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注目度を増すサーバ仮想化──米国企業の導入・活用の実態に迫る
ユーザー調査に見る仮想化技術の課題と現実
(2007年01月11日)
混沌とする技術競合の行方
米国調査会社IDCのデータによれば、ヴイエムウェアは現在、IAサーバの仮想化という領域でトップ・シェアを保持しているという。対するマイクロソフトは、Windows上で稼働する仮想化ソフトウェアのVirtual Server 2005を提供しているが、市場シェアという点でヴイエムウェアの後塵を拝している。
この状況を打開すべく、マイクロソフトは、Windows Serverの次期バージョン(開発コード名:Longhorn)で、より強力なハイパーバイザー(=仮想化制御レイヤ)機能を組み込む計画だ。
ホストOSを必要としないこの仕組みは、VMware ESX Serverの強力なライバルになりそうだ。さらに、Linuxの領域においても、オープンソースの仮想化ソフトウェアであるXenを軸に技術開発が進められており、レッドハットはすでに、Xenベースのハイパーバイザーを提供している。また、ノベルのSUSE Linuxにも同様の仕組みが組み込まれる予定だ。
もっとも、こうした各製品の急激な進化や変化は、ユーザーによる「仮想化技術の本格導入」を先送りさせる要因ともなりかねない。つまり、サーバの仮想化を巡る技術革新の流れが急ピッチであればあるほど、様子見を決め込むユーザーが増えるおそれがあるのである。
この点について、ガートナーのアナリスト、マーティン・レイノルズ氏は、「サーバの仮想化技術については、今後、どの技術、どの製品が主流となるのかが見えにくく、先行きが混沌としている」と指摘し、こう続ける。
「多くのユーザーにとって、VMwareに今から投資するのが適切なのか、それともLonghornの登場を待つべきなのか、さらには、Xenに期待をかけるべきなのかは、実に判断の難しい問題だろう。現時点では、その疑問に対する明快、かつ画一的な答えもない」
レイノルズ氏が指摘するとおり、仮想化技術の選定に苦慮しているユーザー企業は少なくない。また、特定の仮想化製品に導入のターゲットを絞りつつも、技術の信頼性に対する不安から、本格的な活用に踏み切れず、製品のさらなる進化・成熟を待とうするユーザーも多くいるようだ。
例えば、米国マサチューセッツ州の製薬会社、オシエント・ファーマシューティカルズは現在、Virtual Server 2005を試用中であり、「そのテスト自体はうまくいっている」と、同社のITディレクター、シャーリ・モイン氏は言う。
ただし、「実際の業務アプリケーションをVirtual Server上で稼働させるとなると、まだかなりの不安がある」と同氏は言う。「そのため、当面は、Virtual Serverの技術的な成熟を待つ」というのが、同氏の方針なようだ。
仮想化技術の実用度
前述したとおり、パーキンエルマーは現在、データセンターのIT基盤を仮想化技術によって大きく改変する作業を進めており、すでにボストンにある同社のデータセンターでは、ヴイエムウェア製品によるサーバ統合が行われている。つまり、同社の場合、仮想化技術の活用によって、データセンターに設置された多くのサーバを集約し、コンピューティング資源やメモリ資源の使用効率を高め、かつ、データセンターの電源不足やサーバの熱問題などを解消・解決しつつあるわけだ。
とはいえ、サーバ統合(IAサーバの統合)を実現する手段は、何も仮想化技術の活用だけとはかぎらない。実際、IAサーバの統合化に向けて、仮想化技術の採用とはまた別のアプローチを採用したユーザーもいる。
| 仮想化の対象となるサーバ・アプリケーション |
米国ノース・キャロライナ州ヒッコリー市では当初、40台のラックマウント型サーバの統合化を実現すべく、Virtual Server 2005の導入を検討していた。だが、同ソフトウェアの試用を進めた結果、仮想化によるサーバ統合をあきらめ、ラックマウント型サーバをIBMのブレード・サーバに切り替えるという手法を採用した。
この決定について、同市のITディレクターを務めるジェフ・ブリッタイン氏は、「われわれが目指したのは、サーバ・マシンの単純な省スペース化と物理的な集約であり、その目的を達成するには、仮想化という新技術を採用するよりも、ブレード・サーバを導入するほうが現実的だと判断した」と説明する。さらに同氏は、「将来的には仮想化技術の採用も検討するが、今の段階で、その活用を無理に押し進める必要はないと考えている」と言う。
一方、米国イリノイ州にあるインシュアランス・オート・アクションズ(略称:IAAI)のCIO、ジョン・ノルディン氏は、同じくIAサーバの統合化に向けて、ヴイエムウェア製品のテストを行ってきた。その試用を通じて、同氏が至った結論は、「VMwareの信頼性は、IAAIのオークション・サイトを支える130台のIAサーバに適用するレベルには達していない」というものだ。
IAAIのオークション・サイトでは、40秒単位で自動車が販売され、オークションごとに膨大な数の電子入札が行われる。年間のオークション件数は75万件にも達しており、24時間365日を通じて、サーバ障害による不意のシステム・ダウンは許されない状況にある。
「当社の場合、サーバのダウンやレスポンスの低下がそのままビジネスの損失に直結する。VMwareは優れた製品だとは思うが、この技術の上で基幹のビジネスを運営する気にはまだなれない」と、ノルディン氏は言う。
同氏が、VMwareの信頼性に疑問を抱いたのは、ある事件がきっかけだった。同氏によれば、VMware ESX Serverの初期テストを行った際に、なぜか仮想サーバのコンフィギュレーションが初期状態に戻ってしまい、サーバ・システム全体をバックアップ・テープから復旧せざるをえなくなったという。
同氏は、この原因についてヴイエムウェアに問い合わせてみたが、彼らからも明確な回答が得られず、今もなお不具合の原因は究明されていない。
「私としては、なぜこうした事態が発生したのかがわかるまで、VMwareを実務に使うつもりはない」と、同氏は言う。さらに、「仮に、何からの回答がヴイエムウェアから得られたとしても、とりあえずは、プリント・サーバで使うなり、試用レベルの限定的な活用にとどめたい」としている。






























