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注目度を増すサーバ仮想化──米国企業の導入・活用の実態に迫る
ユーザー調査に見る仮想化技術の課題と現実
(2007年01月11日)
周知のとおり、サーバの仮想化は、今日のIT業界において、きわめてホットなテーマの1つだ。とりわけ、IAサーバの仮想化を巡っては、有力なITベンダーが技術開発にしのぎを削り、激しい主導権争いを演じている。ならば、この技術を使う側、すなわち、ユーザー企業は、今日のサーバ仮想化技術の実用性をどう見ているのだろうか。また、ユーザー企業における仮想化技術の導入・活用は、どういったレベルにあるのだろうか。その辺りの疑問を解き明かすべく、Computerworld米国版は先ごろ、米国企業のITマネジャーに対する調査を実施した。ここでは、この調査結果に基づきながら、サーバの仮想化と対峙する米国企業の現状に迫る。
ロバート・ミッチェル
Computerworld米国版
米国のライフサイエンス企業、パーキンエルマーは、サーバの仮想化技術をデータセンターの新たなスタンダード・テクノロジーとして位置づけている。
過去2年間、同社では、開発グループの数台のサーバ・マシン上で米国ヴイエムウェアの「VMware ESX Server」を試用してきた。また、それと並行して、ボストンにあるデータセンターで、230に上る仮想サーバのインスタンスを立ち上げ、昨年から運用を始動させている。
同社のCIO、マット・ダティーロ氏によれば、これらの試みは非常にスムーズに進展し、仮想化技術の全面採用に向けた不安もほぼ解消されたという。そのため、同社では現在、自社が保有する5つの大規模データセンターのすべてに対し、サーバの仮想化技術(具体的には、VMware ESX Server)を適用する作業を進めている。
| サーバ仮想化技術の採用状況 |
もっとも、パーキンエルマーのような企業は、IT先進国とされる米国においても少数派にすぎない。Computerworld米国版が先ごろ行った調査でも、回答者(調査に協力した314人のITマネジャー)の51%が、「サーバの仮想化技術は採用していない」と答えている。
また、サーバの仮想化技術を実務で活用しているユーザーもさほどの数ではなく、同技術を試験的に導入している企業ですら全体の5分の1に満たない。ましてや、パーキンエルマーのように、仮想化技術を中核のサーバ・テクノロジーとして位置づけているユーザーとなると、全体のわずか4%でしかないのだ。
この結果に対して、米国調査会社ガートナーのアナリスト、マーティン・レイノルズ氏は以下のような見解を示す。
「米国のユーザー企業は、新技術の導入に総じて意欲的だ。しかしながら、サーバの仮想化については、依然として慎重な姿勢を崩していない。この技術を導入している企業にしても、その大半が、限定的なエリアへの適用にとどめている」
サーバ仮想化を阻むもの
言うまでもなく、サーバ(とりわけ、IAサーバ)の仮想化技術そのものは急速な発展を遂げている。また、ユーザー企業の間でも、仮想化技術に対する注目度は高い。
| 米国企業が注目する新技術トップ3 |
だが、今回の調査結果(Computerworld米国版の調査結果)を見るかぎり、ユーザー企業の多くが、サーバ仮想化技術の試験的な導入すら行っていないのが実情だ。
その理由として、今回の調査に協力したITマネジャー(「仮想化技術を導入していない」と回答したITマネジャー)は、サーバの仮想化を巡る以下のような問題点を挙げている。
- IT組織内における(仮想化に対する)技術スキルの欠如
- 導入メリットの不透明性.
- 導入・運用コストの不透明性
- 複数サーバ(複数の仮想サーバ)にまたがる単一障害点の発生
- 仮想マシン上のアプリケーションに対する(ベンダーの)動作保証/サポートの欠如
- ソフトウェア・ライセンスに関する不透明性
このほか、仮想マシンの管理ツールの品質、可用性を不安視するITマネジャーも少なからずいたのである。
仮想化技術の導入目的
一方、今回の調査結果からは、サーバ仮想化技術の「導入目的」が、企業規模によって若干の差異があることも明らかになった。
サーバの仮想化技術の導入目的として、最も多くの回答を集めたのは「サーバ統合(サーバ・コンソリデーション)」である。
とりわけ、大企業の場合、その半数以上がサーバ統合を仮想化技術導入の最大の目的としている。これに対し、従業員500人以下の小規模企業は、サーバ統合よりも、むしろ(サーバ仮想化による)「サーバ配備・管理の簡素化」という点を重視しているようだ。さらに、今回の調査により、事業継続(ビジネス・コンティニュイティ)を実現するための手段として、サーバの仮想化に関心を寄せる企業が比較的多くいることも明らかになった。
| サーバ仮想化技術の導入目的 |
例えば、米国メリーランド州に本拠を構えるソフトウェア会社、ベセスダも、事業継続対策としてのサーバの仮想化に注目する1社だ。同社のITディレクター、ロッド・ペイトン氏は、「サーバの仮想化技術が最も効力を発揮するのは、サーバ統合の領域ではなく、災害復旧の領域にほかならない」と言い切る。
同氏の指揮の下、ベセスダでは、マイクロソフトの「Virtual Server 2005」と「VMware ESX Server」という2種の仮想化ソフトウェアのテストを行ってきた。その結果、同社では、VMware ESX Serverの本格採用を決め、本番稼働に向けた作業を昨秋より始動させている。
「われわれがサーバの仮想化に乗り出した理由は、サーバ統合によるコスト削減ではない。この技術を使うことで、サーバのフェイルオーバがきわめて短時間(もしくは、リアルタイム)で行えると判断したからだ」と、ペイトン氏は言う。
| 企業が優先するITプロジェクト |
さらに同氏は、「そうした目的を達成するうえで、Virtual Serverよりも、VMware ESX Serverのほうが優れていると、われわれは判断した。ただし、災害復旧のインフラはきわめて重要な仕組みであり、ベンダーの言うことを鵜呑みにして失敗することはできない。ゆえに当社では、これからも十分な時間をかけて、慎重かつ段階的にVMware ESX Serverによる基盤作りを進めていくつもりだ」と語る。
ちなみに、今回の調査では、「最優先するITプロジェクトとは何か」という設問もITマネジャーらに対して行った。その結果、最も多くの回答を集めたのは、「災害復旧/事業継続(の対策)」という項目であった。つまり、サーバの仮想化技術にとって、災害普及/事業継続は領域はかなり有望な市場であるというわけだ。






























