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Web 2.0ツールを使いこなす――社内導入に乗り遅れるな
CIOに贈る「Web2.0ツール導入ガイド」
(2007年08月10日)
Web 2.0の導入事例
「情報管理」のために利用
ホノルルを本拠とするハワイアン航空は最近、空港の顧客サービス・スタッフが長年蓄積してきたコールセンターとWebサイトのコンテンツを体系化し、重複しているデータを削除してデータを一元化しようという試みに着手した。
| ハワイアン航空のCIO、デビッド・オズボーン氏 |
同社のCIO、デビッド・オズボーン氏は、「われわれには重複するデータが山ほどあった。空港スタッフは電話予約やWebサイトのスタッフとまったく同じ質問を受け、同じ回答を繰り返していた。なのに、それぞれのグループが独自にコンテンツを作成していたのだ」と、データの一元化に乗り出した背景を説明する。
ハワイアン航空は、それらすべてのデータを、サービス・スタッフが簡単に参照、検索、更新することのできる単一のリポジトリに統合しようと考えた。そしてそのために、マイクロソフトの「SharePoint Server 2007」を使って、統合された「顧客サービスFAQ」をWiki上に構築するというソリューションを採用することにしたのである。
「われわれは、これによって、すべてのデータを一元化することが可能になった」(オズボーン氏)
情報管理のために用いられるWeb 2.0ツールは、Wikiだけにとどまらない。ディスカバリー・チャンネルのオンライン教育者コミュニティ「エデュケーター・ネットワーク」は、スモールソート・システムズの「Dabble DB」というWebベースのデータベースを利用して、1万1,000件に及ぶ教育関連イベントのリストを管理している。
Webサイトでは、ディスカバリー・チャンネルのスタッフが情報を収集したり投稿したりするのではなく、エデュケーター・ネットワークの2,500人のボランティア教師「スター・エデュケーター」がそれぞれの地域やオンライン・イベント情報をリモートから更新するという仕組みをとっている。
このアプローチによって、ディスカバリー・チャンネルはおよそ75人週の労働時間を節約することができたという。エデュケーター・ネットワークのオンライン・コミュニティ・マネジャー、スティーブ・デンボ氏は、「Dabbleのおかげで、われわれはあらゆる種類のリポートを手にすることが可能になった」と、頬をゆるめる。
「ネットワーキング」のために利用
セールス・トレーニング会社、バショー・ストラテジーズのCEO、ジェフ・ホフマン氏は、昨年11月、人材採用の失敗を危ういところで回避することができた。そのときに役に立ったのが、ネットワーキング・サービスの「LinkedIn」であった。
そのときホフマン氏は、ビジネス開発部門を任せるミドル・レベルの管理職を採用するために面接を繰り返していたのだが、念のため、LinkedInネットワークにリストされていたメンバーに、最も有望だと思われる女性候補者について照会してみたのである。すると、興味深いフィードバックがいくつか返ってきた。
「その中の2人は、彼女にあまり良い印象を持っていないようだった。そうして、以前の勤め先で販売部門とうまく仕事ができなかったことや、本人に十分成功したと評価できるような実績がないことなどを指摘してきた。しかし、それよりももっと私の興味を引いたのは、そのうちの1人が彼女の履歴書には書かれていなかった会社の人間だったことだ。人材の採用には大きなリスクが伴うため、こうしたフィードバックが非常に重要だ。間違った人を雇用してしまうと、出費がかさむなどとんでもない損失を被ることになる」(ホフマン氏)
一方、SNSを利用すれば、従業員間の連携が図れるだけでなく、顧客同士の関係を強化することもできる。例えば、ハワイアン航空では、SharePoint Serverの「ブログ」「ピープル・サーチ」「MySite」といった機能を利用して、Webベースの従業員向けコミュニティを構築すると同時に、顧客である旅行客向けにも同様のコミュニティを立ち上げる予定である。
ちなみに、MySite機能を利用すれば、従業員に自分の技能や経験、同僚、参加している団体、関係するプロジェクト、その他の情報を掲示する場所を提供でき、キーワードでそれらのプロファイルを検索することも可能になる。
「社内的には、それぞれのグループがニュースや写真、コメント、アクティビティ、労働慣行の改善などを掲載できる部門別サイトを構築することを検討している。相互にコンテンツをやり取りすることができるコミュニティ・サイトの集合体というイメージだ」(ハワイアン航空のオズボーン氏)
「プロジェクト管理」および「コラボレーション」のために利用
Web 2.0ツールは、ここまでに紹介したような使い方以外に、単体のプロジェクト管理システムや、大規模なプロジェクト管理アプリケーションの一部としても使える。
例えば、衛星システム・メーカーのRTロジックは、イントランド・ソフトウェアが提供しているコンフィギュレーション管理ツール「Code-Beamer」のWiki機能を、製品開発の進捗状況をドキュメント化するために利用している。RTロジックでは現在、117のWikiが展開されており、エンジニアがプロジェクトのコミュニケーション・チャンネルとして活用している。
RTロジックのコンフィギュレーション・マネジャー、ジェームズ・サリバン氏によると、Wikiはエンジニアが気軽にコメントを書き込むことができるため、プロジェクト・コラボレーションに最適だという。また、なにかミスがあっても、簡単に元のバージョンに戻せるという点も魅力だ。
「開発の進捗状況に合わせて進化する“生きたドキュメント”だ。フレキシブルで使いやすい。バックアップを取って時系列で見ることもできる」と、サリバン氏はWikiを絶賛する。
「コンテンツ・パブリッシング」のために利用
ディスカバリー・チャネルのエデュケーター・ネットワークも、教師たちがアイデアを共有するための手段として、Web 2.0ツールを活用している。利用しているのは、シックス・アパートの「TypePad」(ブログ・サービス)、スティッキパッドの「StikiPad」(Wiki)、アイライクの「GCast」(ポッドキャスト)、シミュラットの「Vyew」(ライブ会議ツール)、ヤフーの「Flickr」(写真共有アプリケーション)といったツールだ。
例えば、最近「ディスカバリー・エデュケーター・アブロード」プログラムで南アフリカやニュージーランドを訪問した教師たちは、そのときに撮った写真をFlickrで公開しているという。
「(上に挙げた)ツールは、すべて教師同士がコミュニケートするためのものだ。こうしたツールがあれば、だれでも簡単に新しい世界にジャンプすることができる」と、エデュケーター・ネットワークのデンボ氏はWeb 2.0ツールを高く評価する。
一方、バショー・ストラテジーズでは、顧客や見込み客とのコミュニケーションを緊密化するために、彼らを自社のブログ・サイトに誘導している。顧客たちは、バショーのサイトにアクセスして同社のエグゼクティブのコメントを読んだり、それに対するフィードバックを投稿したりするのである。顧客はまた、バショーの販売戦略に関するポッドキャストのRSSフィードを購読したりすることもできる。
「パーソナル・アプローチに対するクライアントの反応は非常にいいが、ブログやポッドキャストは、今やそのパーソナル・アプローチのために欠かせない手段となっている」と、バショーのホフマン氏もご満悦だ。


























