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[フィンランド/米国]
ノキア、デジタル地図データ大手のナヴテックを81億ドルで買収

地図サービス市場の拡大に備え、マイクロソフトやグーグルに先手

(2007年10月02日)

 フィンランドの携帯電話メーカー、ノキアは10月1日、デジタル地図データ・ベンダーの米国ナヴテックを81億ドルで買収すると発表した。ノキアの携帯デバイスにGPSナビゲーション機能を追加する計画の一環だとしている。

 ナヴテックは、「マップクエスト」をはじめとするオンライン地図サービスのプロバイダーで、デジタル地図業界では有力企業の1社に数えられるベンダーだ。ナヴテックの顧客には、米国ガーミンや米国マゼラン・ナビゲーションといったGPSナビゲーション・システム企業が含まれている。

 ナヴテック最大のライバルは、現在ノキアに地図サービスを提供しているオランダのテレアトラスである。ただし、テレアトラスは、オランダの大手カーナビゲーション・ベンダーであるトムトムから買収提案を受けている。トムトムは現地時間の2日、テレアトラスに対し正式に買収を打診する予定だ。

 英国のITリサーチ企業キャナリスのアナリスト、クリス・ジョーンズ氏によると、トムトムはテレアトラス買収後も地図サービスを提供し続けるとしている。だが、この買収が、ノキアをはじめとするテレアトラスの顧客にどう影響するかは未知数だ。「ノキアはナヴテックを買収することで、同社が必要とするデジタル地図サービスを確保したのだ」とジョーンズ氏は言う。

 ナヴテックの獲得は、ノキアにとってこれまでで最大規模の取り引きだ。ノキアはナヴテックの1カ月前の株価から34%の割増となる、1株当たり現金78ドルでナヴテック株を買い取るという。したがって、買収総額は現金81億ドル、もしくは77億ドルにナヴテックの現金資産を加えた額となる。

 ノキアの発表によると、今後は規制当局およびナヴテック株主の承認プロセスを経て、2008年第1四半期に買収が成立する見込みだ。

 GPS機能を携帯電話戦略の中心に置くノキアにとって、地図サービスはきわめて重要だ。同社は今年初頭、内蔵GPSによるナビゲーション・システムを搭載した初の携帯電話「N95」を欧州およびアジア地域で発売した。今後は下位機種にも同様のGPS機能を搭載すると見られている。

 ノキアはナヴテック買収後も同社の顧客に引き続きサービスを提供する。また、携帯電話を利用するユーザーに交通情報やレストラン情報などを提供できるよう、地域ごとのニーズに合わせたサービスを拡充する予定だという。

 「今回の買収は、他社に先を越される前にナヴテックを獲得しようというノキアの“守備固め”に見える」とジョーンズ氏は語る。このところマイクロソフトやヤフー、グーグルが地図サービスを拡大する動きを見せており、各企業がナヴテックを買収する可能性は十分にあったと同氏は説明する。

 「ナビゲーション・システム市場での利益のほとんどは、現在はトムトムやガーミンといったGPSデバイス・ベンダーが独占している。しかし地図データにはまだまだ大きな価値があると思う」(ジョーンズ氏)

 デジタル地図業界をリードするナヴテックとテレアトラスの今年4月-6月期の決算報告を比較すると、ナヴテックは売上高が2億230万ドル(前年同期比49%増)で純利益が4,090万ドルだった。これに対し、テレアトラスは売上高が前年同期比21%増の7,200万ユーロ(1億300万ドル)だったものの、120万ユーロの損益を出している。

 ジョーンズ氏は、テレアトラスまでもが買収されたとしても、消費者にとって決して悪いニュースではないと語る。「地図サービスが多少値上げされる可能性はあるが、GPS内蔵デバイスの価格が下がっているため相殺されるだろう」(同氏)

(ジェームズ・ニコライ/IDG News Service パリ支局)




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