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[米国]
WiMAX製品が続々登場──“4G戦争”の幕開けか

(2006年10月16日)

 米国ボストンで先週開催された「WiMAX World Conference & Exposition 2006」(10月10日〜12日)では、昨年までとは異なり、WiMAX対応製品が実際に多数出品された。

 無線コンサルティング会社ファーポイント・グループのアナリスト、クレイグ・マチアス氏は、「今年のWiMAX Worldでは数十に及ぶ製品が披露され、WiMAXがいよいよ現実的なものになってきた」と述べている。

 こうした多数の製品の登場を背景に、WiMAX推進陣営はWiMAX Worldの基調講演やパネル・ディスカッションで、IP完全対応のデジタル・モバイル・ブロードバンド・ネットワークを構築し、携帯キャリアに対抗していく姿勢を強く打ち出していた。

 WiMAXは2つの携帯電話規格と競合している。1つは、WCDMAの標準化団体3GPP(3G Partnership Project)が提唱する「LTE(Long Term Evolution)」と呼ばれる仕様、もう1つは、3GPP2およびクアルコムの主導する「CDMA1x EV-DO Revision C」である。

 カナダのノーテル・ネットワークスでWiMAXマーケティング担当ディレクターを務めるブルース・グスタフソン氏は、「われわれは、今日の3G(第3世代)事業者がユーザーから徴収している1ビット当たり料金のわずか10分の1でサービスを提供できる。多くの事業者にとって、こうしたWiMAXの可能性はきわめて魅力的なものに映るはずだ。WiMAXベンダーがさらに低コストでさらにパフォーマンスの高い製品を提供するようになれば、携帯事業者も対応を迫られるだろう」と話した。ノーテルはWiMAX Worldで、同社初のモバイルWiMAXインフラ製品の投入計画を発表している。

 WiMAX、LTE、CDMA1xには、多数の共通項がある。第1に、いずれもIPベースであること。第2に、より効率的な無線周波数利用を可能にするOFDM(直交周波数分割多重)モジュレーション方式をサポートしていること。第3に、MIMO(Multiple Input Multiple Output)を使用して、スループットおよび通信距離を増大させていること。第4に、スマート・アンテナ技術を採用していること、などである。

 WiMAXは、固定通信向けの「802.16d」および移動通信向けの「802.16e」の2種のIEEEブロードバンド無線規格だ。2007年半ばに標準として最終承認され、フル実装が登場する見通しである802.16eでは、MIMOおよびスマート・アンテナ技術が採用され、高速に移動する乗り物内でも2方向のマルチギガビット無線通信が可能になる見込みだ。

 WiMAX推進陣営は、無線周波数の効率利用にかけてはWiMAXの右に出るものはないと自負し、WiMAXではコア・シリコンがムーアの法則の恩恵を受け、コスト・パフォーマンスが年ごとに大幅な向上を続ける点もアドバンテージとして働くとしている。

 米国インテルの元社員で、現在はWiMAXフォーラムの代表を務めるロン・レスニック氏は、「WiMAXは携帯音声通信の単なる代替ではない。3Gの音声およびデータ・サービスを補完する、第4世代(4G)サービスなのだ」と語った。

 レスニック氏はさらに、WiMAXフォーラムが、サービス・プロバイダー間における国内および国際ローミング協約を定義し、調整するためのワーキング・グループを立ち上げたことも明らかにした。同フォーラムは、こうした協約を締結する際の仲介役を担うという。WiMAXベースの4Gサービスが広く行き渡れば、利用者がプロバイダー固有の通信エリア制限に縛られることはなくなる。

 一方、ファーポイントのマチアス氏は、「WiMAXは、データ/音声通信やビデオ・ダウンロードのための優れた環境を提供するが、それはLTEも同様だ」と語る。WiMAXと3Gを比較検証するパネル・ディスカッションに参加した米国クアルコムのモバイル・ブロードバンド・マーケティング担当バイスプレジデント、ロニー・ハラルズビック氏も、自己紹介後に「撃たないでくださいね」と冗談を飛ばしながら、WiMAX陣営が抱える問題について次のように指摘した。

 「3Gの轍を踏んではならない。3Gではメリットが過度に宣伝された。ここへ来て、ようやくそうしたメリットが実現し始めたところだ。PowerPointを駆使したアピール合戦もよいが、われわれはモバイルWiMAXの標準化や製品化の具体的な動きを慎重に見守るべきではないだろうか」

 また、ハラルズビック氏は、シミュレーションや各種モデル、研究所が実施したテストを根拠にWiMAXを持ち上げるのは、独り善がりというものだと述べた。とはいえ、モバイルWiMAXを推進する動きを受け、携帯通信業界が来るべき4Gサービスへの取り組みを急がざるをえなくなっているのも、また事実であるという。「WiMAXは巨人を目覚めさせた」(ハラルズビック氏)

 クアルコム自身も、WiMAX分野における主力プレーヤーになるだろう。米国フラリオン・テクノロジーズの買収により、クアルコムは何百件ものOFDM特許を獲得するに至った。今春にはWiMAX基地局ベンダーの米国ソーマ・ネットワークスと、初めてライセンス契約をまとめた。ライセンス先はさらに増えると見られている。

(ジョン・コックス/Network World 米国版)




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