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[フィンランド]
ノキア、チップセットの開発体制を縮小――スタッフの半数はSTに移籍へ

モデム技術をチップセット・メーカーにライセンス

(2007年08月09日)

 フィンランドの携帯電話メーカー、ノキアは8月8日、一部チップセットの開発を停止し、他のチップセット・メーカーの製品を使用する方針を明らかにした。

 ノキアのコミュニケーション担当責任者、アージャ・スオミネン氏によると、この戦略変更に伴い、チップセットの開発を担当しているグループのスタッフ400人の半数が、スイスのSTマイクロエレクトロニクス(チップ供給元の1社)に移籍することになるという。STは、3G(第3世代)テクノロジーに対応するチップセットをノキアに供給する予定だ。

 残る200人のスタッフについては、モデムやプロトコル技術のほか、各種サービスやアプリケーションの開発にも携わる予定だが、ノキアの研究開発部門全体として見ると、その比重はきわめて小さい。なお、このグループの研究成果がチップセット・メーカーにライセンスされる可能性もあるという。

 スオミネン氏は、チップセットを大量に調達することで経費節減につながるとの見通しを示している。

 ノキアの技術プラットフォーム担当エグゼクティブ・バイスプレジデント、ニクラス・サバンダー氏は、自社のモデム技術(チップセットの通信センターとして機能し、通話品質などの面を左右する)を、価値の高い資産の1つと位置づけている。

 同氏は、アナリストやジャーナリストとの電話会見で、「この技術は、われわれが成功を収めるうえで、きわめて重要な役割を果たしている」と語った。

 ノキアは、モデム技術をライセンスすることにより、チップセット・メーカーが独自にモデムやプロトコル・スタックを開発する必要がなくなり、他の分野に投資を振り向けることができると考えている。

 サバンダー氏によると、STとの提携によりノキアが受け取るライセンス収入の総額は、STが他のベンダーにどれだけチップセットを販売できるかにかかっているという。

 ノキアの携帯電話で使用される各種チップの主な供給元は、今後も引き続きテキサス・インスツルメンツになる予定だ。しかしノキアは、ブロードコムからもEDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)技術を搭載したチップの供給を受けるほか、今年初めには、GSM(Global System for Mobile Communications)チップの供給元としてドイツのインフォニオン・テクノロジーを選定した。

 ノキアは、これまでもブロードコムからチップの供給を受けていたが、最近結んだ契約ではEDGEネットワークに重点を置いている。ブロードコム・モバイル・プラットフォームズ・グループのシニア・バイスプレジデント兼ゼネラル・マネジャー、ヨッシー・コーエン氏は、「今後は、EDGEが携帯電話市場全体の中できわめて大きな部分を占める」と語っている。ノキアとの提携は、この種のチップでブロードコムが締結した初めてのものだ。

 ブロードコムは、65nm(ナノメートル)プロセスを使って製造した低消費電力のチップセットをノキアに供給する予定だ。コーエン氏によると、このチップセットは、H.264ビデオ圧縮機能をサポートし、PCとの間で最大480MbpsのUSB接続を実現するという。またブロードコムは、照明制御や各種サブシステムへの電力分配機能をサポートする別の電力管理チップも供給する予定だ。

 コーエン氏は、これらのチップを使った携帯電話が2008年下半期に出荷されるとの見通しを示しているが、ノキアのスオミネン氏は現時点では未定だとしている。

 チップセット開発戦略の変更が携帯電話の低価格化につながるかどうかという点も、現時点では不明だ。チップセットは、あくまで携帯電話の部品の1つであり、価格に影響を与える複数の要因の1つにすぎないからだ。スオミネン氏は、「周知のとおり、この市場は競争が激しく、(携帯電話の)平均的な販売価格も下がり続けているため、われわれとしてもライバルたちの動向に注意する必要がある」と語っている。

(ジェレミー・カーク/IDG News Service ロンドン支局)




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