東/アフリカ担当プレジデントを務めるピーター・ニューカム氏は、10月11日にパリで開催された「Broadband World Forum」(10月9日〜12日)のパネル・ディスカッションで、上のように語り、「3Gは真のブロードバンドをまだ実現していない」との見方を示した。

 ニューコム氏は、「閲覧中のコンテンツや利用中のアプリケーションが手元のデバイスに保存されているものなのか、それとも遠隔地にあるサーバのものなのかをユーザーが判別できないくらいの速度が出ていれば、その無線ネットワークはブロードバンドだと言えよう。ADSLやケーブルといったPCの有線接続であれば、そうしたエクスペリエンスを得られるが、無線接続ではまだ難しい」と述べた。

 同氏の主張は、特に驚くべきものではない。実際にノーテルは先月、同社の3G事業をフランスのアルカテルに売却することで同意している。ノーテルは、3G市場に関してはごく一部にのみ注力し、第4世代(4G)無線ネットワーク向け機器の販売といった、より大規模な事業に着手したいと考えているのだ。

 ニューカム氏以外のパネリストも同様に、完全な“ワイヤレス・エクスペリエンス”は実現されていないという考えを示した。ノキアのマルチメディア統合製品担当バイスプレジデント、アリ・ビルタネン氏もその1人である。同氏によれば、ノキアでは、無線インターネットのあり方を根底から変える、まったく新しいデバイスが必要と考えているという。

 ビルタネン氏は、スマートフォンやPDAは生き残るだろうが、今後は携帯テレビのような高速無線サービスに特化した製品が消費者に求められるようになると指摘した。

 そのような製品の例として同氏は、Wi-Fi接続機能を備え、LinuxベースのOSを利用するノキアのインターネット・タブレット「770」や、サムスンの「Q1」などマイクロソフト製ソフトウェアをベースとする「Ultra-Mobile PC(UMPC)」を挙げた。

 ビルタネン氏はさらに、現代の若者は親の世代とは違った目でインターネットを見ており、新しい種類のデバイスに対する需要も彼らが中心となって生み出していると述べた。「通常、インターネットと言えばわれわれは自動的にPCと関連づけて考えるが、私の息子にとってインターネットとは、友人であり、音楽であり、映画やゲームである。インターネットを利用するための技術は問題にしていない」(ビルタネン氏)

 一方、4Gサービスではどのようなネットワーク技術が基盤になるかについて、ニューカム氏は、ノーテルでは3種の技術を組み合わせたものを想定していることを明らかにした。3種の技術とはすなわち、WiMAX、LTE(Long Term Evolution)、CDMA1x EV-DO Revision Cである。また同社は、複数の通信事業者が参加し、次世代高速ネットワークの要件を定義する「Next Generation Mobile Networks」プロジェクトの動向にも注目しているという。

 また、テレコム・イタリアで長期的なリサーチ活動を続けているジョバンニ・コロンボ氏は、サポート技術の進化も重要だと指摘した。通信事業者がコンテキスト情報をより有効に活用すれば、特定のユーザーが会議中であるとか、サービスにアクセスできる状態であるといったことを把握することができるというのだ。さらに、課金サービス間の互換性を確立し、バンキング・システムとの連携を実現することが、モバイル・コマースの興隆に結びつくと同氏は主張した。

 テレコム・イタリアでは、現在、同一の通信に2種のネットワークを利用する新サービスの実験が進められている。具体的には、音声をパケット交換網で送信し、プレゼンテーション資料などはIPネットワークを介して送るといったテストが行われているという。

 ビルタネン氏は、今日のモバイル・インターネットは、まだ携帯電話が普及していなかった15年前の音声電話技術と同じ段階にあると述べ、「モビリティ(移動性)こそが、インターネットにおける次の大きな波となる」との予測を示した。

(ジェームズ・ニコライ/IDG News Service パリ支局)




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