【 ここから本文 】

セキュリティ・マネジメント

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


セキュリティ・マネジメント

[米国]
「Storm」で作られたボットネットが切り売りされるとの報告

コマンド・トラフィックを暗号化する亜種の存在も明らかに

(2007年10月18日)

 米国セキュアワークスは10月16日、きわめて悪質で撲滅の難しいトロイの木馬「Storm」を操るハッカーらが、このマルウェアによって作られたボットネットの切り分け作業を行っていると発表した。目的は、支配下に置かれたコンピュータをスパムやDoS攻撃を仕掛けるグループに「売り渡す」ことだという。

 同社のシニア・セキュリティ・リサーチャー、ジョー・スチュワート氏は、「ボットの管理者と一部のボット間でコマンド&コントロールのトラフィックをセキュアにするために暗号化が追加されたのも、それが理由だ」と説明した。今年1月にStormが登場して以来、このワームを追跡調査してきた同氏の話では、最新の亜種のなかにはコマンド・トラフィックを暗号化する40バイトの鍵もあるという。

 ボットを構築する他のトロイの木馬と異なり、Stormはコマンドの受け取りにIRC(Internet Relay Chat)でなくピア・ツー・ピア(P2P)を使う。そのため、ボットの捕獲がいっそう難しくなっているという。

 スチュワート氏は、「個々のボットネットをスパマーに切り売りするとした場合、各ボットネットを個別のネットワークに置けるようにする必要がある。そのための最も簡単な方法は、P2PのOvernetトラフィックをスクランブルすることだ」と指摘した。

 従来のStormは、未感染のPCにこのトロイの木馬をばらまくことと、悪質なスパムを大量に送りつけることに終始していた。「ボットネットが貸し出されたり販売されたりした事例はない」(スチュワート氏)。

 スチュワート氏は、今回の例について「高速のDNS(Domain Name System)やホスティング機能まで完備したエンド・ツー・エンドのスパム・ボットネット・システムとして、ボットネットをスパマーに販売する最初の例と言える。だとすれば、将来Stormがさらに増えることは間違いない」と警鐘を鳴らしている。

 スチュワート氏は、Stormに使われている新たな暗号化について、「特に強力なものではない」と前置きしたうえで、長期的に見て暗号化の追加はセキュリティ研究者にとってむしろ大助かりだと言う。Overnet P2Pトラフィックからコマンド&コントロールだけを簡単に特定できるからだ。「一見すれば、そのトラフィックがStormノードとeDonkey(P2P)クライアントのどちらから送られてきたのかすぐわかるので、少し楽になる。ただし、短期的には多くのユーザーが危険にさらされるだろう」(同氏)

 Stormは、今年1月、ヨーロッパで実際に甚大な被害をもたらした暴風雨のニュースを騙るメールを通してマルウェアとして認識され、以来、ほとんど毎日のようにメディアに取り上げられてきた。Stormの特徴は、ルートキットを使うこと、検出されないよう次々に変化するDNSレコードを利用していること、ユーザーに添付ファイルを開かせたり、リンクをクリックさせたりするために、一般のマルウェアよりも巧妙なソーシャル・エンジニアリングを駆使していることなどだ。

 Stormが作り上げたボットの規模については意見が分かれている。研究者によっては数百万台に上るという見方もあるが、スチュワート氏はもっと少なく、おそらく25万台程度ではないかと見ている。「MSRC(Microsoft Security Response Center)の報告を見るかぎり、私の推測が妥当なところだろう」(同氏)

 先月、MSRCのジミー・クオ氏は、「Windows Malicious Software Removal Tool」を用いて実施したマルウェア除去作業の結果を解析したところ、Stormは第3位であり、除去した台数は“わずか”27万4,000台にすぎなかったという。

 スチュワート氏は、「スパマーに売られるほとんどのボットネットは1,000〜5,000台単位だ」とし、Stormのボットネット全体が膨大な小規模ボットネットに分割される可能性を示唆した。「だが、これまでのところ、1つの暗号鍵が見つかったにすぎず、まずはこれでうまくいくかどうか試そうという腹づもりなのだろう」(同氏)

(グレッグ・カイザー/Computerworldオンライン米国版)




関連記事

▲ページの先頭へ戻る


ホワイトペーパー

「UTM」実践導入ガイド

「UTM」実践導入ガイド

巧妙化するあらゆる攻撃からネットワークを守る

プロダクト・フォーカス

日立製作所

データを安全に長期保管し、さらなる活用を促す――日立の「Hitachi Content Archive Platform」

コンプライアンス/内部統制時代のニーズに応えるコンテンツ・アーカイブ・ストレージ

セキュリティ・インサイト

既存メール環境の変更なしに導入可能な“透過型”スパム対策アプローチの実力

CATV統括運営会社に見る「マトリックススキャンAPEX」導入事例

McAfee SafeBootでの実績を土台にマカフィー製品を本格展開するマクニカネットワークス

マカフィーによる旧セーフブート社買収のシナジー効果を存分に生かす

企業の成長をサポートするサンのセキュリティソリューション

ビジネスのパフォーマンスは安全で積極的な情報活用から

企業に「安心・安全」を供給する日立ソフトの情報セキュリティ

「秘文」から「WriteShield」まで、一貫する情報セキュリティコンセプトとは

ビジネスを活性化するNECソフトのコミュニケーションセキュリティ

情報の堅ろうな保護と自由な共有を同時に実現

拡大するバラクーダネットワークスのセキュリティアプライアンス戦略

スパムメール対策からロードバランサ、Webアプリケーション保護まで

キャッチアップ

脳の活性化でパスワード記憶力を最大化――脳科学を駆使した英数字記憶術

テクノロジーに頼る前にみずからの記憶力を最大化する

CAPTCHA認証は“終わった”技術なのか――有効性を疑問視する専門家たち

スパム・メールだけではない、CAPTCHAクラッキングの弊害

「Google Gadgetsを悪用すれば、マルウェアを強制インストールできる」――専門家が警鐘

パスワードの盗難や検索履歴が読み取られるおそれも

iPhone 3Gはビジネスでは使えない?――アナリストらがセキュリティ面を懸念

「ファイアウォールにも暗号化機能にも対応していない」

企業を危うくするセキュリティ[NG]集

ささいなミスも命取りに――10の「やってはいけないこと」

社員のアクセス管理は「無法状態」――組織の分散化が原因?

「アクセス権に関する責任の所在は特定が困難で、検討機会もない」

Windows Vistaのセキュリティを検証する

UAC、BitLockerなど主要強化点の実用度をチェック

情報漏洩に備える――ダメージを抑えるための心得7カ条

セキュリティ責任者が実践すべきこと、すべきでないこと

定番化した「画像スパム」と迷惑メールの最新の手口

風説の流布による株価操作といった犯罪化が顕著な傾向

データ漏洩・盗難対策を“完璧”に近づける「マルチレベル暗号化」のすすめ

ライフサイクル全般にわたるデータ保護を実現する

ソーシャル・メディアのセキュリティ・リスク

ブログ、Wiki、SNS、ビデオ共有……便利だが危険と隣り合わせのWeb 2.0

キーパーソン

「データ・シャッフリング」とは何か――開発者が説く新データ・マスキング技術

実際のリスクとのずれを生む一方で、過度の恐怖を軽減する効果もあり

トレンドマイクロCEOのチェン氏、渦中の対バラクーダ訴訟について弁明

実際のリスクとのずれを生む一方で、過度の恐怖を軽減する効果もあり

“元ホワイトハウスCSO”ハワード・シュミット氏が語る「今、ここにあるセキュリティ危機」

プライバシーとセキュリティのバランス/RFIDパスポートの問題点/企業によるITワーカーの素行調査……

ブルース・シュナイアー氏が語る「セキュリティ・シアター」の功罪

実際のリスクとのずれを生む一方で、過度の恐怖を軽減する効果もあり

「アイデンティティ/アクセス管理(IAM)は“焦らず、あきらめず”」――CAのガーディナー氏

CA幹部が語る、IAMプロジェクトの“正しい”進め方

「ITリスク管理の高度な専門性」が好調の要因――シマンテック幹部

グローバルサービス部門のヒューズ氏に聞く同社の取り組みと今日のセキュリティ問題

マカフィーにとって「マイクロソフトは味方、シマンテックは敵」

エンタープライズ市場に注力するマカフィーの新CEOが言明

マイクロソフトはもはや“セキュリティ後進企業”ではない!

「TwC(信頼できるコンピューティング)」担当副社長、セキュリティ強化戦略の“今”を語る

シマンテックのCEO、セキュリティ技術/市場の未来を示す

「いま、セキュリティのパラダイム・シフトが起きている」

セキュリティ連載

サイバー・セキュリティ[罪と罰]

サイバー・セキュリティ[罪と罰](全4回)

最新クラッキングの脅威を知り、みずからの身を守る

エンドポイント・セキュリティ対策の勘所

エンドポイント・セキュリティ対策の勘所(全2回)

クライアント環境を襲う各種の脅威に立ち向かう

情報漏洩100%対策

情報漏洩100%対策(全7回)

あらゆるリスク、ケースを徹底検証

プロアクティブ・セキュリティ

プロアクティブ・セキュリティ(全14回)

見えない敵に先手を打つ

Weekly Ranking

集計期間:11/25〜12/01



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国