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仮想化

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【解説】
サーバ仮想化導入ステップガイド[配備編]

VMwareの導入から配備までを「ハンズオン」

(2008年07月18日)

マイグレーション作業に潜む落とし穴

 デプロイメントを開始してから約1カ月後、Brown氏のチームは検証をすべて終え、サーバのマイグレーション作業に取りかかる準備が整った。

 Brown氏は、VMware Infrastructureスイートで用意されている、物理サーバから仮想サーバへのマイグレーション・ツール「VMware Converter」を試し、とりあえず2、3台の物理サーバをマイグレーションしてみることにした。

 ところが、しばらくするとVMware Converterのスピードと使い勝手に難があることがわかった。古い物理サーバから仮想化ソフトを導入した最新のブレード・サーバにマイグレーションしたことで、Fergenschmeirが抱えていたハードウェア関連の問題はある程度解消された。しかし、アプリケーションのインストールやアップグレード、アンインストールを長年繰り返してきたことで、Windows環境全体の性能が劣化しており、侵入されたバグの問題が逆に悪化してしまった。なかには問題なく稼働するサーバもあったが、元の状態よりパフォーマンスが低下するサーバもあった。

 少し掘り下げてテストを実施したところ、一昔前に構築したWindowsサーバに関しては、既存のサーバへまるごと移植するよりも、ゼロから仮想マシンを構築した後、アプリケーションを再インストールし、データを移行するほうが効果的だと判明した。

 だが、そうするとマイグレーション作業に予定より長い時間がかかってしまう。Blum氏、Edgerton氏、Beyer氏の3人は、VMwareのクローニング/デプロイメント・ツールを使い、ベース・テンプレートからクリーン・サーバをわずか4分で配備したが、これはあくまで簡単な部分にすぎない。難しいのは、アプリケーションのドキュメンテーションに隅々まで目を通しながら、アプリケーションが最初にどうインストールされて、これからどうのようにインストールするべきかを判断することだった。3人は、ESX Serverのインストールおよび構成方法を理解するために、経験したことがないほどの長い時間をかけてアプリケーション・ベンダーと電話で話し合った。

 また、彼らの仮想化に対する無知は、もう1つ手痛い結果をもたらした。3人は、プロジェクト・プランニングの間、ハードウェアをVMwareの互換性リストと照合したが、だれ1人としてアプリケーション・ベンダーに電話して、仮想化環境をサポートしているかどうかを確認しなかった。実際、後になってベンダーがサポートしていないケースがあった。

 仮想化をサポートしてないアプリケーション・ベンダーの中には、長年パッチを適用していないOSでアプリケーションを走らせていてもサポートを拒否しなかったり、インストール先のハードウェアがかなり寿命に近づいていてもふつうにサポートしてくれていたりしたが、仮想サーバで走っているアプリケーションだけは、不安を感じて及び腰だった。

 一部のソフトウェア・ベンダーにとっては、単にインフラの構成にまで責任を負いたくないという考えだったようだ。ITチームは、こうしたベンダー側の不安を理解し、ハードウェアが原因でパフォーマンスに問題が生じたときは、Fergenschmeirの手で解決するか、仮想化されていない環境でその問題を再現させてほしいというベンダー側の要望を受け入れることにした。

 また、仮想化に対して無知なベンダーもいた。サポート・センターに電話しても、ESX Serverのようなハイパーバイザ型のサーバ仮想化ソフトではなく、VMware WorkstationやVMware Serverといったエミュレータ的な仮想化ソフトと勘違いする担当者がいた。このため、知識の乏しいサポート・スタッフの名前を覚えておいて、そのスタッフが電話に出たときは別のエンジニアに代わるよう頼んでいた。

 ある企業に至っては、仮想マシンへのインストールは一切サポートしていないと、まったく取り合ってさえくれなかった。そういう場合は、いったん電話を切ってかけ直すことにした。2度目の電話で「仮想化」という言葉を使わなかったところ、テクニカル・サポートはインストールと構成を快く教えてくれた。

 アプリケーション・ベンダーが仮想化に乗り気でなかったり、まったく無知、あるいは頭ごなしに拒否したりしたことに、FergenschmeirのITスタッフはいい気分はしなかったが、サーバ仮想化に伴い発生する問題はこれからが本番だと言えた。Brown氏とRichter氏は、「お互い思いがけず大きな責任を背負うことになったな」と個人的に話すことが度々あった。


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