【 ここから本文 】

仮想化

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


【解説】
サーバ仮想化導入ステップガイド[計画編]

VMwareの導入から配備までを「ハンズオン」

(2008年07月15日)

前のページへ < 1234| 

仮想サーバと物理サーバを選別する

 ともあれ、アーキテクチャが決まった。Brown氏が次に取り組んだのは、仮想化環境に配備するサーバと、物理サーバとして残すサーバの選別である。この作業は、当初予想していたよりも難しかった。

 サーバを選別するには、各サーバに対する負荷、つまり、物理的な仮想化ホストがいくつ必要かを決定する必要がある。初期テストの結果、ESX Serverのハイパーバイザが、ホスト・サーバの“生”のパフォーマンスを約10%消費していたため、仮想化ホストの実際的なキャパシティは、仮想化されていないホスト・サーバの90%であることがわかった。利用率90%以上のアプリケーションを仮想化環境で運用すれば、パフォーマンスが悪化するおそれがあるため、サーバを統合する意味もない。

 さらに、利用率を測定するのは容易ではなかった。Windowsマシンで「Perfmon」、Linuxマシンで「SAR」などの性能測定ツールを使えば、特定サーバの利用率は簡単にわかるものの、そのサーバが別のサーバとどういう関係にあるかまでを把握するのは一筋縄ではいかなかったからだ。

 例えば、医療費還付/給付金管理ソフトウェアを走らせていたサーバ「Thanatos」は、デュアルソケットに対応した動作周波数2.8GHzのシングルコアPentium 4プロセッサを搭載しており、平均ロードは4%だった。一方、ボイスメール・システムの「Hermes」は、デュアルソケットに対応した動作周波数2.2GHzのデュアルコアOpteron 275プロセッサを搭載しており、平均ロードは12%という稼働状況だった。これら2つのCPUは、アーキテクチャがまったく異なるうえに、HermesのCPUコア数はThanatosの2倍だ。しかも、仮想化環境をプランニングする際、基本的なリソースとしてCPUの利用率だけでなく、メモリ/ディスク/ネットワークの利用率も同じくくらい重要なことが、事態をさらに複雑にしていた。

 Brown氏は、キャパシティ評価用のアプリケーションがなぜこれほど多く存在するのかを、このとき初めて理解した。10〜20台程度のサーバであれば、Excelをこじ開けて独力で解析するのにそれほど手間もコストもかからなかっただろう。負荷を段階的に仮想化して実環境での利用率を知るという手段もあったが、これでは予算がいくらかかるかわからず、Tersitan氏とCFOのクレイグ・ウィンダム(Craig Windham)氏から承認を得られるとは思えなかった。

 そこでBrown氏は、市場調査を行った後、Richter氏に、サーバ仮想化のキャパシティ・プランニングを社外のコンサルティング会社に任せてはどうかと提案した。そしてBrown氏は、VMwareのパートナーに評価を依頼したところ、結果が出るまで1、2カ月かかるとの返答を得た。少なくとも1カ月間はサーバの稼働状況を観察しないことには、サーバ利用率を完全かつ正確に解析できないというのがその理由だ。それくらい時間をかけなければ、週報や月報など、処理業務が毎日発生するわけではないプロセスの負荷を反映できないのだ。

 技術的には確かにコンサルティング会社の言うとおりだが、それだとBrown氏とRichter氏は、Tersitan氏と約束した実装プロポーザルの締め切りに間に合わなくなる。しかし、幸いにもWindham氏がプロポーザルは正確であるべきだと賛成してくれたおかげで、Tersitan氏も納得してくれた。

 プロポーザルの延期は、Brown氏とTersitan氏の両者にとって、むしろ幸いだったと言える。システムの土台となるハードウェアやソフトウェアの選択など、プランニング作業にはまだまだ時間がかかりそうな案件が山ほどあったからだ。

 しばらくするとキャパシティ・プランニングの最初の解析結果が届き、Fergenschmeirが抱えるアプリケーション・サーバの大半が10%以下のキャパシティで稼働していることが判明した。加えて、サーバを72台配備することを考えていたが、実際はかなりの数まで仮想化により統合できることがわかった。既存アプリケーションを余裕をもってホスティングし、将来的な拡張性を持たせつつ、1台のホスト・サーバに障害が起こった場合でもダウンタイムを極力抑えられるようにするためには、デュアルソケット対応のクアッドコアCPUを搭載した8、9台の物理サーバを、ESX Serverで仮想化するという構成が最良だと判断した。(7月18日掲載予定の[配備編]に続く)


前のページへ < 1234| 



▲ページの先頭へ戻る



ホワイトペーパー

データ激増時代の新しいフレームワーク「FAN(File Area Network)」

分散環境におけるファイル管理をいかに効率化するか――データ激増時代の新しいフレームワーク「FAN」

ファイル仮想化、レプリケーションで実現。統合されたデータ管理基盤の構築方法とは?

特別企画

日立のストレージ・ソリューション

柔軟なデータ・マネジメント戦略でビジネスを加速させよ

“仮想化”を基盤とした総合力で、情報資産の活用を支援する日立製作所のストレージ・ソリューション

「ストレージ仮想化が仮想サーバのメリットを最大化する」デルのアプローチと「Dell™ EqualLogic® PS5000 Series」の実力

キャッチアップ

仮想化の真のメリットは、コスト削減よりも俊敏性向上

メリットを享受するには、継続的なキャパシティ・プランニングが必要

「仮想化は次世代のOS」――レッドハットが狙うオープンソース革命“再び”

ハイパーバイザとセキュリティ管理製品からなる「オープンな仮想化プラットフォーム」を強調

マネージド・サービス・プロバイダーに見る仮想化技術の効用

サービス品質/アジリティの向上を果たしたコンテジックス

仮想化環境における“ライセンス・コスト”が議論の的に

VMwareユーザー間でソフトウェア・ライセンスの現状に疑問の声

注目の「仮想アプライアンス」がもたらすメリット

仮想化環境で即座に実行できるアプリケーションの新配布モデル

次世代仮想化プラットフォーム「Hyper-V」研究

サーバの仮想化はどう進化するのか!?

「仮想化時代」に到来する3つのテクノロジー・トレンド

グリーンIT/プロビジョニング/自律コンピューティング

【Forrester調査】IT部門の3分の2が2009年までに仮想化技術を導入

「仮想化ベースの戦略的なITインフラ構想に移行する動きも広がる」

“ハイパーバイザ・バトル”を制するのはだれ?――白熱する仮想化市場

王者VMwareに挑む、後発の大手ベンダーたち

注目度を増すサーバ仮想化──米国企業の導入・活用の実態に迫る

ユーザー調査に見る仮想化技術の課題と現実

仮想化実践講座

Windows仮想化をトータルに管理する「Virtual Machine Manager」

System Centerで変わる仮想環境のシステム運用管理

「Hyper-V RC1」緊急レビュー

Windows Server 2008標準搭載の仮想化ハイパーバイザを徹底解剖

仮想環境でのセキュリティを考える

ユーザー調査に見る仮想化技術の課題と現実

仮想化導入前に自問すべき10のポイント

技術的「準備度」や事業目標の「認識度」を診断する

アプリケーション/デスクトップ仮想化[実現手法とベンダー動向]

データセンターの外では「クライアント管理の簡素化」が仮想化のメリット

これだけある「仮想アプライアンス」のメリット

コスト削減をはじめ、さまざまな点で有利に

サーバ仮想化技術を整理する

完全仮想化か、擬似仮想化か、それともOSレベルの仮想化か

テスト環境でも威力を発揮するサーバ仮想化技術

作業時間の短縮化に貢献

仮想マシンをいかに管理するか

機能不足のツールを使いこなす

ストレージ仮想化

ストレージ仮想化[メリットと手法を確認する]

普及が進み、成熟期を迎えた仮想化技術

注目集めるストレージ仮想化技術――企業は管理コスト削減に期待

管理コストを95%削減した事例も

「シン・プロビジョニング」でストレージ・リソースの“無駄づかい”を撤廃する

手付かずの容量を有効活用するためのアプローチ

ストレージ仮想化技術の“現在”を探る

最も成熟し、製品も豊富にそろうレイヤにどう取り組むべきか

事例研究

データセンターの新増設で、CIOたちが実際に経験したこと

キャパシティ、設置スペース、電力と発熱、コスト――問われる課題への解決力

ディザスタ・リカバリのモデル・プロジェクト発進!

北米大陸の両端に位置する2つの大学を結んで展開される野心的ディザスタ・リカバリ・プロジェクト

先進ユーザーから学ぶサーバ仮想化導入の「落とし穴」

ネット構成、ライセンス、セキュリティに細心の注意を!

早期導入ユーザーに見るサーバ仮想化のメリットと教訓

数十台の物理サーバ上で400以上の仮想マシンを運用

先進事例に見る仮想化ソフト導入の最適解

コスト効果は100万ドル

仮想化の課題

ヴイエムウェアがはまる、仮想化最大手ゆえの「落とし穴」

仮想化ハイパーバイザの優劣に固執する姿勢に疑問あり

重要アプリの仮想環境への移行、サーバ担当マネジャーは総じて消極的

重要性・機密性の高いアプリほど仮想化技術の適用外に

仮想サーバの脆弱性は仮想マシンにあり――研究者がBlack Hatで講演

「仮想マシンが物理サーバ間を移行するときに攻撃を受けやすい」

「仮想化サーバの管理に自信が持てない」とするCIOが半数以上に

懸案事項は、セキュリティ/異種インフラ管理/システム利用の最適化

懲罰的なソフト・ライセンスがサーバ仮想化の妨げに

VM上のアプリを巡り、一部ベンダーが手間とコストを顧客に強要

技術的未熟さが目立つx86サーバの仮想化

メインフレームの場合とは異なる扱いに戸惑いも

仮想サーバの管理プロファイル、標準化団体DMTFがCIMベースで策定

VMwareやIBMなども策定に参加、自社製品でサポートへ

アナリストが警鐘、「仮想化のセキュリティ・リスクは看過されている」

仮想マシンのセキュリティ対策は物理マシンと同じではない!!

仮想化を巡る8つの課題

性能、セキュリティ、ライセンス、ストレージ……

トレンド・ウォッチ

ヴイエムウェアの「ESX 3.5」がマイクロソフトから認定

マイクロソフトがVMware環境へのテクニカル・サポートを提供へ(2008年09月04日)

CTC、日本HP、マイクロソフトの3社、顧客環境を想定したHyper-Vの動作検証を共同で実施へ

サイジング・データ取得やシステム構築手法の確立を目指す(2008年08月27日)

ノベル、小・中規模企業向けに「Xen仮想化スターターキット」を提供開始

Windowsサーバ統合を容易に行うための、ハードウェアを含んだ検証済み構成(2008年08月07日)

ヴイエムウェア、複数の仮想テスト環境の管理・自動化を可能にする「Lab Manager 3」をリリース

開発/テスト環境だけでなく、ヘルプデスクやトレーニングなど幅広い用途を想定(2008年08月07日)

CTC、VMwareに特化した仮想化検証施設「Competency Center for VWware」を開設

VMwareの性能を最大限に引き出す技術/製品/サービスの組み合わせを検証(2008年07月24日)

ヴイエムウェア、次期VMware ESXiを無償提供へ

競合他社からの追い上げを受けて決断(2008年07月23日)

シトリックス、マルチベンダー仮想化環境の構築・管理ツール「Project Kensho」を発表

OVFに準拠し、XenServer、Hyper-V、VMware ESXの混在を可能に(2008年07月16日)

Macの企業ネットワーク接続/管理の問題に取り組むアライアンスが発足

企業クライアントPCとしてMacを使いたいユーザーに朗報(2008年07月03日)

シトリックスと日立、XenApp用の指静脈認証システムを共同で開発

セキュリティ強化だけでなく利便性も向上(2008年07月03日)

マイクロソフト、サーバ仮想化ソフト「Hyper-V」の正式版をリリース

単体製品としてサーバ当たり28ドルでの提供も開始(2008年06月27日)

仮想化技術の普及で、仮想化エキスパートへの求人が急増

幹部職クラスでは年収数十万ドルの好待遇も(2008年05月26日)

シトリックス、Xenエンジン採用のデスクトップ仮想化ソフト「XenDesktop」を出荷開始

個々にカスタマイズ可能な仮想Windowsデスクトップを提供(2008年05月21日)

ヴイエムウェアが仮想サーバの管理ソフト2種を発表、障害復旧/アプリ導入を支援

管理ソフト群のパッケージ製品もリリース(2008年05月13日)

デルが仮想化製品/サービスを強化――仮想化ソフト組み込み型「PowerEdge」サーバなどを発表

仮想化ソフトはVMware/XenServer/Oracle VMをサポート(2008年05月13日)

「VMwareより3倍高効率」――日本オラクルが「Oracle VM」の国内提供を開始

仮想アプライアンスの提供にも本腰(2008年03月13日)

Weekly Ranking

集計期間:11/16〜11/22



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国