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Web 2.0

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SOA

【FASTforward'07】
Web 2.0のキーパーソンたちが語る「企業と検索の良好な関係」 Update

ITマネジャーの新たな課題──サーチやソーシャル・メディアをビジネスにどう活用するか

(2007年02月10日)

「エンタープライズ2.0」
──企業とWeb 2.0のつきあい方

写真4:アンドリュー・マカフィー氏は、エンタープライズ2.0を導入する際の注意点にまで踏み込んで解説した

 Web 2.0時代の代表的技術/ツールには、ブログやWiki、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、RSS(RDF Site Summary)などが挙げられる。現在、これらをビジネス・コンピューティングの世界で活用する動きが活発化していることは、本誌読者の皆さんなら多くがご存じだろう。コンファレンスでは、ハーバード・ビジネス・スクールのマカフィー氏が基調講演のテーマに「エンタープライズ2.0」を選び、来場者の関心を集めた。同氏は、エンタープライズ2.0の定義を次のように説明した。

 「エンタープライズ2.0とは、企業内で、パートナー企業や顧客との間で新世代のソーシャル・ソフトウェアを使うことである。このテクノロジーはプラットフォームとして全社的に浸透していくものだ」

 マカフィー氏は来場者に向かってソーシャル・ソフトウェアの有効な活用方法を紹介するとともに、そうした活用を企業に根づかせることの難しさを説いた。同氏は、単にソーシャル・ソフトウェアを導入して、従業員がそれらを使い始めるのを待っているだけでは何も起こらないと述べ、実際にビジネスの現場で効果を上げるようにするには、継続的な努力と工夫が必要であると強調した。

写真5:みずから提唱したロングテール理論の課題を説いたクリス・アンダーソン氏

 「エンタープライズ2.0を会社のDNAに組み込むのは容易なことではない。それには、コーチングやインセンティブ・プログラムなどを通じた継続的なマネジメントが必要で、経営層のリーダーシップも問われる。ソーシャル・ソフトウェアを活用し、イノベーションを生み出せるようなカルチャーを構築していく過程で、従業員は、新世代のツールが彼らの業務にもたらすメリットを徐々に理解できるようになるだろう」(マカフィー氏)

 現在のところ、Web 2.0系の技術やツールは主として、企業と顧客の接点作り、関係強化や従業員間のコミュニケーション/コラボレーションの強化を支援するものとして、多くの企業に期待されている(図1)。マカフィー氏は、電子メールやグループウェアなど旧来のコミュニケーション/コラボレーション・ソフトウェアとソーシャル・ソフトウェアの最大の違いは、構造化されているか否かにあると話し、次のように指摘した。

 「例えば従来型のグループウェアの場合、インタラクションのための大量のルールが最初から定められるよう要求してくる。企業での導入がしばしば失敗に終わったのは、そのせいだと考えている」


図1:Web 2.0が企業のビジネスに与える影響

Web 2.0が前提となる中で企業が競争力を高めるには

 Web 2.0。オライリー氏が2005年9月に発表した論文に端を発するこの言葉が注目を浴びて久しい。とかくWebの最先端トレンドといったバズワード的な使われ方をされがちで、IT業界では製品やサービスの競争優位性をアピールする際、安易にこの言葉を連発する向きも少なくない。

 だが、Web 2.0という動きは流行ではなく、文字どおりWeb(1.0)の次のフェーズとして必然的に広まっていくものである。現時点でWeb 2.0と形容される考え方や技術が最先端に映ったとしても、今後は徐々に当たり前のものとなり、企業にとっての導入と活用は競争優位の獲得から前提へとシフトしていくことになる。1990年代半ばにWeb 1.0が幕を開け、世界中の企業がこぞって自社の「ホームページ」を開設し、その上で電子商取引を始めたように、Web 2.0も必然的なフェーズアップとして取り入れられていくことが予想される(その際、あえてWeb 1.0のままでビジネスを続ける手もあろう。そうした世の流れに逆らう戦略が奏功する可能性は否定しない)。

 今回、FASTforward '07のステージで展開されたキーパーソンたちの講演はどれも、啓蒙の期間を終えて本格普及期に入ったWeb 2.0の世界で、いかにして競合他社との差別化を図り、競争力をつけていくかにポイントが置かれていた。ホスト役に徹したファストも、もちろんWeb 2.0を前提ととらえ、その状況下で顧客のビジネスを支援するエンタープライズ検索製品の提供に力を注いでいる。このイベント・リポートで詳しく紹介することのできなかった、FAST ESPをはじめとする今日のエンタープライズ検索技術/製品のトレンドについては、この分野を特集テーマとする今後の号でお届けしたいと思う。

Interview
「検索の完全性こそがエンタープライズ検索の要件である」──ファストCTOのオルスタッド氏

ファストのCTO(最高技術責任者)を務めるビョルン・オルスタッド氏は、創業当初から検索技術が企業コンピューティングに不可欠な存在になることを見通し、ビジョナリーとしてCEOのレルヴィック氏と共に同社を牽引してきた人物である。グループ・インタビューに応じたオルスタッド氏は、エンタープライズ検索の要件について丁寧に説明してくれた。

──エンタープライズ検索とWeb検索の最大の違いは何か。
オルスタッド氏は、今後の研究開発の取り組みとして「よりユーザー・セントリックな検索を実現したい」と語った

オルスタッド氏:ヤフーやグーグル、マイクロソフトらによってWeb検索が広範に普及したことは、エンタープライズ検索を専らとするファストにとっても実はありがたい話であった。彼らが昔ながらのSQL検索とは別に、インターネットの世界にはもう1つ大きな検索技術があることを世に知らしめた功績は非常に大きいと思う。

 とはいえ、現状のWeb検索は文書検索の域を出ず、その検索結果は、該当する項目がただ並んでいるだけである。企業内の複雑なデータ・スキーマに対してさまざまな観点から探索をかけるエンタープライズ検索の検索結果と比べると、深みがまったく違う。そもそも、両者は手法も目的も求められるパフォーマンスも大きく異なっている。

 最大の違いを挙げるなら、それは検索結果の完全性だと思う。Web検索の場合、検索結果がユーザーにとってそこそこ的を射たものであれば、大抵のユーザーは「まあ、これでいいや」と納得する。しかし、エンタープライズ検索は、その結果に抜けがあったら業務のためのシステムとしては、まったく的が外れたものと判断される。特に金融機関の場合はそうである。

 もう1つ、エンタープライズ検索独自の概念として、クエリの発見がある。類似のクエリを次々投じて最終的な結果を探し出すという従来型の検索は、逆に言うと、何を探しているのかがある程度明確になっていて、それをクエリに定義できるからこそ行えるわけだ。この方法だと、何を探しているのかが定まっていない場合には適切な結果にたどり着くことが非常に困難になる。一方、当社が取り組んでいるような最新のエンタープライズ検索は、何を探そうとしているのかまでも見つけ出す技術である。

──検索の完全性を実現する技術としてファストは何を提供しているのか。

オルスタッド氏:完全性に関連する要素は4つある。1つ目は検索のためのデータ・ソースとそのサイズである。いかに迅速かつ経済的にデータ・ソースとして絞り込むことができるかという点だ。

 2つ目はデータ・ソースの内容の重要性を失わずに完全に表現できるXMLモデルだ。このXMLモデルの出来不出来によって、検索処理のパフォーマンスは大きく変わってくる。

 3つ目はアクセス。SQL検索の場合、3万件がヒットしたとして、そのうちのどれが重要なのかの判断をユーザーまかせにせざるをえなかった。FAST ESPでは3万件の結果に対して、検索を試みたユーザーにとっての価値とノイズを技術的に切り分けることを実現している。

 4つ目は発見のための支援。結果に対する傾向を分析し、数理統計的なデータでもって、膨大な結果からより適切な発見を行うことをサポートする。

──ファストは現在、ビジネス・インテリジェンス(BI)における検索技術の活用に取り組んでいる。検索はBIの世界をどのように変えるのか。

オルスタッド氏:毎週金曜の午後3時に各地域の売上げ情報を示すといったように、従来型のBIは定期的、定型的であることが特徴となっている。それに対し、エンタープライズ検索からのアプローチでは、傾向に変化が起こった際、人間が認識可能な事象の裏側で何が起こっているのかを探る。この点は、アドホック性の極みであり、刻々と変わりゆく状況に対応することを可能にする。

 例えば、「アルツハイマー病の発症要素がDNAのある因子に連動している可能性が認められる」といった情報は、検索の登場以前だと、何万件もの文献に当たらなければ絶対に判明しなかった。今日では、いくつかのキーワードを投じるだけで関連する情報がヒットする。つまり、過去にはほぼ不可能と言えるほど困難だった問題が解決できるようになってきているのだ。もっとも、こうした技術革新がなせる技は、何もエンタープライズ検索に限った話ではないが。



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