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【インタビュー】
「Wikipediaの権威失墜。それがCitizendiumを作った理由だ」

ラリー・サンガー氏、古巣のWikipediaと新・百科事典サイトについて語る

(2007年04月25日)

今年3月、「Wikipedia」の共同創始者だったラリー・サンガー氏が新しいオンライン百科事典サイト「Citizendium」を立ち上げた。ウィキメディア財団に別れを告げた同氏は、Wikipediaのライバルとも言える新しい百科事典サイトをスタートさせたのである。なぜWikipediaとは別のオンライン百科事典が必要なのか。また、「すべてのルールを無視せよ」という哲学をなぜCitizendiumでは実践しないのか。Computerworld オンライン米国版が同氏に話を聞いた。

ヘザー・ヘイブンステイン
Computerworld オンライン米国版

──Citizendiumを立ち上げたのは、Wikipediaに対抗するのが目的なのか。

 そうではない。誤解しないでほしい。われわれの存在がWikipediaを滅ぼすことは、まずありえない。Wikipediaは、その方針に賛同する膨大な数の人々が築いた地盤をすでに持ち、拡大の勢いもいまだ衰えていない。合法かつ倫理的な運営が続けられるかぎり、Wikipediaの成長と繁栄をわたし自身は全面的に応援するつもりだ。

──では、なぜCitizendiumを立ち上げたのか。

 世界は今、Wikipedia以外の何かを必要としている。さらに質の高い、信頼のおけるフリーのオンライン百科事典をだ。なぜそれが必要とされているのかと言えば、Wikipediaの権威が失墜したことが理由だと、わたし自身は考えている。

 これまで、専門家をはじめ多くの人々が、後味の悪い思いをしてWikipediaから去って行った。なぜなら、彼らが手助けした作業の多くは削除され、貢献しても尊重されないからだ。いま必要とされているのは、そうした不条理がまかり通ることのない、だれもが自由に気持ちよく参加できる場所だ。

 Wikipediaは、悪意ある匿名者を含めあらゆる人々に場所を開放しているがゆえに、そうした環境を好ましく思っていない人を排除する閉鎖的な場所と化してしまった。残念なことだ。

──あなたがWikipediaで提唱してきた「ルールを無視しなさい」という哲学を、Citizendiumではなぜ実践しないのか。

 確かに、これを唱えたのはわたしだ。ユーモラスな表現のつもりで提案したのだが、文字どおりに解釈されてしまい、数カ月後に訂正したほどだ。そもそもこのルールの趣旨は、「(Wikipediaに)参加するにあたって、細かい形式や1つ1つのポリシーをいちいち忠実に守る必要はない」ということだった。

 例えば、記事の題名をうっかり太字にしたとしても、だれかが修正してくれるだろう。参加者は、修正されることで学習していくはずだ。これこそ、わたしが「ルールを無視せよ」で主張したかったことだ。決して「好き勝手しても、だれからもとがめられない」という意味ではない。

ラリー・サンガー氏が編集長を務めるCitizendium
──Citizendiumにおける重要なポリシーとプロセスを挙げてほしい。

 われわれが目指しているのは、悪意ある振る舞いを迅速かつ容易に抑制できるプロセスの確立だ。だれかが貢献者に対して不快な振る舞いをしたら、それをやめるよう指導することにしており、すでに実践している。

 最近、あるプロフェッショナルの貢献者が、別のプロフェッショナルの貢献者が執筆した記事に対して、理由もなく良くない記事だと非難したことがあった。すると、Citizendiumのコンスタブル(管理長官の意)の1人がそれに気づき、非難のコメントを削除した。そして、「(Citizendiumでは)プロフェッショナルとしての行動を求めるポリシーを制定している」との趣旨のメッセージを掲載、同ポリシー・ページへのリンクを張った。

 もう1つ重要なのは、本名を名乗らせるというポリシーだ。すべての貢献者に対し、本名を名乗るよう義務づけている。このことは、当プロジェクトにおける礼儀正しい振る舞いのレベルを維持するうえで効果をもたらし、また掲載記事の信頼性向上にも貢献していると感じている。

──どのような人がCitizendiumの運営にボランティアとして参加しているのか。

 長期在職権を持つ大学教授から頭脳明晰なティーンエージャーまでさまざまだ。実に多様な人々で構成されている。そうした集まりは、われわれが望むところでもある。

(Computerworld.jp)




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