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[米国]
参入が相次ぐデスクトップ仮想化市場、一歩リードはシトリックス

(2007年04月23日)

 デスクトップ仮想化技術は、以前はコールセンターや学校など、比較的“地味”なIT環境にのみ導入されていた。しかし、最近では仮想化技術を提供する多くのベンダーが、あらゆる企業ユーザーをターゲットとした、新しいデスクトップ仮想化製品をリリースしている。

 米国マイクロソフトは今月初頭、企業向けソフトウェア・ライセンス契約プログラム「Software Assurance」の一部を変更し、サーバの仮想マシン上で運用できるWindowsクライアント・ライセンス数を追加した。なお、ちょうど1年前、同社は有料で販売していた「Virtual Server 2005 R2 Enterprise Edition」を無料提供すると発表している。

 不動産会社の米国ロング&フォスター・リアル・エステートのCIO、マイケル・コバル氏は、仮想化技術が普及することに期待を寄せている1人である。ロング&フォスターでは、過去に米国シトリックス・システムズのシン・クライアント「Presentation Server」や、ヴイエムウェアのサーバ仮想化ソフトウェアを導入し、成果を上げてきたからだ。

 「われわれはあらゆる選択肢に目を向けている」とコバル氏。ロング&フォスターは、7年前からPresentation Serverを利用し、3,500人以上の従業員と1万6,000社の提携不動産業者に、サーバ上で稼働させているアプリケーションを提供している。

 コバル氏によると、同社はPresentation Serverを導入したことで、アプリケーションの集中管理だけでなく、ソフトウェア・ライセンス数の削減にも成功したという。

 シトリックスは昨年12月にアプリケーション・ストリーミング・ベンダーの米国アーデンスを買収。今月はじめに、アーデンスの技術が基となっているデスクトップ仮想化製品「Desktop Server」を発表した。

 シトリックスは、「われわれは共通の管理インフラの下で、あらゆるシン・クライアントと仮想デスクトップ製品を提供している唯一のベンダーだ」と胸を張る。

 コバル氏はシトリックス製品を「きわめて魅力的だ」と評価している。

 「共通の管理インフラの下でシン・クライアントと仮想デスクトップ製品を運用できれば、現在のインフラ全体を再構築する必要がない。わたしがシトリックスの製品を何年も前に採用したのは、すでにたくさんのサービスが1つの枠組みで提供されていたからだ」(コバル氏)

 デスクトップ仮想化製品をリリースしているのは、シトリックスだけではない。サーバ仮想化ツール・ベンダーの米国バーチャルアイアンと、デスクトップ仮想化ベンダーの米国プロビジョン・ネットワークスは4月初頭、1クライアント当たり120ドルの仮想デスクトップ・パッケージの提供で提携したと発表した。

 米国ブライアン・マデン・カンパニーの主席アナリスト、ブライアン・マデン氏は、デスクトップ仮想化はヴイエムウェアのソフトウェアだけを使っても実現できるが、その手法はユーザーにとって手間のかかる作業だと指摘する。

 「(仮想化ソフトウェア・ベンダーは)ユーザーがヴイエムウェアのソフトウェアだけでデスクトップ仮想化をしないと踏まえたうえで、仮想化ソフトウェアを開発している」(マデン氏)

 だが、それらの製品のほとんどは、アプリケーション・ストリーミング、端末サービス、デスクトップ仮想化のいずれかの機能を提供するものであり、それら3つの機能をすべて補完するわけではない、とマデン氏は語る。

 「真に“包括的な製品”を発表しているベンダーはシトリックスだけだ」(マデン氏)

 一方、さまざまな新製品が提供されているものの、当面は様子を見たいとするユーザーも存在する。それが、カジノ業者の米国ステーション・カジノズだ。

 仮想デスクトップは一見、ステーション・カジノズのような企業には最適な技術に見える。同社では、1日3交代制で勤務する1万5,000人の従業員が3,500台のPCを共用している。これらのPCの多くはそれほど利用されておらず、「Office」製品群がインストールされていないPCが全体の30%を占めている。

 だが、ステーション・カジノズのサーバ/デスクトップ・システム担当ITディレクター、スティーブ・バスティル氏は、経済的な理由から現時点では仮想デスクトップに移行しないと語る。

 同氏は、移行にはネットワークのアップグレードとサーバ・ライセンスの新規購入が必要になると指摘。「移行に必要なサーバ・ハードウェアとインフラに追加コストを払う理由がない」と語る。

 米国タイムワーナー・ケーブルのノースカロライナ州グリーンズボロ・オフィスのITマネジャー、フランク・ヨーン氏はこの2年間、アーデンスのソフトウェアを利用し、400台のPCにアプリケーションを配信している。しかし、ヨーン氏は、ほかの仮想デスクトップ製品を導入することには関心がない。

 「新しいものを取り入れてコストが減ることはめったにないからだ」(ヨーン氏)

(エリック・レイ/Computerworld オンライン米国版)




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