【 ここから本文 】

セキュリティ・マネジメント

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


セキュリティ・マネジメント

[米国]
バンキング利用者の情報を奪う巧妙な攻撃が発覚──フロリダの3銀行が被害に

(2006年03月29日)

 フロリダの3つの地方銀行で、正規のWebサイトにアクセスしたインターネット・バンキング利用者の個人情報が奪われるという事件が発覚した。セキュリティ専門家らは、こうしたタイプの攻撃が確認されたのは初めだとし、警戒を呼びかけている。

 今年3月初頭に、3行のWebサイトをホスティングしているインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)が運用するサーバに複数の攻撃者が侵入し、利用者の個人情報を詐取していたことが明らかになった。

 フロリダ法執行機関のコンピュータ犯罪センターで特別捜査官の指揮を執るボブ・ブリーデン氏によると、攻撃者は正規のWebサイトが送出したトラフィックを、同銀行のサイトに似せて作製したサイトのサーバに転送していたという。

 偽のサイトに誘導されたバンキング利用者は、クレジットカードの番号やPIN(Personal Identification Numbers:個人認証番号)などの機密情報を入力するように求められたという。

 ブリーデン氏は、攻撃を受けたのはプレミア銀行、ワクーラ銀行、キャピタルシティ銀行の3行。いずれもフロリダの小規模な地方銀行である。

 今回の攻撃は、オンライン・コマース・サイトを対象とする点では一般的なフィッシング攻撃に似ているが、正規のWebサイトがクラッカーによって改竄されたという点が異なる。普通の利用者がそうした詐欺行為を見破るのはきわめて困難だ。

 通常のフィッシング攻撃では、ユーザー自身に偽のWebリンクをクリックさせる必要があるが、今回の攻撃は、問題の銀行の正しいURLを入力したユーザーが攻撃対象となった。

 ブリーデン氏は、これまでに同様の手法が用いられたことはなく、きわめて悪質だと強調したうえで、「根本的な解決策を早急に見つけるとともに、使い慣れたオンライン・バンキング・サイトを閲覧する際にも、十分な注意を払わなければならないことを利用者に周知徹底する必要がある」と述べている。

 攻撃が行われたのは「ごくわずかな時間」であり、被害にあったバンキング利用者も20名を下回ったとされているが、この手法は機密性の高い情報を盗み出すという点できわめて巧妙だったと、ブリーデン氏は指摘している。

 3行が利用していたISPは、フロリダ州タラハシーに本拠を置くエレクトロネット・インターメディア・コンサルティングである。同社は、消費者のデータを自ら保管していないとし、クラッカーが取得した情報は被害者から直接詐取したものではないかと説明している。

 エレクトロネットによると、同社と被害にあった銀行の協力の下、フロリダ法執行機関が今回の犯罪の捜査を進めているという。同社は、攻撃を検知してから1時間以内にクラッキング行為を阻止したとしているが、攻撃が始まったのがいつで、発見までにどれだけの時間を要したかについては明らかにされていない。

 インターネット・リサーチ企業のネットクラフトでアナリストを務めるリッチ・ミラー氏は、フィッシング攻撃を駆使して大規模な金融機関を狙うというのが従来の一般的な犯罪の手口だったが、最近では、小規模な地方銀行や食品チェーンを標的としたフィッシング攻撃が見られるようになってきたと指摘する。

 今回の攻撃の被害にあったフロリダの地方銀行のような小規模な金融機関は、特に狙われやすいという。「大銀行の場合は、自らのサイトを保護するために、多くのリソースをつぎ込むことができるが、地方銀行はそのような対策は難しい」(ミラー氏)

 ブリーデン氏と同様に、ミラー氏もこうした攻撃は今まで見たことがないと話している。

 この件に関して、3行からコメントは得られなかった。ただし、プレミア銀行については、フィッシング詐欺の発生を受けて、顧客にパスワードを変更するようWebページ上で呼びかけている。

(ロバート・マクミラン/IDG News Service サンフランシスコ支局)




関連記事

▲ページの先頭へ戻る


ホワイトペーパー

「UTM」実践導入ガイド

「UTM」実践導入ガイド

巧妙化するあらゆる攻撃からネットワークを守る

プロダクト・フォーカス

日立製作所

データを安全に長期保管し、さらなる活用を促す――日立の「Hitachi Content Archive Platform」

コンプライアンス/内部統制時代のニーズに応えるコンテンツ・アーカイブ・ストレージ

セキュリティ・インサイト

既存メール環境の変更なしに導入可能な“透過型”スパム対策アプローチの実力

CATV統括運営会社に見る「マトリックススキャンAPEX」導入事例

McAfee SafeBootでの実績を土台にマカフィー製品を本格展開するマクニカネットワークス

マカフィーによる旧セーフブート社買収のシナジー効果を存分に生かす

企業の成長をサポートするサンのセキュリティソリューション

ビジネスのパフォーマンスは安全で積極的な情報活用から

企業に「安心・安全」を供給する日立ソフトの情報セキュリティ

「秘文」から「WriteShield」まで、一貫する情報セキュリティコンセプトとは

ビジネスを活性化するNECソフトのコミュニケーションセキュリティ

情報の堅ろうな保護と自由な共有を同時に実現

拡大するバラクーダネットワークスのセキュリティアプライアンス戦略

スパムメール対策からロードバランサ、Webアプリケーション保護まで

キャッチアップ

脳の活性化でパスワード記憶力を最大化――脳科学を駆使した英数字記憶術

テクノロジーに頼る前にみずからの記憶力を最大化する

CAPTCHA認証は“終わった”技術なのか――有効性を疑問視する専門家たち

スパム・メールだけではない、CAPTCHAクラッキングの弊害

「Google Gadgetsを悪用すれば、マルウェアを強制インストールできる」――専門家が警鐘

パスワードの盗難や検索履歴が読み取られるおそれも

iPhone 3Gはビジネスでは使えない?――アナリストらがセキュリティ面を懸念

「ファイアウォールにも暗号化機能にも対応していない」

企業を危うくするセキュリティ[NG]集

ささいなミスも命取りに――10の「やってはいけないこと」

社員のアクセス管理は「無法状態」――組織の分散化が原因?

「アクセス権に関する責任の所在は特定が困難で、検討機会もない」

Windows Vistaのセキュリティを検証する

UAC、BitLockerなど主要強化点の実用度をチェック

情報漏洩に備える――ダメージを抑えるための心得7カ条

セキュリティ責任者が実践すべきこと、すべきでないこと

定番化した「画像スパム」と迷惑メールの最新の手口

風説の流布による株価操作といった犯罪化が顕著な傾向

データ漏洩・盗難対策を“完璧”に近づける「マルチレベル暗号化」のすすめ

ライフサイクル全般にわたるデータ保護を実現する

ソーシャル・メディアのセキュリティ・リスク

ブログ、Wiki、SNS、ビデオ共有……便利だが危険と隣り合わせのWeb 2.0

キーパーソン

「データ・シャッフリング」とは何か――開発者が説く新データ・マスキング技術

実際のリスクとのずれを生む一方で、過度の恐怖を軽減する効果もあり

トレンドマイクロCEOのチェン氏、渦中の対バラクーダ訴訟について弁明

実際のリスクとのずれを生む一方で、過度の恐怖を軽減する効果もあり

“元ホワイトハウスCSO”ハワード・シュミット氏が語る「今、ここにあるセキュリティ危機」

プライバシーとセキュリティのバランス/RFIDパスポートの問題点/企業によるITワーカーの素行調査……

ブルース・シュナイアー氏が語る「セキュリティ・シアター」の功罪

実際のリスクとのずれを生む一方で、過度の恐怖を軽減する効果もあり

「アイデンティティ/アクセス管理(IAM)は“焦らず、あきらめず”」――CAのガーディナー氏

CA幹部が語る、IAMプロジェクトの“正しい”進め方

「ITリスク管理の高度な専門性」が好調の要因――シマンテック幹部

グローバルサービス部門のヒューズ氏に聞く同社の取り組みと今日のセキュリティ問題

マカフィーにとって「マイクロソフトは味方、シマンテックは敵」

エンタープライズ市場に注力するマカフィーの新CEOが言明

マイクロソフトはもはや“セキュリティ後進企業”ではない!

「TwC(信頼できるコンピューティング)」担当副社長、セキュリティ強化戦略の“今”を語る

シマンテックのCEO、セキュリティ技術/市場の未来を示す

「いま、セキュリティのパラダイム・シフトが起きている」

セキュリティ連載

サイバー・セキュリティ[罪と罰]

サイバー・セキュリティ[罪と罰](全4回)

最新クラッキングの脅威を知り、みずからの身を守る

エンドポイント・セキュリティ対策の勘所

エンドポイント・セキュリティ対策の勘所(全2回)

クライアント環境を襲う各種の脅威に立ち向かう

情報漏洩100%対策

情報漏洩100%対策(全7回)

あらゆるリスク、ケースを徹底検証

プロアクティブ・セキュリティ

プロアクティブ・セキュリティ(全14回)

見えない敵に先手を打つ

Weekly Ranking

集計期間:11/25〜12/01



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国