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“ハイパーバイザ・バトル”を制するのはだれ?――白熱する仮想化市場
王者VMwareに挑む、後発の大手ベンダーたち
(2007年11月23日)
OS組込型か、それとも独立型か
ところで、Microsoftは先に述べたように、Hyper-Vを核とするHyper-V Serverを製品化することによって、仮想化はOSの一機能だとする従来の考え方を180度転換させたことになる(もっとも、Hyper-VはWindows Server 2008のアドオンとしても提供されるわけだから、OSの一部だとする考え方を完全に捨てたわけではない)。この新製品は、すでに、Dell、富士通、日立製作所、Hewlett-Packard(HP)、IBM、Lenovo、NEC、Unisysといったハードウェア・ベンダーのサポートを取り付けることに成功している。
これに対して、Sunは中間路線を歩むようだ。同社が無償提供する独自のハイパーバイザ型サーバ仮想化ソフトウェア「xVM Server」には、ゲストOSからアクセス可能な同社開発のファイルシステム「ZFS(Zettabyte File System)」と障害管理を担う「Fault Management Architecture」が採用されている。
調査会社Burton Groupのアナリスト、クリス・ウルフ(Chris Wolf)氏はハイパーバイザの動向を次のようにまとめてみせる。
「現在、市場にはサーバ仮想化製品を巡る2つの流れがある。それは、『仮想マシンを走らせるだけの役割を担った(ハイパーバイザを搭載した)サーバ』と『OSの一機能としてハイパーバイザを搭載したサーバ』だ。ちなみに、セキュリティの視点から言えば、軽量のハイパーバイザ(前者)は、制御用のOSと並行して走るハイパーバイザ(後者)よりもずっと攻撃されにくい」
さらにウルフ氏は、MicrosoftがWindows Server 2008に依存しない、単体のハイパーバイザ型サーバ仮想化ソフトウェア製品としてHyper-V Serverを投入することについて、「Microsoftにとっては、考えるまでもない決断だったはずだ。自社のハイパーバイザが市場に受け入れられるかどうかは、IHV(独立系ハードウェア・ベンダー)にどれだけたくさん組み込んでもらえるかによって決まるのだから」と至極、肯定的にとらえている。
VMwareの王座も決して安泰ではない?
ライバルたちの動きに負けじと、率先して変化に取り組むVMwareだが、「ハイパーバイザは必要不可欠な技術」という基本姿勢だけは揺らぐことがないようだ。
上で紹介した同社の新製品、ESX Server 3iは、サーバ・ハードウェア組み込み専用のハイパーバイザとして提供される。OSには一切依存しない、いわば「シン・ハイパーバイザ」である。
VMwareで製品/ソリューション担当バイスプレジデントを務めるラグー・ラグラム(Raghu Raghuram)氏は、「高可用性、モビリティ、リソース管理、全体的な管理レベルの向上など、ハイパーバイザはありとあらゆるメリットを有している」と前置きしたうえで、「Microsoftの製品アーキテクチャでは、仮想化はOSの一部と位置づけられていたが、ここにきて彼らはハイパーバイザの位置づけを再考しつつあるようだ」と、ライバルの動きを皮肉る。
もっとも、最終的に勝利するのは(新たな)ハイパーバイザ・モデルではなく管理ツールかもしれない。それを裏づけるかのように、Sunは、物理環境と仮想化環境の両方を管理する「Ops Center」を12月から提供し始めるし、Microsoftも同様のコンセプトの下に、管理プラットフォーム「System Center」を構築中だ。
Burton GroupのWolf氏は、この件に関して、次のような見解を述べる。
「後発ベンダーの多くが、仮想化が成熟期に入ってから管理インフラを構築したのに対し、VMwareは仮想化が成長過程にある時期に独自インフラとアーキテクチャを作り上げたため、管理面に関しては若干の手直しが必要なようだ。もちろん、他のベンダーは仮想化技術を市場に投入するまでに(VMwareより)はるかに長い歳月を要しているわけだが、彼らのコア管理アーキテクチャがVMwareのソリューションよりもずっとわかりやすいのは確かだ」
同氏に言わせれば、現在の仮想化市場では、「VMware vs.その他のベンダー」という図式が定着しているが、必ずしもVMwareが一方的に優位に立っているというわけではなさそうだ。
「一方に、ハイパーバイザのコモディティ化で手を組んで、(その取り組みを)管理分野にも広げようと狙っているベンダー群があり、もう一方には、異なるハイパーバイザ・モデルを掲げるVMwareがいる。おそらく来年には、前者の中からVMwareの強敵が出現し、仮想化市場はVMwareの独壇場ではなくなるだろう。機能面では依然としてVMwareに一日の長があるかもしれないが、もしVMwareソリューションの4分の1のコストで必要な機能が入手できるようになれば、その製品は十分に競争力を持つはずだ」(Wolf氏)
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