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[米国]
発表から1週間、アナリストが語る「iPhone」の現実的問題
(2007年01月15日)
1月9日にサンフランシスコで秘密のベールを脱いだ「iPhone」。リリースの興奮もすっかり冷めた今、同デバイスが抱える問題を指摘する声がアナリストから出始めている。
米国アップルのCEO(最高経営責任者)であるスティーブ・ジョブズ氏は、「Macworld Conference & Expo」で基調講演を行い、定価499ドルで販売されることになるiPhoneの驚くべき機能を紹介した。携帯音楽プレーヤ「iPod」よりも大きなディスプレイで音楽やビデオを楽しめるほか、指先でタッチするだけでスクリーンを拡大/縮小できることなどから、iPhoneは会場に詰めかけた聴衆の喝采を浴びた。
しかし、iPhoneに関しては、まだわかっていない点も多い。米国シスコシステムズが商標権を巡ってアップルを提訴したことから、製品の名称さえも正式には決まっていない。
また、iPhoneの不安要素について指摘するアナリストも少なくない。オバムのアナリストであるロジャー・エントナー氏は、iPhoneのタッチスクリーンは電話機能のほぼすべてを操作できる画期的なものだとしながらも、画面に傷が付くと正常に動作しなくなるとの懸念を示した。
ジュピター・リサーチのアナリストであるマイケル・ガーテンバーグ氏も、タッチスクリーン上の仮想キーボードに言及し、他社のスマートフォンに備わる小型の物理的なキーボードよりもすぐれているとは言えないと話している。片手で容易に扱えるのかどうかが定かではなく、多用されているガラスの部分は床に落としたときに壊れやすいからだ。
加えて、バッテリについても不安が残る。そもそもアップルは、iPhoneのバッテリをユーザー側で交換できるか否かについて何も言及していない。オバムのエントナー氏によると、一般的なGSM(Global System for Mobile Communications)携帯電話では、SIM(Subscriber Identity Module)カードの背後に充電式バッテリが格納されているという。もしもiPhoneがiPodのような密閉型端末になるのであれば、SIMカードは端末側面のスロットに挿入することになると考えられるが、この部分は汚れや破損の影響を大きく受ける。さらに、電力消費の激しいWi-Fi技術が搭載されている点から、標準搭載のバッテリでは不足が生じる可能性もある。
そのほか、iPhoneで利用可能なソフトウェアが現時点では少ないというのも、ユーザーにとっては不満の1つとなりそうだ。携帯電話サービス大手の米国シンギュラー・ワイヤレスと共同でアプリケーション開発を進めているとアップルは述べているが、当面は候補選びに手間取るというのがアナリストの一致した見方だ。
ジュピター・リサーチのガーテンバーグ氏によると、iPhone向けの「Mac OS X」は、一般的なMacで稼働する同OSで亜種であるため、アップルの協力を得ずにサードパーティ単独でソフトウェアを開発することはできないという。「電子メールに添付された『Microsoft Office』書類も開けないとしたら、深刻な欠陥だと言わざるをえない」と同氏は指摘する。
iPhoneの欠点として、3G(第3世代)携帯データ転送機能の非実装を挙げる向きも多い。アメリカン・テクノロジー・リサーチのアナリストであるアルバート・リン氏は、「低速な2.5G技術を採用しているiPhoneでは、エンターテインメント系のアプリケーションが快適に動かない可能性がある。3G技術の実装が見送られたのは、おそらくはコストの関係だろう」と話す。アップルはいずれ無線経由での「iTunes」購入サービスを始めるはずだが、その実現は3G対応iPhoneの登場まで待たねばならないだろうと、リン氏は述べている。
(ステファン・ローソン/IDG News Service サンフランシスコ支局)
- 米国アップル
- http://www.apple.com/



