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[英国]
IEEE 802.11n部会、ドラフト規格のバージョン2.0を承認──標準化へ一歩前進

(2007年01月23日)

 先週、英国ロンドンで開催されたIEEE 802.11ワーキング・グループの会議において、次世代の高速無線LAN規格「IEEE 802.11n」の次期ドラフト仕様である「バージョン1.10」が承認された。ただし、今後もいくつかの標準化プロセスを経る必要があり、最終的な規格の承認は2008年以降になりそうだ。

 現在、次期ドラフト仕様はバージョン1.10と呼ばれているが、今年1月末までに同仕様は「バージョン2.0」と“改称”される予定だ。

 IEEE 802.11nは、現在の標準であるIEEE 802.11a/b/gを大きく上回る100Mbps以上の通信速度が特徴だ(IEEE 802.11a/gの理論上の最高通信速度は56Mbps)。複数のアンテナでデータの送受信を行うMIMO(Multiple Input Multiple Output)技術を使用し、通信速度だけでなく、通信距離も現行の1.5倍と増長される。

 今回のドラフト承認までには、IEEEの加盟メンバーがそれぞれの持論を展開し、激論が交わされていた。今回の会議に出席した米国アセロス・コミュニケーションズのCTO(最高技術責任者)であるビル・マクファーランド氏によると、以前は次期バージョンの内容に異議を唱えていたメンバーも、バージョン1.10(2.0)の内容には満足し、満場一致で承認されたという。

 バージョン2.0で大きく変更された点は、40MHzチャネルを採用したことである。これは20MHzチャネルを2つ使用する方式で、IEEE 802.11n対応のデバイスが通信を行う前に周囲の環境をスキャンし、広帯域で信号を受信していない既存デバイスを発見した場合には、40MHzチャネルではなく、20MHzチャネルを1つだけ用いてデータを送信するというものだ。これによりスループットの低下が懸念されるが、MIMO技術により、IEEE 802.11n対応のデバイスのパフォーマンスが低下することはないという。

 すでにアセロス・コミュニケーションズや米国インテル、米国アップルなどは、IEEE 802.11nのドラフト仕様に準拠した製品を販売している。マクファーランド氏は、これらの製品はファームウェアのアップデートだけでバージョン2.0に対応できるという見解を示した。

 標準化まであと一歩となったIEEE 802.11nだが、最終的な承認までにはいくつかのプロセスを経る必要がある。

 バージョン2.0は今後、今年1月末までにIEEEのメンバー全員に配布され、承認するかどうかの票決が行われる。バージョン2.0の承認に対する投票は3月末に終了する予定で、5月末までには寄せられた意見を反映し、修正された新バージョンである「バージョン3.0」の準備が整う見通しだ。

 修正されたバージョン3.0は、ワーキンググループ・メンバーの75%を超える承認票が得られるまで、一連の修正と票決が繰り返される。75%以上のメンバーからの承認が得られれば、規格の技術仕様は事実上決定したことになる。

 マクファーランド氏によると、バージョン3.0がスムーズに承認された場合、2008年1月までにスポンサー・レベルの投票が実施される。ただし、スポンサー・レベルの投票は、実施から終了までにかなりの時間を要すると見られており、最終的な規格承認日は2008年10月ごろになる見通しだという。

(エフライム・シュワルツ/InfoWorld オンライン米国版)




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