【 ここから本文 】

セキュリティ・マネジメント

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


セキュリティ・マネジメント

[米国]
「凶悪化するスパイウェアに法的な措置を!」──IT関係者が悲痛な訴え

【Black Hat USA 2006 リポート】

(2006年08月04日)

 スパイウェアが多くのコンピュータ・ユーザーの悩みの種となっていることを受け、一部の専門家やIT関係者は、スパイウェア配布者に禁固刑を含む厳罰を科すなどの抜本的な対策が必要だと訴えている。

 米国のラスベガスで8月2日に開かれたセキュリティ・コンファレンス「Black Hat Briefings」のパネル・ディスカッションでは、スピーカーらが、セキュリティ対策ベンダーはスパイウェア対策に手を焼いており、抜本的な対策が必要になっていると強調した。

 「スパイウェアを阻止することは技術的に実現不可能だ」と危機感を募らせるのは、独立系セキュリティ・コンサルタントのダン・カミンスキー氏だ。

 同氏は、「スパイウェアに感染したために膨大なPCが処分されたり、修復に出されたり、買い替えられたりしている。その被害額は莫大な規模に上る。それにもかかわらず、だれも刑務所に送られておらず、訴えられてもいない」と、怒りをあらわにする。

 スパイウェア対策ベンダーのウェブルート・ソフトウェアは最近の調査報告で、スパイウェアの増加が続いていると警鐘を鳴らす。同社は3月から6月までの間に、スパイウェアが仕込まれた新しいWebサイトを10万カ所以上発見したという。

 同社が2004年1月に調査を始めて以来、それまでに発見したそうしたサイトは42万7,000カ所に上るという。ちなみに、同調査は特別なチューニングが施された検索エンジンを使って行われており、ウェブルートのCTO、ジェラード・エシェルベック氏は、これを「スパイウェア用のGoogle」と呼んでいる。

 エシェルベック氏は、「ウイルスの追跡はとても簡単で、センサを見張っていればよいが、スパイウェアを追うのは非常に大変だ。スパイウェアは毎日、毎時間のように変わるので、神経を張り詰めて追跡しなければならない」と説明する。

 ウェブルートによると、企業が所有するPCを含むすべてのPCのうち31%がトロイの木馬に感染している。企業内の感染PCは1台当たり平均1.3個のトロイの木馬を含んでいるという。

 東海岸の金融サービス会社の情報セキュリティ・マネジャー、パメラ・ファスコ氏は、同氏のチームはスパイウェア感染への対応に毎日追われていると語った。最悪だったスパイウェア・インシデントでは、「スパイウェアが猛烈な速さで増殖し、20秒でわれわれのMicrosoft Exchangeシステムをダウンさせそうになった」という。

 このインシデントは、ファスコ氏が包括的なスパイウェア対策を実施していたにもかかわらず発生した。同氏が実施していた対策は、マカフィーとSPIダイナミクスのスパイウェア対策技術の利用、定期的なPC監査、グローバル・アラート・システムの利用、PCのフル・アクセスを必要としない従業員に対するPCの使用の制限、ライブ・デモやWebビデオを通じた教育プログラムの実施などだ。

 カミンスキー氏は、企業は、DNSのログを注意深く監視するなどの対策も講じなければならないと指摘する。

 また、ウォルト・ディズニーのシニア・セキュリティ・ストラテジスト、ドルー・マネス氏は、ITヘルプデスク担当者をトレーニングすることによって、動作が異常に遅いPCがスパイウェアに感染しているかどうかを診断するようにすることが効果的だと推奨した。

 コンティネンタル航空のCISO(最高情報セキュリティ責任者)、アンドレ・ゴールド氏は、社内のコンピュータに害を与えているマルウェアのうち80%がスパイウェアだと指摘する。同氏のチームは日常的に、ハードドライブをフォーマットしてOSとソフトウェアを完全にインストールし直すことで、スパイウェアによって障害が発生したPCを修復しているという。

 スパイウェアが猛威を振るう一方で、アドウェアは勢いが弱まっているようだ。現在、企業内のPCには1台当たり平均2.8個のアドウェアがインストールされており、これは2005年秋の3.9個よりも減少しているという。

 比較的被害の少ないアドウェアと、より悪質なスパイウェアの違いを明確に区別・認識できる人は多くない。カミンスキー氏は、両者の境界があいまいなことが、スパイウェア対策をさらに困難にしていると指摘する。

 同氏は、法律によって、スパイウェアやアドウェアを配布しようとする者に対するペナルティを明確に規定する必要があると強調した。例えば、「広告は、ユーザーが簡単なマウス操作(右クリックなど)で10秒以内に削除できなければならず、そうでないものはスパイウェアと見なされる」といったことを法律で定めるべきだというのが同氏の意見だ。「だれでも灰色である間は、刑務所に入れることはできない」

 ファスコ氏も、現在の法律では、スパイウェアを根本的に阻止することは不可能だと力説した。一方、ゴールド氏は、スパイウェア感染の被害にあった企業が、政府機関への情報提供に消極的なことも問題だと指摘している。

 「企業にしてみれば、データを提供すれば、助けてもらえるかもしれないが、社内管理の不備によって法的責任を問われるおそれもある。これは究極のジレンマだ」(ゴールド氏)

「Black Hat Briefings」のサイト
http://www.blackhat.com/html/bh-link/briefings.html

(エリック・レイ/Computerworld オンライン米国版)




関連記事

▲ページの先頭へ戻る


ホワイトペーパー

「UTM」実践導入ガイド

「UTM」実践導入ガイド

巧妙化するあらゆる攻撃からネットワークを守る

プロダクト・フォーカス

日立製作所

データを安全に長期保管し、さらなる活用を促す――日立の「Hitachi Content Archive Platform」

コンプライアンス/内部統制時代のニーズに応えるコンテンツ・アーカイブ・ストレージ

セキュリティ・インサイト

既存メール環境の変更なしに導入可能な“透過型”スパム対策アプローチの実力

CATV統括運営会社に見る「マトリックススキャンAPEX」導入事例

McAfee SafeBootでの実績を土台にマカフィー製品を本格展開するマクニカネットワークス

マカフィーによる旧セーフブート社買収のシナジー効果を存分に生かす

企業の成長をサポートするサンのセキュリティソリューション

ビジネスのパフォーマンスは安全で積極的な情報活用から

企業に「安心・安全」を供給する日立ソフトの情報セキュリティ

「秘文」から「WriteShield」まで、一貫する情報セキュリティコンセプトとは

ビジネスを活性化するNECソフトのコミュニケーションセキュリティ

情報の堅ろうな保護と自由な共有を同時に実現

拡大するバラクーダネットワークスのセキュリティアプライアンス戦略

スパムメール対策からロードバランサ、Webアプリケーション保護まで

キャッチアップ

脳の活性化でパスワード記憶力を最大化――脳科学を駆使した英数字記憶術

テクノロジーに頼る前にみずからの記憶力を最大化する

CAPTCHA認証は“終わった”技術なのか――有効性を疑問視する専門家たち

スパム・メールだけではない、CAPTCHAクラッキングの弊害

「Google Gadgetsを悪用すれば、マルウェアを強制インストールできる」――専門家が警鐘

パスワードの盗難や検索履歴が読み取られるおそれも

iPhone 3Gはビジネスでは使えない?――アナリストらがセキュリティ面を懸念

「ファイアウォールにも暗号化機能にも対応していない」

企業を危うくするセキュリティ[NG]集

ささいなミスも命取りに――10の「やってはいけないこと」

社員のアクセス管理は「無法状態」――組織の分散化が原因?

「アクセス権に関する責任の所在は特定が困難で、検討機会もない」

Windows Vistaのセキュリティを検証する

UAC、BitLockerなど主要強化点の実用度をチェック

情報漏洩に備える――ダメージを抑えるための心得7カ条

セキュリティ責任者が実践すべきこと、すべきでないこと

定番化した「画像スパム」と迷惑メールの最新の手口

風説の流布による株価操作といった犯罪化が顕著な傾向

データ漏洩・盗難対策を“完璧”に近づける「マルチレベル暗号化」のすすめ

ライフサイクル全般にわたるデータ保護を実現する

ソーシャル・メディアのセキュリティ・リスク

ブログ、Wiki、SNS、ビデオ共有……便利だが危険と隣り合わせのWeb 2.0

キーパーソン

「データ・シャッフリング」とは何か――開発者が説く新データ・マスキング技術

実際のリスクとのずれを生む一方で、過度の恐怖を軽減する効果もあり

トレンドマイクロCEOのチェン氏、渦中の対バラクーダ訴訟について弁明

実際のリスクとのずれを生む一方で、過度の恐怖を軽減する効果もあり

“元ホワイトハウスCSO”ハワード・シュミット氏が語る「今、ここにあるセキュリティ危機」

プライバシーとセキュリティのバランス/RFIDパスポートの問題点/企業によるITワーカーの素行調査……

ブルース・シュナイアー氏が語る「セキュリティ・シアター」の功罪

実際のリスクとのずれを生む一方で、過度の恐怖を軽減する効果もあり

「アイデンティティ/アクセス管理(IAM)は“焦らず、あきらめず”」――CAのガーディナー氏

CA幹部が語る、IAMプロジェクトの“正しい”進め方

「ITリスク管理の高度な専門性」が好調の要因――シマンテック幹部

グローバルサービス部門のヒューズ氏に聞く同社の取り組みと今日のセキュリティ問題

マカフィーにとって「マイクロソフトは味方、シマンテックは敵」

エンタープライズ市場に注力するマカフィーの新CEOが言明

マイクロソフトはもはや“セキュリティ後進企業”ではない!

「TwC(信頼できるコンピューティング)」担当副社長、セキュリティ強化戦略の“今”を語る

シマンテックのCEO、セキュリティ技術/市場の未来を示す

「いま、セキュリティのパラダイム・シフトが起きている」

セキュリティ連載

サイバー・セキュリティ[罪と罰]

サイバー・セキュリティ[罪と罰](全4回)

最新クラッキングの脅威を知り、みずからの身を守る

エンドポイント・セキュリティ対策の勘所

エンドポイント・セキュリティ対策の勘所(全2回)

クライアント環境を襲う各種の脅威に立ち向かう

情報漏洩100%対策

情報漏洩100%対策(全7回)

あらゆるリスク、ケースを徹底検証

プロアクティブ・セキュリティ

プロアクティブ・セキュリティ(全14回)

見えない敵に先手を打つ

Weekly Ranking

集計期間:11/25〜12/01



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国