【 ここから本文 】

仮想化

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


企業コンピューティング15領域のテクノロジー・トレンド予測[前編]

電力問題、ストレージ管理、セキュリティ……今日の課題はいかに解決されるか

(2007年12月11日)

3. SMBテクノロジー
SMBはスタンドアロン・アプリを捨て去る

SMBが選択するアプリケーションはWebブラウザ経由で利用するものになる。つまり、SaaSもしくはホステッド型アプリケーションだ。 オリバー・リスト/InfoWorld米国版

 近い将来、SMB(小・中規模企業)がビジネス・ソフトウェアを購入する際の選択肢はオンデマンド・ソフトだけになるかもしれない。スタンドアロンのパッケージ・ソフトは消え去ることになる。Webブラウザからアプリケーションのあらゆる機能にアクセスできるフルSaaSであれ、マイクロソフトのExchangeのようなホステッド型アプリケーションであれ、その費用対効果はSMBにとって大きな魅力だ。

 今のところ、唯一気がかりなのはインターネットの信頼性だ。SMBの多くは、インターネットを基幹アプリケーションのインフラとして十分な信頼性を備えているとは見なしていない。

 だが、この状況は変わりつつある。米国におけるほとんどの都市部では、ビジネスを麻痺させるようなインターネット障害の件数はこの5年間で激減している。さらに、インターネット・バックアップ・サービスがSMBに提供しているオプションが増えて料金も手ごろになってきたという事情もある。

 つまり、インターネットであっても、冗長性を手軽に確保できるようになってきたわけだ。DSLでバックアップするT1サービスにしろ、企業の専用ケーブルでバックアップするDSLにしろ、2本のインターネット回線を同時に走らせても、かなり低コストで済むようになってきた。

 そのうえ、スタンドアロン・アプリケーションを全面的にSaaSに切り替えることで、社内アプリケーションの管理のために雇っていたITスタッフに支払う給与が不要になることを考えれば、コスト削減効果は絶大だ。特殊な用途のソフトウェアを必要とするケースではスタンドアロン・アプリケーションも残るだろうが、標準的なもので間に合うのであれば、これまでは社内のITスタッフだけで導入するのが難しかったような高度な機能も容易に利用できるようになる。

 しかも、これは今すぐにでも始められることなのだ。セールスフォース・ドットコムのようなSaaSベンダーのアプリケーション・フレームワークを使えば、専門のソフトウェアを必要とするSMBでさえオンラインで十分対応できるだろう。

 大企業の場合は別の懸念もあるかもしれない。だが、最小限のTCOで最大限の機能と柔軟性を求めるSMBには、SaaSやホステッド・アプリケーションが注目株として急浮上することはまちがいなさそうだ。

4. データベース
次なるフロンティアは新たな圧縮技術

データベース容量の肥大化は深刻な問題だ。データ圧縮を利用するという手があるが、従来の技術ではパフォーマンスの面などに問題が残る。 ショーン・マッカウン/InfoWorld米国版

 現在、データベース容量の肥大化が大問題になっている。個々のデータベースがペタバイト級に膨れ上がるなか、IT/IS部門は、それに見合うストレージを探すのに苦労している。この原因はテーブルの数が増えたからではなく、今まで数百万行だったテーブルが数十億行になってきたことだ。数百億行になるのも時間の問題だろう。

 だが、増え続けるデータをいかに格納するかは、問題の3分の1にすぎない。次の3分の1は、データにいかにアクセスするかだ。ディスクの容量単価は低下してきているものの、ペタバイト単位で安定したパフォーマンスを引き出すには数千ものドライブが必要になる。

 残りの3分の1は、この膨大なデータをどこにバックアップするかだ。バックアップが必要なデータベースが数テラバイトの現在でさえ、これを圧縮せずにバックアップするとしたら、コストは大きくなりすぎる。

 筆者の予測では、次に来るデータベース・テクノロジーは、テーブル・データ(および可能性としてデータベース全体)に対する圧縮アルゴリズムと周辺構造のさらなる効率化だ。現在のデータベース圧縮技術は広く普及してもいなければ、DSS(意思決定支援システム)やOLTP(オンライン・トランザクション処理)システムといった過酷な条件を十分に満たせるほどパフォーマンスが高いわけでもない。

 バックアップについては、SQL Server用の圧縮ツールであれば、いくつかのベンダーが取り扱っている。だが、他のRDBMS用には、それほど効果的なツールがない。どれも通常のオープンAPIと標準的な圧縮アルゴリズムに頼っており、将来的にデータベースに要求される高度な圧縮とパフォーマンスに対応するには、別の技術が必要となるだろう。

 こうした理由から筆者は、ライブ・データの圧縮とバックアップの圧縮が、データベース領域における次のビッグ・フロンティアになると予測する。

5. ミドルウェア
真のサービス指向に不可欠なビヘイビア管理

まるでアプリケーション基盤全体が1つの巨大なローカル・システムで走っているかのように見せるのが次のミドルウェアの姿である。 デイブ・リンチカム/InfoWorld米国版

 ミドルウェアは、ある場所から別の場所に情報を移すだけの役割から、SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づいて、より洗練された役割を持つ基盤へと変貌を遂げつつある。今後は、サーバ間の統合から、真のサービス管理やビヘイビア管理へと重点が移っていくはずだ。

 では、具体的に何が違うのか。ミドルウェアは過去10年間、トランスフォーメーション、アプリケーション・セマンティックの整合化、そして場合によっては情報が正しいシステムに届くという保証など、さまざまな機能を追加し、その利便性を高めてきた。ただし、ミドルウェア上に流れるデータのほとんどは、顧客データや売上げデータといった単なる情報にすぎない。

 だが、真のサービス指向ミドルウェアは、機能のビヘイビアをどのように扱うのか、そしてそのビヘイビアをシステム間でどのように共有するかを決められなければならない。つまり、単なる情報共有基盤として機能するのではなく、リモート・メソッドの相互呼び出しやサービス・コールがまるでローカル上で行われているかのように実行されなければならない。データはメソッドにバインドされ、従来と同様にデータへのアクセスを制御するにはメソッドを活用することになる。

 なぜ、このようなミドルウェアが新しいと言えるのか。これまでもミドルウェアは、統合サーバ、メッセージ・ブローカ、サービス対応のキューイング・システムとして機能していたが、その焦点はサービスでなく情報を交換することに置かれてきた。

 今日、サービス指向の環境を構築するために情報指向のミドルウェアが利用されているが、成功しているとは言えない。今後、サービス指向という必要性から、ビヘイビアの共有に焦点が移り、ミドルウェアの構築や展開方法を根本的に変えるだろう。
 

※[中編]に続く


前のページへ < 12| 



関連記事

▲ページの先頭へ戻る



特別企画

日立のストレージ・ソリューション

柔軟なデータ・マネジメント戦略でビジネスを加速させよ

“仮想化”を基盤とした総合力で、情報資産の活用を支援する日立製作所のストレージ・ソリューション

「ストレージ仮想化が仮想サーバのメリットを最大化する」デルのアプローチと「Dell™ EqualLogic® PS5000 Series」の実力

キャッチアップ

仮想化の真のメリットは、コスト削減よりも俊敏性向上

メリットを享受するには、継続的なキャパシティ・プランニングが必要

「仮想化は次世代のOS」――レッドハットが狙うオープンソース革命“再び”

ハイパーバイザとセキュリティ管理製品からなる「オープンな仮想化プラットフォーム」を強調

マネージド・サービス・プロバイダーに見る仮想化技術の効用

サービス品質/アジリティの向上を果たしたコンテジックス

仮想化環境における“ライセンス・コスト”が議論の的に

VMwareユーザー間でソフトウェア・ライセンスの現状に疑問の声

注目の「仮想アプライアンス」がもたらすメリット

仮想化環境で即座に実行できるアプリケーションの新配布モデル

次世代仮想化プラットフォーム「Hyper-V」研究

サーバの仮想化はどう進化するのか!?

「仮想化時代」に到来する3つのテクノロジー・トレンド

グリーンIT/プロビジョニング/自律コンピューティング

【Forrester調査】IT部門の3分の2が2009年までに仮想化技術を導入

「仮想化ベースの戦略的なITインフラ構想に移行する動きも広がる」

“ハイパーバイザ・バトル”を制するのはだれ?――白熱する仮想化市場

王者VMwareに挑む、後発の大手ベンダーたち

注目度を増すサーバ仮想化──米国企業の導入・活用の実態に迫る

ユーザー調査に見る仮想化技術の課題と現実

仮想化実践講座

Windows仮想化をトータルに管理する「Virtual Machine Manager」

System Centerで変わる仮想環境のシステム運用管理

「Hyper-V RC1」緊急レビュー

Windows Server 2008標準搭載の仮想化ハイパーバイザを徹底解剖

仮想環境でのセキュリティを考える

ユーザー調査に見る仮想化技術の課題と現実

仮想化導入前に自問すべき10のポイント

技術的「準備度」や事業目標の「認識度」を診断する

アプリケーション/デスクトップ仮想化[実現手法とベンダー動向]

データセンターの外では「クライアント管理の簡素化」が仮想化のメリット

これだけある「仮想アプライアンス」のメリット

コスト削減をはじめ、さまざまな点で有利に

サーバ仮想化技術を整理する

完全仮想化か、擬似仮想化か、それともOSレベルの仮想化か

テスト環境でも威力を発揮するサーバ仮想化技術

作業時間の短縮化に貢献

仮想マシンをいかに管理するか

機能不足のツールを使いこなす

ストレージ仮想化

ストレージ仮想化[メリットと手法を確認する]

普及が進み、成熟期を迎えた仮想化技術

注目集めるストレージ仮想化技術――企業は管理コスト削減に期待

管理コストを95%削減した事例も

「シン・プロビジョニング」でストレージ・リソースの“無駄づかい”を撤廃する

手付かずの容量を有効活用するためのアプローチ

ストレージ仮想化技術の“現在”を探る

最も成熟し、製品も豊富にそろうレイヤにどう取り組むべきか

事例研究

データセンターの新増設で、CIOたちが実際に経験したこと

キャパシティ、設置スペース、電力と発熱、コスト――問われる課題への解決力

ディザスタ・リカバリのモデル・プロジェクト発進!

北米大陸の両端に位置する2つの大学を結んで展開される野心的ディザスタ・リカバリ・プロジェクト

先進ユーザーから学ぶサーバ仮想化導入の「落とし穴」

ネット構成、ライセンス、セキュリティに細心の注意を!

早期導入ユーザーに見るサーバ仮想化のメリットと教訓

数十台の物理サーバ上で400以上の仮想マシンを運用

先進事例に見る仮想化ソフト導入の最適解

コスト効果は100万ドル

仮想化の課題

ヴイエムウェアがはまる、仮想化最大手ゆえの「落とし穴」

仮想化ハイパーバイザの優劣に固執する姿勢に疑問あり

重要アプリの仮想環境への移行、サーバ担当マネジャーは総じて消極的

重要性・機密性の高いアプリほど仮想化技術の適用外に

仮想サーバの脆弱性は仮想マシンにあり――研究者がBlack Hatで講演

「仮想マシンが物理サーバ間を移行するときに攻撃を受けやすい」

「仮想化サーバの管理に自信が持てない」とするCIOが半数以上に

懸案事項は、セキュリティ/異種インフラ管理/システム利用の最適化

懲罰的なソフト・ライセンスがサーバ仮想化の妨げに

VM上のアプリを巡り、一部ベンダーが手間とコストを顧客に強要

技術的未熟さが目立つx86サーバの仮想化

メインフレームの場合とは異なる扱いに戸惑いも

仮想サーバの管理プロファイル、標準化団体DMTFがCIMベースで策定

VMwareやIBMなども策定に参加、自社製品でサポートへ

アナリストが警鐘、「仮想化のセキュリティ・リスクは看過されている」

仮想マシンのセキュリティ対策は物理マシンと同じではない!!

仮想化を巡る8つの課題

性能、セキュリティ、ライセンス、ストレージ……

トレンド・ウォッチ

ヴイエムウェアの「ESX 3.5」がマイクロソフトから認定

マイクロソフトがVMware環境へのテクニカル・サポートを提供へ(2008年09月04日)

CTC、日本HP、マイクロソフトの3社、顧客環境を想定したHyper-Vの動作検証を共同で実施へ

サイジング・データ取得やシステム構築手法の確立を目指す(2008年08月27日)

ノベル、小・中規模企業向けに「Xen仮想化スターターキット」を提供開始

Windowsサーバ統合を容易に行うための、ハードウェアを含んだ検証済み構成(2008年08月07日)

ヴイエムウェア、複数の仮想テスト環境の管理・自動化を可能にする「Lab Manager 3」をリリース

開発/テスト環境だけでなく、ヘルプデスクやトレーニングなど幅広い用途を想定(2008年08月07日)

CTC、VMwareに特化した仮想化検証施設「Competency Center for VWware」を開設

VMwareの性能を最大限に引き出す技術/製品/サービスの組み合わせを検証(2008年07月24日)

ヴイエムウェア、次期VMware ESXiを無償提供へ

競合他社からの追い上げを受けて決断(2008年07月23日)

シトリックス、マルチベンダー仮想化環境の構築・管理ツール「Project Kensho」を発表

OVFに準拠し、XenServer、Hyper-V、VMware ESXの混在を可能に(2008年07月16日)

Macの企業ネットワーク接続/管理の問題に取り組むアライアンスが発足

企業クライアントPCとしてMacを使いたいユーザーに朗報(2008年07月03日)

シトリックスと日立、XenApp用の指静脈認証システムを共同で開発

セキュリティ強化だけでなく利便性も向上(2008年07月03日)

マイクロソフト、サーバ仮想化ソフト「Hyper-V」の正式版をリリース

単体製品としてサーバ当たり28ドルでの提供も開始(2008年06月27日)

仮想化技術の普及で、仮想化エキスパートへの求人が急増

幹部職クラスでは年収数十万ドルの好待遇も(2008年05月26日)

シトリックス、Xenエンジン採用のデスクトップ仮想化ソフト「XenDesktop」を出荷開始

個々にカスタマイズ可能な仮想Windowsデスクトップを提供(2008年05月21日)

ヴイエムウェアが仮想サーバの管理ソフト2種を発表、障害復旧/アプリ導入を支援

管理ソフト群のパッケージ製品もリリース(2008年05月13日)

デルが仮想化製品/サービスを強化――仮想化ソフト組み込み型「PowerEdge」サーバなどを発表

仮想化ソフトはVMware/XenServer/Oracle VMをサポート(2008年05月13日)

「VMwareより3倍高効率」――日本オラクルが「Oracle VM」の国内提供を開始

仮想アプライアンスの提供にも本腰(2008年03月13日)

Weekly Ranking

集計期間:11/28〜12/04



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国