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[米国]
イリジウム・サテライト、次世代衛星の打ち上げを計画

「Iridium Next」プロジェクトに20億ドル以上を投入へ

(2007年02月20日)

 破産に追い込まれたモトローラ子会社の衛星携帯電話ネットワークを復活させたイリジウム・サテライトが、次世代衛星の打ち上げ計画を進めている。この衛星を活用すれば、地球環境を継続的に監視したり、地球の写真を撮影したりすることも可能になるという。

 イリジウムは1998年に、南極や北極を含む地上のあらゆる場所で通話ができる携帯電話サービスを企業幹部などに提供する企業として設立された。しかし、高額な通話料金と使い勝手の悪い端末が事業の足かせとなり、同社の携帯電話ネットワークは財政難に陥ってしまう。

 同社を2000年に買い取ったイリジウム・サテライトは、「従来の技術を継承しながら、政府機関や運輸・航空業界にデータ通信および音声サービスを販売することで大きな成功を収めた」と、イリジウム・サテライトの会長兼CEOであるマット・デッシュ氏はその取り組みを誇らしげに語る。

 同社は、ワシントンD.C.で開催中の「Satellite 2007」コンファレンス(2月19日〜22日)において、衛星の「星座」とも言われる次世代ネットワークを構築する「Iridium Next」プロジェクトを発表する予定だ。

 今後2年をかけて、イリジウム・サテライトは技術開発やパートナーの獲得、資金調達に取り組むという。システムの構築および展開に要するコストは20億ドル以上と見積もられており、2016年までにサービスを本稼働させる計画だ。

 デッシュ氏は将来的に提供されるサービスとして、環境モニタリング、地表撮影、現在のGPS(Global Positioning System)を補完する地理測定システムなどを挙げている。

 イリジウム・サテライトが現在運用しているシステムは、メッシュ・ネットワークを形成する66基の衛星によって成り立っており、基本的な通信速度は2.4Kbpsと低速であるものの、音声通話、電子メール、船舶の位置情報などのデータ交換、といった機能を備えている。次世代衛星プロジェクトがスタートすれば、通信速度は10Mbpsまで向上し、広帯域データ通信も可能になるとデッシュ氏は強調する。

 新衛星が全世界の気温や潮位といった環境情報を常時監視し、継続的に写真を撮影することで、企業や消費者は、地上の至る所に存在する施設もしくは住居の様子を確認できるようになるという。新衛星の機能とGPSを連携させれば、任意の位置をフィート単位あるいはインチ単位で正確に割り出すことも可能だ。

 イリジウム・サテライトでは、次世代システムを完全なIPベースにすることにより、同社にとって新技術を活用しやすいように、顧客企業にとっては既存のアプリケーションに新サービスを統合しやすくするようにしたい考えだ。

 現時点では、携帯端末よりもデータ・モデムを多く販売している同社だが、次世代ネットワークの構築後はモデムをチップ並みのサイズにまで縮小し、さまざまなデバイスに組み込んでいく方針という。

 現在の衛星は、2014年から耐用年数の限界に達し始めると見られており、Iridium Nextへの移行を順次進めていくことになると、デッシュ氏は説明した。

 イリジウム・サテライトは新ネットワークへのアクセスを同社パートナーに提供し、各社がこれを再販する。エンドユーザーが音声通話サービスに支払う料金は毎分0.80〜1.50ドル程度になる見通しで、データ通信料金は原則的にパケット使用量に応じて決まる。同社のモデムはおよそ300ドル、携帯端末は1,200ドルからとなるという。

(スティーブン・ローソン/IDG News Service サンフランシスコ支局)




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