【 ここから本文 】

Web 2.0

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


SOA

Web 2.0時代のセキュリティ対策[前編]
ソーシャル・メディアのセキュリティ・リスク

ブログ、Wiki、SNS、ビデオ共有……便利だが危険と隣り合わせのWeb 2.0

(2007年07月24日)

ネットワーク監視ソフトの採用

 一方、ニューヨークの投資会社、デューン・キャピタル・マネジメントでは、グローバル・クロッシングよりも厳しいポリシーを設定している。IT担当バイスプレジデントのアルフォンセ・エドゥアール氏によると、同社ではQ1ラブズのネットワーク監視ソフトウェア「QRadar」(画面1)を使い、取り引きの多い時間帯には、従業員のSNSやビデオ共有サイトへのアクセスの一切をブロックしている。これにより、貴重なネットワーク帯域を無駄にすることなく、ソーシャル・メディアをねらう悪意あるコードに対して先手を打って防御していると同氏は話す。


画面1:Q1ラブズのネットワーク監視ソフトウェア「QRadar」の管理画面

 QRadarは、従業員が社内のPCから訪問するサイトを監視し、アップロードやダウンロード、ファイル転送、そしてその活動が帯域にどう影響しているかについてフロー・リポートを作成する。こうした機能は、エドゥアール氏が率いる同社のIT/IS部門がファイアウォール内からネットワークを攻撃するマルウェアなどを突き止める作業を楽にしてくれる。

 例えば、トロイの木馬がメール・メッセージからLANに侵入し、外部のWebサイトとセキュアな接続を確立してしまい、従業員のPCのWebブラウザに大量のポップアップ広告が表示されるような被害もありうる。もちろん、ほとんどの企業はウイルス対策ソフトを使ってこうした被害を防いでいるが、「たった1台でも感染すると、瞬く間に広がっていく。その日の夕方には20〜30台のPCがやられてしまう場合がある」とエドゥアール氏。そこで、QRadarのようなサイトとのやり取りを監視するソフトが有効になる。監視ソフトは、疑わしいトラフィック・パターンが検知されたら、ただちにそのサイトへのアクセスをブロックすることが可能になっている。

 エドゥアール氏は、どんなにささいなことでも油断は禁物だとして、従業員がPCに、天気予報や検索エンジンのデスクトップ・ツールバーをインストールすることに対しても慎重な姿勢をとる。「小さくても常駐して外部サイトとのアクセスを定期的に行うソフトは、大勢が使えばネットワーク・リソースをかなり費やすうえ、仕事とは直接関係ないものが多い。ツールバーをインストールするのではなく、Webブラウザで利用できるサービスならまだましなのだが」と同氏。

セキュリティ・リスクを抑止する技術

 ガートナーのハラウェル氏によれば、多くの企業は、Web 2.0系のツールやサービスの利用によって生じる種々のリスクを減らすために、セキュリティ技術の導入よりもポリシーを重視しているという。上で紹介したデューン・キャピタル・マネジメントのように、Webトラフィックを監視するような技術重視の企業は、同社の調査では全体の15%と少なく、ソーシャル・メディアを介してLANに侵入してくるウイルス/ワームの脅威をそれほど強く感じていないことがその理由だ。

 ハラウェル氏は、ブログやSNSへのアクセスが原因となるネットワーク攻撃から身を守るためには、ウイルス対策ソフトはもちろん、ネットワーク監視、URLフィルタリング、アプリケーション制御、Web評価サービスおよび「セーフ検索」ツールを組み合わせた統合的なセキュリティ技術が効果的だとする。同氏はこうした複合型対策を「セキュアWebゲートウェイ」と呼んでいる。

 また、最近ではCMF(コンテンツ監視/フィルタリング)と呼ばれる分野のツールも登場しており、これを使うのも有効だ。CMFを使えば、危険なWebサイトへのアクセス・ブロックのほか、データ・ストリームからあらかじめセットした文字列を検索して、従業員が社内のPCからどんな投稿を書いているかまで監視できる。

 ネットワーク・セキュリティの専門家であるマーク・ローズオースリー氏によれば、CMFが提供するセキュリティ機能は、「コンテンツ・セキュリティ」や「エンタープライズ・コンテンツ・ガバナンス」などと呼ばれる分野として注目されているという。この分野のベンダーには、タブラス、リコネックス、ボンツ、ウェブセンス(ポート・オーソリティ部門)、フィデリス・グループ、ベリセプト、クリアスウィフトが挙げられる。

 ローズオースリー氏はこう話す。「CMFは将来有望な技術だ。ただし限界もある。例えば、個々のサイトへのアクセスをブロックするのは非常に手間がかかり、完璧に策を施したと思っても、どうしても穴が生まれてしまうのだ」。そのうえ、どのコンテンツを監視対象とするかはIT/IS部門のスタッフが人力で決めるのでまちがいが起こりやすいと同氏は警告する。

 「キーワード検索ではすべて捕らえるのは不可能である。CMF製品の中には特定タイプのコンテンツを隔離できるものがあるが、モデレーターが隔離されているすべてのコンテンツを選り分ける作業が発生する。これは決して容易な作業ではない」と同氏。また、CMF製品は基本的に画像ベースのコンテンツに対応していない。この技術は包括的な情報漏洩防止策の一環としては有用だが、これだけでは十分でない」と、ローズオースリー氏は語る。


前のページへ < 123 > 次のページへ



関連記事

▲ページの先頭へ戻る


キーパーソン

FacebookのザッカーバーグCEO「リアルな人間関係で情報共有の輪を広げてほしい」

GoogleとのSNS連携については「話し合って妥協点を見つけたい」

ローレンス・レッシグ氏、Web 2.0技術を駆使した政治改革推進プロジェクトを発足

政治活動の透明化を促進し、裏金問題の再発を防止

Wikipediaの創始者ウェールズ氏が語る検索エンジンの理想像

「ユーザーは検索エンジンのアルゴリズムを知る権利がある」

Web 2.0のキーパーソンたちが語る「企業と検索の良好な関係」

ITマネジャーの新たな課題──サーチやソーシャル・メディアをビジネスにどう活用するか

キャッチアップ

Web 2.0技術の利用実態、IT部門の大半がブログ/Wiki/RSSを“未導入”

IT予算の制約が導入の障壁に

「Gmail障害」の対処に奔走するグーグル――なお残る不透明感

可用性への懸念高まるなか、Google Appsは引き続き企業に受け入れられるか

元グーグルの技術者が放つ、新検索エンジン「Cuil」の“実力”と“アキレス腱”

テスターからは「比べてわかるGoogleのスゴさ」との声も

“秘密主義下の情報共有”は困難そのもの――CIAのIntellipediaプロジェクト担当者

WikiやIM、ソーシャル・ブックマーク、“CIA版YouTube”などWeb 2.0技術を駆使

世界の労働者の16%が、7種のデバイスと9種のアプリを駆使する“ハイパーコネクト・ユーザー”

仕事/プライベートの両面でコミュニケーション技術の活用が進む

ユーザーの声から考える“情報共有/活用基盤2.0”

エンタープライズ検索/イントラ・ブログ/ソーシャル・ブックマークの企業での活用

Web 2.0ツールを使いこなす――社内導入に乗り遅れるな

CIOに贈る「Web2.0ツール導入ガイド」

「Second Life」のインパクト――ビジネス・プラットフォームとしての可能性を探る

“仮想世界サービス”は、既存のソーシャル・メディアを凌駕するか

目指すは「脱ブラウザ」――スタンドアロン型リッチ・クライアント最新事情

次世代デスクトップ・プラットフォームの“本命”となるか

SOAでエンタープライズ・マッシュアップを!

マッシュアップの真価を引き出し、Web2.0時代の“勝ち組”を目指せ

従業員のSNS利用禁止は逆効果?

Web 2.0サイトの「功」と「罪」

オープンソースへと移行するSecond Life

開発元が一部のソースコードを公開

Web 2.0でビジネスを変革する![前編]

最新のWeb技術が企業ITにもたらすメリットとは

Web 2.0でビジネスを変革する![後編]

Ajaxを採用し、顧客起点の中古車紹介サイトの構築に挑んだヤマトリース

期待と懸念──産学官連携の「日の丸検索エンジン」計画が始動

Web 2.0時代のプラットフォームで日本のIT業界は再び輝きを取り戻せるか

「オフィスSaaS」の使い勝手をチェックする

“Web 2.0系オフィス・アプリケーション”はこれだけ使える

「Web 2.0系情報共有ツール」企業での活用法を考える

Wiki、ソーシャル・ブックマーク、CMS……個性的なツールが多数登場

Web 2.0と企業セキュリティ

ソーシャル・メディアのセキュリティ・リスク

ブログ、Wiki、SNS、ビデオ共有……便利だが危険と隣り合わせのWeb 2.0

IMの利用ポリシー/ルールを定めよ

気軽なコミュニケーション・ツール。だが気軽に運用してはいけない

社員の「モバイル・ガジェット」をどう管理するか

職場のPCに接続されるガジェットがセキュリティ・リスク要因に

Web 2.0事例研究

国家海洋大気局、マッシュアップを使った自然資源関連ポータルを開設

自然資源に影響を及ぼす各種人的要因データを集約

ソーシャル・メディアの活用術を「先行事例」に学ぶ

イントラ・ブログで社内ポータルを強化――カシオ計算機のチャレンジ

トレンド・ウォッチ

アドビ、マッシュアップ技術「Genesis」の非公開テストを10月に開始へ

複数のアプリ/サービスを統合する、企業クライアント・ユーザーのための“次世代ポータル”(2008年09月08日)

グーグル幹部、新ブラウザ「Google Chrome」への注力姿勢を鮮明に

「次世代Webアプリにはすぐれたブラウザが必要」と指摘(2008年09月03日)

グーグル、Wikipedia対抗の知識共有サイト「Knol」を一般公開

記事投稿は実名で。読者はコメントやレビューを記入可能(2008年07月24日)

WSO2、オープンソースのマッシュアップ開発環境「Mashup Server」をアップデート

Google Gadgetsをサポート。複数のデータ・ソースとの連携が可能に(2008年07月22日)

ヤフー、カスタム検索サービスの構築プラットフォーム「Search BOSS」を発表

検索APIを公開し、グーグルに対して巻き返しを図る(2008年07月11日)

ガートナー「仮想世界プロジェクトの90%は18カ月以内に失敗する」

「技術面ばかりに固執してはダメ」と辛口アドバイス(2008年05月16日)

拡大するWeb 2.0関連市場、2013年には46億ドル規模へ

業界大手の展開加速で新興ベンダーの減少を予想(2008年04月22日)

IBM、2種類の企業向けマッシュアップ構築ツールを発表

開発者向けと非開発者向け。前者はRESTfulベース(2008年04月09日)

Weekly Ranking

集計期間:11/25〜12/01


トピック一覧

ニュース特集

セキュリティ

ソフトウェア&サービス

経営/業務改革

ITマネジメント

データ・マネジメント

プラットフォーム

IT基盤技術

ハードウェア

ネットワーキング

トレンド

IT業界動向


Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国