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SOA

【連載】
エンタープライズ・オープンソース[ベスト・セレクション]

第1回 業務アプリケーション

(2008年03月12日)

成熟度の高いポータルの中でも総合的にすぐれた「Liferay Portal」

 成熟したエンタープライズ・オープンソース分野を挙げるとしたら、ポータルだろう。オープンソース・ポータルは、標準技術の採用とそれによる相互運用性の確保に成功した好例だ。ポータルは各種システム/アプリケーションのコンテンツを集約するゲートウェイとして機能するが、そのための標準仕様として一般的にJSR-168互換のポートレット(Javaポートレット)を利用している。

 最終候補に残ったオープンソース・ポータルはすべて、この標準仕様に準拠していたが、ユーザビリティ、アーキテクチャ、セキュリティ、統合性といった面を総合的に判断して「Liferay Portal」を選出した。特に直感的なユーザー・エクスペリエンス、ポートレットの操作性、管理機能が高い評価につながった。

 最新バージョンでは、PHPとRubyがサポートされ、セキュリティ面ではLDAPのほかに、Active DirectoryあるいはOpenIDによるシングル・サインオンが可能になった。また、Exchangeとの統合、iCalポートレット、WebDAVといった機能に加え、Liferayは60種類以上のポートレットを用意している。

 堅牢で拡張性が高い「JBoss Application Server」で実行される「JBoss Portal」も、僅差の高評価を得た。JDBC互換データベースをサポートし、Liferayとほぼ同等のセキュリティ機能を備えているが、JBossのユーザー・インタフェースは改善の余地がある。用意されているコンポーネントの数もLiferayと比較して少ない。

 高等教育機関のキャンパスWebという用途に特化した「uPortal」も、注目すべきオープンソース・ポータルである。一連のJavaクラスと教育機関向けに調整されたXML/XSLを活用するこのソフトウェアは、Javaに精通したスタッフさえいれば、その価値を存分に享受できるはずだ。

 最後の「GridSphere」は、小規模な開発チームでメンテナンスされ、ポータル・フレームワークと、ユーザー・プロファイルの作成や外観のカスタマイズなどを行うコア・ポートレット群などで構成されている。ポートレットの導入を容易にする管理機能を備え、「Visual Beans」や「GridSphere User Interface」タグ・ライブラリを利用して、複雑なポートレットを作成することも可能だ。

多数の強豪がひしめくCMS分野で圧勝した「Alfresco」

 CMS(コンテンツ管理システム)は、「DotNetNuke」、「Drupal」、「Joomla」、「Plone」といった強豪がひしめく分野だ。これらには十分な実力があるが、今回は「Alfresco」を選出した(画面2)。


画面2:「Alfresco」のWebクライアント画面。多言語対応、導入オプションやビルトイン・アプリケーションの広範さなどが選定のポイントとなった

 使いやすさ、機能、セキュリティ、拡張性、管理性、さらにはコミュニティの団結力、支援組織のサポート力などを総合的に判断した結果、Alfrescoの圧勝となった。特に、多言語対応、導入オプションやビルトイン・アプリケーションの広範さ、エンタープライズ・レベルのセキュリティ、すぐれたドキュメント管理といった点が高評価につながった。

 そうは言っても、他のソフトウェアが拡張性に乏しく、サポート体制が不備で、ローカライズが困難であるというわけではない。次点のPloneも、これらの面で問題はなかったが、アドインを別途探し出して用意しなければならない点に難があった。

 DotNetNuke、Joomla、Drupalも企業利用に堪えうるものだが、それぞれ弱点がある。DrupalとJoomlaは認証オプションが少なく、DotNetNukeは.NETアプリケーションではあっても、Office製品との統合性が十分ではない。

 CMS分野では、オープンソース・モデルが隆盛期を迎えている。ここに挙げた5つのソフトウェアは、100を超えるリストから選び抜かれたものだ。サポートやカスタマイズのコストを含めてもオープンソースCMSは、商用ソフトウェアに劣らないメリットがある。商用ではコスト的に難しいと思われる機能を追加できることも、大きなメリットだ。

コラボレーション分野では企業利用に配慮した「Scalix」

 いくつかのプロジェクトは、「Microsoft Exchange」互換のコラボレーション・サーバの実装を目指している。だが、今のところ、注目に値するオープンソースは「Open-Xchange」、「Scalix」、「Zimbra」の3つだけだ。これらには、いずれも商用エディションとコミュニティ・エディションがあり、単体ではLinuxベースのExchange代替ソフトとなる。

 今回、最も高い評価を得たのは、Scalixである(画面3)。最近Xandros(旧Corel Linux)に買収されたScalixは、Webベースの管理インタフェースを備え、OutlookやNovell Evolutionとの統合性にもすぐれている。POP/IMAPサーバ、Ajaxメール/カレンダー・クライアントといった機能も提供する。ただし、機能面や先進性が高評価の理由ではない(これらの点ではZimbraに軍配が上がる)。Scalixは、「HP OpenMail」をベースとする血統と共に、多くの企業がメール/コラボレーション・プラットフォームに期待するものを持っているからだ。


画面3:「Scalix」のWebインタフェース。ビジネスでの必要性に配慮した機能群や使い勝手が選定のポイントだ

 Open-XchangeやZimbraと同様に、XandrosもScalixの基礎部分はオープンソース化したが、最も利益が見込める部分はクローズドのままとしており、オープンソース版ではOutlookクライアントとの連携機能をフルに実装していない。ただし、バイナリでダウンロード可能な「Community Edition」を使えば、Exchangeと同じようにOutlookとやり取りすることが可能になる。


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エンタープライズ・オープンソース[ベスト・セレクション]
第1回 業務アプリケーション
第2回 ネットワーク
第3回 プラットフォーム/ミドルウェア
第4回 セキュリティ
第5回 モニタリング
第6回 ストレージ管理
第7回 開発言語
第8回 開発ツール

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