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[米国]
「ネット技術の停滞が経済損失を生む」――大学の研究者が警鐘
YouTube時代に大きく遅れを取るインターネット基盤技術
(2007年08月31日)
インターネット基盤は、YouTubeや電子メール、無線アクセスの需要に対応するために大規模な投資を必要としていると、大学の研究者が指摘している。
南カリフォルニア大学(USC)アネンバーグ・コミュニケーション・センター上級研究員を務めるカリフォルニア大学サンディエゴ校のマイケル・クリーマン教授が最近発表した報告書には、「トラフィックが増大するインターネットの現状を、高速道路に例えるなら、すべての自動車オーナーがこぞってマイカーの車の代わりに巨大な20車輪トラックを使い始めたようなものだ」と記されている。
| 南カリフォルニア大学(USC)アネンバーグ・コミュニケーション・センター上級研究員を務めるマイケル・クリーマン教授 |
クリーマン氏は『Point of Disconnect(切断点)』と題した報告書の中で、米国ではネットワーク回線の大幅な増強を必要としているが、ネットワーク事業者の投資努力にもかかわらず、需要を十分に満たすには至っていないと訴える。
同報告書は、「YouTubeサイトに日々アップロードされる新規ビデオの本数が2006年初めの2万本から今年初めには6万5,000本に急増しており、1分間のビデオは音声電話の10倍の帯域幅を必要とする」とし、大容量ビデオ・ファイルに効率的な圧縮技術を適用することによりネットワークのトラフィックを減らすことを提唱している。
1990年代の草創期のインターネットは、電子メールの送信やファイル転送を行う人々で構成されていたため、ネットワークの帯域幅は大きな懸案事項にはならなかった。また初期はダイアルアップ接続が主流であったこともあり、人々はWebページのダウンロードの遅さを受け入れていたという。
しかし今やインターネットは、Webアクセスや電子メール配信だけでなく、音声通話やビデオ/音楽配信など、膨大なビット数の情報を搬送するサービスを担うようになってきており、ハイウェイを拡張する必要に迫られている。
同報告書はネットワーク・トラフィックの中から「優先すべき」トラフィックを効率的に「選別」することを提唱している。例えば、音声通話のパケットは電子メールより優先される必要がある。通話はネットワークの遅延によって中断してはならないが、電子メールは数秒遅れて届いても支障がないからだ。
クリーマン氏は、「このままネットワーク回線を増強しなければ、大きな経済的な損失を生む可能性がある」と警告する。ネットワークを遅いままで放置しておくと、消費者が音楽のダウンロードやオンライン・ショッピング、Webベースの広告閲覧を行う可能性を閉ざしてしまうことにもなりかねないからだ。
「高品質な帯域幅が手ごろな価格で十分供給されるよう保証しなければ、現在と将来のビジネス・モデルの多くが頓挫し、経済成長とインターネット分野での米国の競争力に深刻な影響が出る」(クリーマン氏)
(ロバート・マリンズ/IDG News Service サンフランシスコ支局)
- 南カリフォルニア大学(USC)アネンバーグ・コミュニケーション・センター
- http://www.annenberg.edu/



