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ワイヤレス技術

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[米国]
シスコ、WiMAXの先駆的ベンダーを買収へ

「ネットワーク業界の勢力図が一変する」と専門家

(2007年10月24日)

 米国シスコシステムズは先ごろ、WiMAX無線機器ベンダーのナビニ・ネットワークスを3億3,000万ドルで買収する契約にサインした。この契約により、シスコはWiMAX基地局とモデムの製品ラインに加え、70に上るナビニの顧客をまるごと手に入れることになる。

 ナビニは、モバイルWiMAX基地局の「RipWave MX」製品ラインや、顧客宅内装置、アダプタを開発・販売するベンダー。WiMAX無線波をシェーピングすることで伝送距離と品質を高める「ビーム・フォーミング技術」を所有することでも知られる。

 シスコは固定WiMAXとモバイルWiMAXの双方に対して、ナビニの製品群を同社のWi-Fi屋外ノードおよびメッシュ・デバイスとともにパッケージ化する計画。シスコの幹部によると、目標は世界中の通信基盤に廉価な無線ブロードバンド・アクセスを提供することだという。

 この買収劇は、シスコが2005年にWi-Fiスイッチのパイオニアである米国エアスペースを買収したケースに類似する(関連記事)。エアスペースの製品は、屋内外を問わず、今やシスコの無線LAN向けWi-Fi製品に不可欠な存在となっただけでなく、同社がエンタープライズ向けの無線LAN市場を独占するうえでも大きく貢献した。

 市場調査会社インスタットのネットワーキング・グループ担当シニア・アナリスト、ダリル・スクーラー氏は「シスコがナビニを買収したことで、ネットワーク業界の勢力図は一変するだろう」と語る。

 「ITU(国際電気通信連合)が先ごろ、WiMAXを3G(第3世代)規格として承認した(関連記事)。そして今度は世界最大級のネットワーク・ベンダーがWiMAX技術とそのビジネス・モデルに本腰を入れ始めた。今回の買収は、アルカテル・ルーセントやノーテルといった業界大手にも大きな競争圧力を与えるものだ。こうしたベンダーがナビニに対抗して大規模展開することもありうるし、また反シスコの機運が高まることも考えられる」(スクーラー氏)

 シスコにとってのメリットは、モバイルWiMAXの先駆けとして知られるネットワーク機器ベンダーを手中に収めることで、この市場にすぐにでも参入できることだ。また、両社の製品ラインに重複するものがない点も良い、とスクーラー氏は付け加える。

 ABIリサーチのWiMAX担当アナリスト、フィル・ソリス氏は、ナビニがモバイルWiMAX専業であることは、シスコが幅広い顧客に対応するうえで適していると指摘する。

 「モバイルWiMAXはIPベースのフラットなネットワークを使うことから、ワイヤレスの部分だけでなく、ネットワーク全体のレイテンシを低減する。シスコは、今後数年で多種多様なデバイスにWiMAXを組み込めるようになり、また高速なデータ転送速度と低レイテンシという特徴から、WiMAXがネットワーキングの世界で大きな役割を果たすと見込んでいる」(ソリス氏)

 実際のところ、WiMAX市場がどれだけ拡大するかは未知数だが、WiMAX市場がWi-Fi市場と異なるのは、主役が小規模ベンダーではなく、モトローラやノキアなどの巨大ベンダーである点だ。また、米国のWiMAXネットワーク市場は、スプリントとクリアワイヤが数十億ドルを投資して牽引している。シスコのナビニ買収もこれらを考慮してのことだ。

 しかし、シスコはWiMAXそのものがシスコにとって次の10億ドル市場になるとは考えていないようだ。

 同社のモビリティ・ワイヤレス部門担当バイスプレジデント兼ゼネラル・マネジャー、ラリー・ラング氏によると、今回の買収は、急成長を遂げている新興市場に参入するための足がかりになるという。「WiMAXは新興市場がさらに成長していくための触媒だ。これら市場の成長率は35〜45%になると見込んでいる」(同氏)

 一方、インスタットのスクーラー氏は、WiMAXがWi-Fiメッシュの補完的役割を果たすとするシスコの見方には懐疑的だ。「これはWi-Fiメッシュにとって悪い兆候だ。シスコはWi-Fiメッシュ市場でも大手だが、WiMAXはメッシュの成長にマイナスの影響を及ぼすだろう」とスクーラー氏は警告している。

 なお、シスコによるナビニの買収は2007年度中に完了する見通しだ。

(ジョン・コックス/Network Worldオンライン米国版)




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