【 ここから本文 】

仮想化

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


仮想化技術

[米国] 【Saugatuck調査】
技術的未熟さが目立つx86サーバの仮想化

メインフレームの場合とは異なる扱いに戸惑いも

(2008年01月09日)

 米国の調査会社Saugatuck Technologyによると、x86サーバの仮想化はメインフレームの場合と比べてまだまだ技術的に未熟な段階にあり、導入や運用時に予想外の苦戦を強いられるユーザー企業も少なくないという。Saugatuckのアナリストは、メインフレームに精通しているITマネジャーほどx86サーバの仮想化に苦労する傾向が強いと指摘している。

 「(仮想化の)やり方を熟知していると勘違いしている企業は多い。特に大企業は、すでに把握していると考えて安易に取り組んでいる」と、Saugatuckのアナリストであるチャーリー・バーンズ(Charlie Burns)氏は警鐘を鳴らす。

 同氏は、今週発行されたリポート「The Many Faces of Virtualization: Understanding a New IT Reality(仮想化の多くの側面:新たなITの現実を理解する)」の中で、次のように述べている。

 「問題は、従来のやり方とは異なることにある。(多くの企業は)導入を始めてすぐに、メインフレームでは仮想化メカニズムによって自動的に処理されることが、x86の場合はそうでない、もしくは自動的に処理されても成熟度や堅牢性が劣ることに気づくようだ」

 仮想サーバの場合、OSとハードウェアの間に抽象化レイヤを持っている。したがって、各サーバで単独のアプリケーションだけをホスティングする従来型の環境よりも運用管理が難しいことは事実だ。「何か問題が起こっても、この抽象化レイヤのせいで、問題の原因となっているデバイスを判別しにくい」とBurns氏は言う。

 Burns氏によると、1つのx86サーバで約5種類以上のOSイメージを走らせようとすると運用管理の問題にも直面するという。一方、メインフレーム対応の仮想化ツールなら、多くの場合、1台のハードウェアで数百の仮想サーバを快適に運用することができる。

 「x86サーバの仮想化に使われるハイパーバイザでは、メインフレームの仮想化とは異なり、ワークロードの要件とパフォーマンスのバランスをうまく取れない」(Burns氏)

 Burns氏がインタビュー取材したITマネジャーの多くは、x86ベースの仮想サーバを導入、運用して初めて、実際の物理サーバとは異なるルールとベスト・プラクティスがあることに気づいたと語ったという。物理サーバを高速化したければメモリを増設すればよいが、仮想サーバの場合、必ずしも正しいやり方というのは存在しないのだ。

 「x86サーバの仮想環境ではまったく逆効果になることも珍しくない。仮想イメージにおける仮想ストレージの容量を増やすと、全体のスピードが遅くなることさえある。仮想サーバ環境では今までの常識が通用しないのだ」(Burns氏)

 ITエグゼクティブがサーバ利用率の向上に力を入れ始めたことで、サーバ仮想化がここ2、3年で急速に人気を集めた。これにともない、仮想化ツールも大幅に改良されたが、それでも現在の仮想化技術が抱える問題の解決にはさらに3〜5年はかかると、Burns氏は見ている。

 「2、3年経てば、VMware、XenSource(Citrixの子会社)、SWsoft(現社名Parallels)といった主要ベンダーの仮想化ハイパーバイザもいっそう改善されるだろう。IntelやAMDが取り組んでいるプロセッサ・レベルでの仮想化も、そのころには確かな成果が得られているはずだ。x86サーバの仮想化は3〜5年以内に十分なレベルまで成熟し、堅牢性も高まっているに違いない」とBurns氏は期待を寄せている。

 同氏は、今のところ基本に忠実に従うことが仮想化の近道だと語る。明確に定義した目標を満たすプランを作り、既存のツールを調べて、その中で最もアップデート頻度の多いベストな仮想化技術を使うのだ。

 Saugatuckの予測では、主要な仮想化ベンダーはVMware、Cisco、XenSourceで占められ、2010年までに新たに展開される仮想化ツールの60%はこれら3社のものになる見込みだ。とはいえ、ITプロセスと専門的なスキルの欠如、顧客が利用できるサービスや運用管理ツールの不足といった深刻な理由から、仮想化技術の活用は今後5年間は限られたものになりそうだと、Burns氏はリポートに記している。

 x86サーバの仮想化技術は、メインフレームのそれよりも速いスピードで成熟に向かっている。ただし、メインフレームのときはほとんどのシステム・コンポーネントが同じベンダー、つまりIBM製だったが、それに対してx86サーバ仮想化の場合は、マイクロプロセッサからサーバ・プラットフォーム、ストレージ、ハイパーバイザ、OSに至るまで、複数のベンダーが関与している。この点が、仮想化技術の成熟を遅らせる要因の1つになりうることは十分に予想できる。

 Burns氏は「ベンダーによって(仮想化の)目的がそれぞれ異なることもある」とリポートに記し、仮想化技術が複数のベンダーによって無秩序に開発されていることに懸念を示している。

(Jon Brodkin/Network World米国版)




関連記事

▲ページの先頭へ戻る


Computerworld Special

シトリックス & マイクロソフトが語る仮想デスクトップの“今”と“これから”

「いつでも」「どこでも」同じデスクトップ環境を――Hyper-V 2.0とXenDesktop 4.0が実現する快適なVDI

「F5 ARXシリーズ」がもたらすデータ管理革命

ファイル・ストレージの仮想化でストレージ環境の運用管理負荷とコストを大幅削減

キャッチアップ

国内仮想化サーバ市場の最新予測、2009年は前年比1.6%の微減に

2010年にプラス成長に復帰、2008年〜2013年は平均18.3%のプラス成長

2009年の国内クライアント仮想化市場規模、1,265億円に成長

以後も年間平均成長率27.5%で拡大し、2013年には3,770億円に

仮想化テクノロジーの普及を促す標準規格「OVF」

「仮想アプライアンス」の抱える課題を解決するために

【座談会】マイクロソフト、シトリックス、ヴイエムウェアが語る「仮想化の今、そして未来」

これから必要な仮想化テクノロジーはこれだ!

「インテルTXT」――セキュリティ機構が“売り”の仮想化応用技術

システム全体のセキュリティ強化を支援する仮想化応用技術

仮想化の真のメリットは、コスト削減よりも俊敏性向上

メリットを享受するには、継続的なキャパシティ・プランニングが必要

注目の「仮想アプライアンス」がもたらすメリット

仮想化環境で即座に実行できるアプリケーションの新配布モデル

仮想化実践講座

企業がエンジニアに求める5つの「仮想化スキル」

不況下でも企業は仮想化技術に精通するIT部門の人材増強を検討

仮想化運用のカギは「仮想サーバの台数抑制」

仮想サーバの増殖で仮想化のコスト効果が帳消しになる可能性も

サーバ仮想化導入ステップガイド[計画編]

VMwareの導入から配備までを「ハンズオン」

サーバ仮想化導入ステップガイド[配備編]

VMwareの導入から配備までを「ハンズオン」

仮想環境でのセキュリティを考える

ユーザー調査に見る仮想化技術の課題と現実

仮想化導入前に自問すべき10のポイント

技術的「準備度」や事業目標の「認識度」を診断する

サーバ仮想化技術を整理する

完全仮想化か、擬似仮想化か、それともOSレベルの仮想化か

事例研究

どちらを選ぶ? 仮想化とクラウド・サービス

判断材料は「ニーズとコストとのバランス」だが、決め手はそれだけではない

データセンターの新増設で、CIOたちが実際に経験したこと

キャパシティ、設置スペース、電力と発熱、コスト――問われる課題への解決力

ディザスタ・リカバリのモデル・プロジェクト発進!

北米大陸の両端に位置する2つの大学を結んで展開される野心的ディザスタ・リカバリ・プロジェクト

先進ユーザーから学ぶサーバ仮想化導入の「落とし穴」

ネット構成、ライセンス、セキュリティに細心の注意を!

早期導入ユーザーに見るサーバ仮想化のメリットと教訓

数十台の物理サーバ上で400以上の仮想マシンを運用

仮想化の課題

仮想化テクノロジーが克服すべき3つの課題

運用管理方法は? サポート体制は? 仮想化ベンダー選定の基準は?

サーバ仮想化の“不都合な真実”

システム統合のカギとなるテクノロジーだが、“落とし穴”に注意

マイクロソフトの仮想化戦略が抱える問題点とは

機能の不足、遅い開発サイクル、ライセンスの問題を専門家が指摘

仮想サーバの脆弱性は仮想マシンにあり――研究者がBlack Hatで講演

「仮想マシンが物理サーバ間を移行するときに攻撃を受けやすい」

「仮想化サーバの管理に自信が持てない」とするCIOが半数以上に

懸案事項は、セキュリティ/異種インフラ管理/システム利用の最適化

技術的未熟さが目立つx86サーバの仮想化

メインフレームの場合とは異なる扱いに戸惑いも

アナリストが警鐘、「仮想化のセキュリティ・リスクは看過されている」

仮想マシンのセキュリティ対策は物理マシンと同じではない!!

Weekly Ranking

集計期間:02/03〜02/09



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国