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仮想化

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アプリケーション/デスクトップ仮想化[実現手法とベンダー動向]

データセンターの外では「クライアント管理の簡素化」が仮想化のメリット

(2007年05月29日)

これまでは、主にデータセンター内で利用されてきた仮想化技術だが、近年はクライアント・コンピューティング領域でも適用が進んでいる。その実現手法も多様化しており、仮想マシンを利用したデスクトップ仮想化だけではなく、アプリケーション単位での仮想化も登場している。本稿では、アプリケーション仮想化を中心にクライアント向け仮想化技術の実現手法やベンダー動向について解説する。

ランダル・ケネディ
Computerworld米国版

データセンターの外で活躍する仮想化技術

 一般的な認識と異なり、仮想化が利用されるのは、データセンターの中だけにとどまらない。クライアント・コンピューティングに関しても仮想化は、ワークステーションで利用する複雑なアプリケーションからシンプルなDLLまで、幅広い領域に適用されている。

 その代表例が、デスクトップ仮想化である。以前は、クライアント環境の仮想化と言えば、ホストOS上でゲストOSを稼働させる仮想マシン(VM)のアプローチしか思い浮かばなかったが、現在は、サーバにユーザーのPC環境をホスティングすることでデスクトップ仮想化を実現するアプローチも登場している。

 そして、その考えを一歩進めたのが、アプリケーション仮想化である。これは、特定のアプリケーションをデスクトップから分離させて稼働させるもので、そのねらいは、OS上の設定に関するやっかいな問題を解消し、クライアントPCの管理にかかわる負荷を軽減することである。

 アプリケーション仮想化ソフトウェアはいずれも、アプリケーションとその稼働を支えるOSリソース(例えば、ファイル・システムやWindowsのレジストリ・データベースなど)とのやり取りを仮想化する機能を提供するというものだ。ただし、仮想化を実現するためのアプローチは、製品によって大きく異なる。

仮想化でOSの初期状態を保ち、不具合を回避

 アプリケーション仮想化ソフトの一例が、アルティリスの「Altiris Software Virtualization Solution(SVS)」である。このSVSに代表される製品は、“力技”とでも言うべき方法によって、アプリケーションをデスクトップから切り離す。

 SVSによるアプリケーション仮想化においては、シンプルなフィルタ・ドライバが重要な役割を担う(図1)。このフィルタ・ドライバは、SVS管理下のアプリケーションからのI/Oコールをインターセプトし、ローカルのキャッシュ・ファイルにリダイレクトする。また、仮想ファイルシステムを構築して通常のファイルシステムと統合し、アプリケーションが動作する際にOS上のファイルの変更が必要なときには仮想ファイルシステム内の該当個所を書き換える。


図1:アルティリスの「Software Virtualization Solution」によるアプリケーション仮想化手法

 このアプローチのメリットは、OSイメージを初期の状態に保つことで、OSの安定性を確保できるという点だ。アプリケーションがWindowsに対して行う変更処理は、実際にはSVSのキャッシュ・ファイル内で行われ、OS上のファイルに変更が加えられることは一切ない。そのため、アプリケーションをインストールすることによる不具合や、複数のアプリケーションが共存することによるコンフリクトを避けることができる。

 ただし、異なるバージョンの同一アプリケーションがインストールされている場合は、適切にコントロールできないのがこのアプローチの弱点だ。例えば、異なるバージョンの「Microsoft Office」がいくつかインストールされているときに、間違ったバージョンのコンポーネントを呼び出してしまい、SVSがうまく動作しなくなることがある。

ストリーミング配信で仮想アプリを提供

 もう1つのアプリケーション仮想化アプローチの例は、マイクロソフトの「SoftGrid」である。これはもともと、ソフトリシティが提供していた製品であるが、同社を2006年に買収したため、現在はマイクロソフトの製品となっている。

 SoftGridの特徴は、アプリケーションのストリーミング配信を行うという点だ(図2)。アプリケーションをSoftDridサーバからクライアントにストリーミングし、その後、いわば隔離ボックス内で実行することで、OSからアプリケーションを分離する。

 このアプローチであれば、SVSのような製品が抱える異なるバージョンの同一アプリケーションのコントロールが難しいという問題を回避することができる。しかし、それと引き換えに導入プロセスが複雑になり、管理者がカスタム・インストール・イメージを作成してストリーミング用にアプリケーションを最適化しなければならない。


図2:マイクロソフトの「SoftGrid」によるアプリケーション・ストリーミング

 一方、シンストールの「Thinstall Virtualization Suite」は、SoftGridの隔離ボックスのアプローチにSVSのシンプルさを組み合わせたものだと言える。仮想化ソフトウェアとアプリケーション・イメージの両方が単一の実行ファイルに組み込まれており、アプリケーションを実行する際には、PC上にファイルをコピーまたはストリーミングしてそのファイルを起動する。

 Thinstall Virtualization Suiteでは、クライアント側へのソフトウェアのインストールは不要で、イメージの導入は「Active Directory」や「Microsoft Systems Management Server」など、既存のマイクロソフト製管理ソフトウェアで実行することができる。マイナス面は、専用のツール・セットを用いてアプリケーションをカスタマイズする必要があるということだ。


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